地震予知は、なぜ「いつ」だけ分からないのか。
2011年、「想定外」という言葉を、日本中が聞いた。
あの日から、大きな地震のたびに繰り返されてきた問い。
「予知できなかったのか」。
1975年、中国・海城。前震、地下水位の変化、動物の異常行動——複数の異常が報告され、避難が呼びかけられ、多くの命が救われた。地震予知、唯一の成功例とされる出来事。
だが翌年の唐山では、同じ手法が通用しなかった。
2009年、イタリア・ラクイラ。専門家は「前兆と断言できない」と語り、数日後に本震。300人以上が死んだ。これは予知の失敗ではない。不確実な段階を、安心の言葉で語ってしまった話だ。
観測網は進化した。GNSS、海底地震計、AI。それでも「いつ」だけは、近づかない。
そして、もう一つの問い。
君は、次の一歩を、いつ決めているのだろう。
歩く前に、体はもう動き始めている。
脳は世界を見ているのではなく、予測している——予測符号化。
1980年代、ベンジャミン・リベットの実験は、「今動かそう」と意識する前に、脳の準備がすでに始まっていたことを示した。自由意志をめぐる議論は、今も終わっていない。
胸騒ぎ。虫の知らせ。予感。
外の地震と、内の予感。
同じ深さで、それらは分からない。
震源は、地下だけにあるとは限らない。
No One Knows。
本当のことは知らない。
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