今回はグリーントランスフォーメーションの話をします。パリ協定やCOP26を覚えていますか。2025年をCO2のピークとして、2030年までにCO2の排出量を半減させないといけない。そのために30兆ドルは投資が必要だ、という事をIPCCという国連機関が言っています。欧米や日本は2050年までにカーボンニュートラル、それから中国、ロシア、サウジアラビアやインドネシアは2060年までにカーボンニュートラル、インドは2070年までにカーボンニュートラルを宣言しました。そして日本は中間目標として2030年までに2013年比46%CO2削減みたいな事を約束しています。この間、岸田首相が突然GXと言いました。GXとは何だと思いますか。ここのところDXと言って、企業は皆デジタルトランスフォーメーションをやらなければと言っていますが、岸田首相は今後はGXが大事だと言っています。GXはグリーントランスフォーメーションの事です。Xを付けて何かをトランスフォーメーションするのが流行しているのです。
グリーントランスフォーメーションというのは、パリ協定を守り、カーボンニュートラルを達成するために必要なことをするという事です。要するに世界をグリーンにトランスフォーメーションしようという事です。そのために2030年には、17兆円くらいは使わなければなりません。その前から、2024~2033年にかけて10年で150兆円は使いましょう、電源構成でいうと今20%くらいしかない再生可能エネルギーを2倍ぐらいにしよう、火力発電が76%くらいのところを40%ぐらいに減らそう、原子力発電があまり稼働していないので全部稼働させようなどと言っています。
再生可能エネルギーは何が中心だか知っていますか。太陽光や洋上風力や地熱など色々ある中で最も重要な2つは、太陽光と洋上風力です。太陽光は色んな所に太陽光パネルを取り付けて沢山発電できるようになり、2020年で年間79TW(テラワット)の発電量です。全体の7~8%程度が太陽光です。これを2030年までに年間130から150TWくらいにしようと言っています。日本全体で年間1,000TWの発電量の内の130から150TWなので14%ぐらいは太陽光にしようということです。
洋上風力は更に重要で、色々と調査に時間がかかるので2030年までに設置できる数は限られていますが、2040年までには多くの洋上風力発電施設を造ろうとしています。今9TW分しかないものを、2030年までに50TWにして、2040年までに年間400TWぐらいの発電量にしようと、そうすると40%ぐらいは洋上風力となります。
2030年までに一生懸命太陽光を増やして、それから2040年までに洋上風力を増やしていくというのがとても大事ということです。太陽光と洋上風力で稼がない限り、再生可能エネルギーは増やせないのです。
日本の1年間に必要な総発電量は、約1,000TWです。1,000TWと言っても大き過ぎて皆さんお分かりにならないと思うので、少し電力の単位の話をします。電力を理解するためには、単位の話が重要です。日本や中国はゼロ4桁きざみで、万、億、兆となりますが、欧米ではゼロ3桁きざみで、1,000、100万、10億、兆となります。ミリオン、ビリオン、トリリオンという風にです。これが電力の場合は、メガ、ギガ、テラとなります。メガ、ギガ、テラというのは、ミリオン、ビリオン、トリリオンに対応していて、100万、10億、兆のことです。つまり日本の総発電量は1年間で1兆kW必要なのです。k(㌔)は1000のことなので、1兆kWが1,000TWに当たるということです。
原子力発電は通常、1基で1時間当たり100万kW発電します。つまり、1時間当たり1GW発電します。1年というのは、1日24時間x1年365日で8,760時間あります。およそ1万時間です。1時間に1GW原子力発電で発電出来るとすると、1万かけると1万GW、すなわち10TW、原子力発電1基で1年に発電出来ます。そうすると、日本の必要電力量1000TWは、100基原子力発電があるとなんとか賄えます。しかしこの間の第6次エネルギー基本計画では原子力発電を20%ぐらいにしようと言っています。そうすると残りの電力は、他の発電方法で稼がなければいけません。
太陽光は太陽が照っている時には発電出来ますが太陽が沈んでしまうと発電出来ません。太陽が沈んだ時に電力が供給されなくなり、そのため節電しなければと言われています。風力も風が吹けば大きな電力を発電できる一方で風が吹かなければ発電できません。太陽光や風力発電は、送電能力や蓄電能力によって節電の必要性に影響するので、送電能力の強化や蓄電能力の強化が必要になるのです。
現在、送電に関しては1時間当たり100GW発電している所に100の内の22GW分の送電網があります。これでは少ないので、5兆円ぐらいかけて16GW増やそうと言っています。そうすると、100分の38、4割くらいの電力が送電できて大体を賄えるというのが送電網の話です。
それから蓄電というのがあります。再生可能エネルギーの発電力の10分の1くらいを蓄電池として持っていればいいと言われています。100GWの内、再生可能エネルギーが40%だと40GW。これで2時間30分ぐらいだと100GWぐらいの蓄電池が必要だということになります。
今日のまとめです。カーボンニュートラルのためにグリーントランスフォーメーション、GXに取り組まないといけません。再生可能エネルギーはまず、2030年までに太陽光を年間140TW、2040年までに洋上風力を年間400TWにする計画です。送電設備や蓄電投資が必要になってきます。経産省はカーボンニュートラルのために2030年で17兆円、2024~33年の10年で150兆円の規模の投資が必要だと言っています。