西葛西出版は東京都江戸川区中葛西にある出版社です。
弱小出版社の社長、中村慎太郎が「嘘つき戦術の強みと弱み」をテーマに語る、堀口英利さんスペシャル第二弾!
【元書店員中村慎太郎(https://twitter.com/_Shintaro_)の選書】
通常、選書は読んでいない書籍に対して行います。仕入れる段階ではどんな本かわかりません。そりゃそうですよね。読んだ本しか仕入れられないとしたら在庫が全然足りないからです(本屋に勝手に運ばれてくる本(パターン配本)がない書店なので自分で1点1点選ぶ必要がありました、雑誌は除く)。
というわけで、今日はAmazonでみつけた「嘘」についての本を選書しました。大きい書店をいくつか回るともっと精度があがるんですが、今回は検索のみです。
書店の片隅にミニコーナー(フェアといいます)を作るイメージなんですが、そこまで店数は多くないです。フェアを作るのは書店員の楽しい仕事の一つです。うふふふふ。
東京外語大ロシア語専攻出身でロシア語同時通訳もできる作家さんの作品。詳しく知りませんが、外語大のロシア語はきっと地獄です。
ソビエト連邦の崩壊後、親しかった友人達を探し歩いた記録とのこと。探したのはプラハのソビエト学校時代の友人で、ルーマニア人のアーニャ、ギリシャ人のリッツァ、ボスニアのボシュニャク人のヤースナの3人。
この筋立てで「嘘つき」「真っ赤な」「真実」というタイトルのキーワードが想像つくような、いや、まったく想像つかないような……。いや、これは読まないとですね。
『われわれはなぜ嘘つきで自信過剰でお人好しなのか 進化心理学で読み解く、人類の驚くべき戦略』 ウィリアム フォン・ヒッペル (著), 濱野 大道 (翻訳)
嘘つきという性質が現在まで残っているのは「それが生き残るには有利だから」と考えるのが進化学です。進化心理学は、恐らく、どういう心理を持つ個体(人間)が生存しやすく、子孫を残しやすいかを検討しているのでしょう。
嘘つきは子孫を残しやすいという話しにはなると思いますが、「どの程度」なのか。それが重要です。
十二人の怒れる男をオマージュしたのだろうと思いますが、非常に面白そうです。6人は就活生で、同じ会社を受けているそうです。その6人に出された課題が、1人だけ内定者を決めろというものでした。
そのあと「〇〇は人殺し」というメッセージが見つかる……。犯人の目的とは?書店員の勘ですが、この本は面白いと思います。
『平気でうそをつく人たち 虚偽と邪悪の心理学』M・スコット・ペック (著), 森英明 (翻訳)
ガチムチの学術書、大学の教科書というレベルの本だと思います。めくってみないとわからないのですが、内容の重さの割にはわかりやすいのでしょう。50万部のベストセラーになっているそうです。
まわりに一人はいますよね。平気で嘘をつく人が。善良で両親を持つ人はその対応に困るものです。この本は、そういったときの対応策を教えてくれるかもしれません(目の前に本があって2,3分パラパラめくると手書きポップが書けますが、この作り方だとちょっと曖昧な記述になります)。
漫画。面白いらしい。読んでないとかポストしたらきっとあの人に怒られる(読んでません)。
『「隠す」心理を科学する:人の嘘から動物のあざむきまで 』太幡 直也 佐藤 拓ら
嘘をつくという行動を、人間の心理だけではなく、動物の行動まで守備範囲を広げて、生物学、生態学、進化学へと範囲を広げる本。著者も多いので、しっかりとした学術書だと思われます。
『元刑事が教える ウソと心理の見抜き方 』森 透匡
ちょこちょこ見かける、刑事もの、元捜査官もの。その中でこの本はエンタメとしても、実用書としても一定の価値がありそうだなと思い選書。著者は元警部で、知能犯や経済犯を担当していたとのこと。
横領や収賄などを扱うときには確かに嘘を見抜けるかが大切になることでしょう。書いていて、読みたくなってきた。
〝彼〟は嘘を見抜けなかったカモさんです。うぇーうぇー。嘘を見抜けないと最高裁までいっちゃう。うぇー。嘘をつかない奴がアスナなんだ!