今日のまとめ: クルーズ船の運航が再開されています。日本でも間もなく再開です。感染
防止策は、専門家のアドバイスを受けながらも、私たちの普段から注意し
ていることと変わりません。まずはビジネスの復活なのかもしれません。
前回は、クルーズは実は非常に大きな業界であり、昨年1年間の利用者は、世界で3千万人、年間売り上げ約14兆円、世界で10万人の雇用に関わる規模の大きな産業でしたが、新型コロナウイルスの蔓延する中で、大変な状況にあるとのお話でした。
その状況は、本当に深刻で業界団体の調査によると、今年の3月半ばから9月の間だけで、5兆円の損失と、33万4千人の雇用が失われたそうです。
今回の新型コロナウイルスの中で、「密閉空間、密集場所、密接場面」の三密を避けるということが言われていますが、クルーズ船の中はどうしても、閉ざされた空間に多くの乗客が行動を共にするというビジネスの特性から、感染者が出ると拡大を防ぎにくいということになります。
クルーズのビジネスは、収入の約6割が乗船料で、残りの4割が船内の料飲やカジノや物品の購入だそうですが、そもそも運航されないとそれらの収入がないと同時に、寄港先での消費が発生しないことになりますので、クルーズ関連のビジネスは厳しい状況です。
クルーズの再開については、地域的な感染状況の違いがありますので、かなり差が出てき
ています。米国では今年の9月30日までクルーズ船の運航禁止令が出されていましたし、
業界としても自主的に10月31日までは、全てのクルーズを中止しています。またクルー
ズ会社によっては、既に今年12月までは全く運航しないとアナウンスしています。
一方で、まだ限定的ではあるようですが、ヨーロッパやアジアの一部では、比較的短期間
のクルーズを中心に少しづつ再開しているようです。この様子を見ながら、世界最大のク
ルーズ市場であるカリブ海やメキシコ、中米の再開が検討されるようです。
日本を含めて世界で、クルーズ船に感染者が出た際に、乗客が船内に自主隔離された時のニュースの映像を思い出すと、なかなかクルーズに対するイメージがクルーズ旅行に二の足を踏ませるように思います。
確かにまだ抗ウイルス治療薬やワクチンの開発と普及には時間がかかりそうですし、実際にインド、米国、ブラジルだけでなく、ヨーロッパでも感染者数が増加していることを思えば、そのように思いますが、来年2021年の予約はかなり戻ってきているそうですし、今年の8月には地中海などでも運航が再開しています。
それではどのように乗客の不安を解消して、実際に感染防止策が講じられているのかですが、業界団体が主導しながら各社で同様の措置がとられています。
まずは、乗船前の検温と完全な検査の実施、乗船中の自室以外と寄港地でのマスクの着用、ソーシャル・ディスタンスの確保、団体行動の制限、換気装置の強化、発症時の隔離施設の確保、寄港先での下船についてクルーズ会社の規定に基づくことなどです。
米国の疫病予防管理センター(CDC)や専門家のアドバイスを受けながら、感染予防策が考えられているようですが、現状ではこれ以上に徹底できる方法がないのかもしれません。
その他にクルーズ会社によっては、感染リスクの高い国からの乗船者については、乗船72時間以内にPCR検査を受ける義務と証明書の提示が求められています。また65歳以上の乗客や持病のある人については、事前に主治医などのアドバイスを受けることなどが示されています。
このように考えると、感染予防で外出を控えることと、経済活動の復活のせめぎ合いと同じことが、クルーズにもあるのかもしれません。結局のところ、クルーズを止めることの影響の大きさを考えると、最大限の努力をしながら再開せざるを得ないということなのかもしれません。
少し意外かもしれませんが、日本のクルーズ会社の再開についても、少しご紹介したいと思います。にっぽん丸を運航する商船三井客船は、11月2日の神戸港発着に3日間のクルーズから再開して、年内に23本のショート・クルーズが予定されています。
こちらも先ほどご紹介した感染予防策の他に考えられていることは、セルフサービスのビュッフェ・スタイルの食事の中止や、全室の空気清浄機の設置と、アルコール消毒液の配置くらいです。
一方の飛鳥Ⅱを運航する飛鳥クルーズも、同じ11月2日の短期のクルーズから再開されます。こちらも同様の対策と、混雑が予想されるイベントやサービスの中止が告知されています。
では、今日のまとめです。
クルーズ船に感染者が出た時のニュースは、まだ記憶に新しいですが、既にヨーロッパなどではクルーズが再開されており、日本国内でも11月の初旬から再開されます。
クルーズ船の新型コロナウイルス予防策に特別のものがあるわけではなさそうですが、まずはビジネスの復活に向けて、最大限の努力をしながらということなのかもしれません。
また同じようなことが起こらないことを祈ります。