阪神・淡路大震災が起きた1995年1月17日に神戸で生まれた男性をモデルにした絵本を制作するプロジェクトが神戸で始動した。
絵本のモデルは、神戸市兵庫区の中村翼さん(29)。
「お父さんは、お母さんとおなかの中にいるぼくを必死で守ってくれたんだって」
「病院も地震で壊れて電気も水も止まった。お父さんは懐中電灯でお母さんを照らしていたんだって」
「夕方6時21分、ぼくはようやくうまれたんだって。お父さんもお母さんもたくさんたくさん泣いたらしいよ。うれしくて」 文体は翼さんによる一人称、「ぼく」が語るスタイル。
子どもたちが自由に描いた絵を組み合わせて、物語の場面に使用する9枚の挿絵は完成した。「子どもたちには想像力と画力がある」。子どもたちが通うアトリエを主宰する中嶋洋子さんは語る。
■担当者:古田彰満(ふるた・あきみつ)ラジオ関西記者兼アナウンサー
1995年、阪神・淡路大震災直後にラジオ関西入社。事件・事故・社会問題を中心に取材。JR福知山線脱線事故や、ウクライナからの避難者の今、犯罪被害者・遺族の声、大阪・関西万博などを“深堀り”取材している。