生成AIに入力したそのプロンプトは、本当に「自分だけの画面の中」に留まっているのでしょうか。
本エピソードでは、生成AI時代のプロンプト入力、患者データ、機微情報、SaaSガバナンスについて解説します。
取り上げる主なテーマ
- プロンプトは外部送信なのか
- 生成AIとデータフロー
- 患者データ・医療情報・メンタルヘルス情報の扱い
- 日本の個人情報保護法とPPCの考え方
- HIPAAとBAA
- ePHIとクラウド事業者
- 第三者提供と委託の違い
- BetterHelp事案
- GoodRx事案
- 匿名化の罠
- 自由記載と再識別リスク
- OpenAI、Azure OpenAI、Google Gemini、AWS Bedrockのデータ保持
- Web検索・音声・メモリー・スレッド機能のリスク
- RAGと社内データ連携
- DLP・RBAC・監査ログ
- SaaSのサイレントアップデート
- AI導入前のガバナンス設計
生成AIの問題は、AIが正しい答えを出すかどうかだけではありません。
もっと手前にある問題は、何をAIに渡したのか。
そのデータはどこへ送られるのか。
どこに保存されるのか。
誰が見られるのか。
どの機能をオンにすると、外部検索、ログ保存、メモリー、音声処理、サードパーティ連携が動くのか。
プロンプト入力は、単なる文章作成ではありません。
多くの場合、それは外部SaaSへのデータ送信イベントです。
特に、患者情報、メンタルヘルス情報、診断名、服薬、通院歴、家族関係、職場の悩み、トラウマ、希死念慮などは、極めて感度の高い情報です。
名前を消しても安全とは限りません。
自由記載に残る文脈だけで、個人が再識別されることがあります。
重要なのは、「どのAIサービスなら安全か」ではありません。
どの機能を使うのか。
どのデータを入れてよいのか。
どのログが残るのか。
誰がアクセスできるのか。
事故が起きたとき、誰が止めるのか。
ブランド名ではなく、機能単位・契約単位・データ経路単位で管理することです。
生成AIを安全に使うとは、最新モデルを選ぶことではありません。
データを分離し、入力境界を決め、便利機能のスイッチを確認し、ログと緊急停止手順を整えることです。
そのプロンプトは、外部送信ではないのか。
AI時代の患者データ、機微情報、SaaSガバナンスを考えます。