生活音

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生活音 episodes

  • #14 選抜に耐えうる程の自分らしさの欠如(?

    競技をしていると良くも悪くも勝ち負けが付きまとう。


    勝つ経験って、特に育成期(って言ったらいいのかな)の選手にとっては、時として彼らの人間性を危うい方向に揺るがす要素になりかねない。


    誰かとの真剣勝負に勝つという経験が、自分そのものが他の人よりも優れているという捩れ曲がった意識に繋がってしまう懸念がある。


    過信に溺れた意識。自信とは言えない。


    他者を打ち負かすという刺激の塊のような経験が、勝者の人間性に与える影響はなかなか大きいなぁと思う昨今、自分の歪んでいるはずの人間性(歪んではいませんようにと願うばかりだが)を正してくれる存在の不在を感じる。


    本を読んだりラジオを聴いたり自然の中を歩いたりして、なるだけ世界に目を向けようとはしているけれど、ふと気を抜くと、自分の目が見つめているのはいつだって自分の心。


    心が凝り固まらないようにせねばと危惧する日々。

    16 min
  • #13 感情だって眠るんだろうし

    【サルトル / 嘔吐】

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    【鈴木俊貴 / 僕には鳥の言葉がわかる】

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    大人だからとか子供だからとか立場がどうとかそういうことに拘らずに、とりあえずやりたいことを体験してみるっていう好奇心旺盛な姿勢を保ち続けたいなぁって改めて思う。


    「自分には好きなことがない。打ち込めることがない。熱中できることがない。没頭できることがない」


    そういう風に思い込んでしまうのは、思いつく限りの「これやってみようかな」をやり尽くした後にしようって思う。


    どんな刺激がきっかけになってそれまでずっと眠ってた感情が目を覚ますかなんて本当に見当もつかないからね。

    21 min
  • #10 もっとこっちを見てよ

    「これをしてみたい」「あれをしてみたい」っていう表層的な欲求全てが、「もっとこっちを見てほしい」っていう深層的な欲求を源泉として湧き上がってきているんじゃないかなって思っちゃった。


    世界に対して叫ぶ「もっと僕の方を見てよ」っていう要求。


    もっと僕の方を見てよ。ねえねえここだよ。ここにいるんだよ。そっちじゃないよ。もっとこっちを見てよ。僕のことを放っておかないでよ。


    そういう深層的な欲求が、全ての欲求の根源なのかもしれない。僕の場合の話。不純。僕が人である証明としては十分すぎるくらい不純。


    でもみんなの前に立つのって、(得意か不得意かでいうと)不得意だと思っていたのにね。自己評価的には。


    それでもなお、もっとこっちを見てよ。


    矛盾してる。どうしてだろう。問いがまた生活に彩りをくれる。

    31 min
  • #9 瞼の裏の暗さって美しい

    まぶたは薄い皮膚でしかないはずなのに、風景が透けて見えたことはまだない。もう少しで見えそうだと思ったりもするけど、眼を閉じた状態で見えているのは、まぶたの裏側の皮膚にすぎない。あきらめて、まぶたをあげると、あたりまえのことだけれど風景が見える。


    以上は又吉直樹さん「劇場」の冒頭部分(とっても面白いのでおすすめです劇場)。瞼の裏の暗さって美しい。


    日記って手書きだからか、公表するのが恥ずかしい。音声と手書きの文章って何だか似てる。自分の声帯を震わせて言葉を伝える音声。自分ならではの字体で言葉を伝える手書きの文章。自分の気持ちを伝達するための媒体が自分の色で染まりすぎているから恥ずかしいんだと思う。


    突発性難聴と適応障害を併発して1年が経過しました。振り返るのはまた今度にしますが、改めて、みなさんいつも手を差し伸べてくださり、本当にありがとうございます。何かを失ってからその幸せに気づく生き方はおしまいにしようと感じています。

    27 min
  • #8 他者の悲劇を自分の幸福の源泉としないように

    この悲惨な出来事は忘れちゃいけないと心から感じたはずなのに、その記憶を3月11日っていう文字の並びが呼び起こす、記憶の脆さ。1人の人としての限界値を感じる度にますます付き纏って離れなくなる無力感。目分量の珈琲豆。

    37 min
  • #7 過去に抱いた感情の総称

    これまでに経験した無数の感情ひとつひとつを手に取って搾り取る。そうして滲み出た抽出液を心のミキサーに放り込む。全ての感情の抽出液を放り込み終えたらミキサーのスイッチを押してかき混ぜる。そうして完成したスムージー、その名も懐かしさ。


    喜怒哀楽と言われるような「嬉しい!」「悲しい!」とかは何らかの出来事に対して単発で抱かれる感情だけど、「懐かしい!」は昔抱いたことのある様々な種類の単発の感情をひとまとめにして心にドカっと再生産してくれる感情。素敵。


    感情でいう「懐かしさ」は、バスケでいうヘッドコーチ、会社でいう社長、蟻でいう女王蟻。これまでに経験した感情全てを総括する懐かしさという感情。ちょっと特別。


    懐かしさを感じつつ、高校3年間を過ごした京都の街を散歩しながら録音しました。


    43 min
  • #6 大人のキッザニア

    深夜の散歩中の録音は不特定多数の鬼から逃げる鬼ごっこ。こっちはとっても不利だよね。録音のために発話しないといけないんだからさ。鬼に見つかりやすいよね。自分はここにいますよ〜ってわざわざ伝えてるみたいで。


    寝静まった後の夜の街での散歩中の録音は静かでいいけれど静かすぎるから通行人の方とすれ違うのが恥ずかしいし何だか背後から追いかけられたくもない。それで目の前から歩いてくる人が見えたらそそくさと路地に入ってすれ違うのを予め回避したり、仮にその人も同じ路地に入ってきたら背後から追いかけられ続けないようにまた途中で進路を変えたりする。


    録音中たまにランニングしてる人の足音が何の予兆もなく背後から聞こえてくることがある。逃走中っていうテレビ番組の逮捕の瞬間がありありと目に浮かぶ。被逮捕者の目線だけど。体験したことは一度もないけど。とりあえず本当にびっくりするのよ勘弁しておくれ。


    AIが発達すればするほど人の人らしさが際立ってそこに益々の価値が宿るようになる気がする。だから人間らしく欠陥を抱えてて大丈夫なんです何も問題ないんですふふふの気持ち。


    【Instagram】https://www.instagram.com/hoshikawa.13/


    【note】https://note.com/kenshin13


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    16 min
  • #5 大人だって虫眼鏡を覗くんだから

    風の音を取り込まずに録音する方法を教えてくれた皆さん、ありがとうございました。おかげで素敵な方法が見つかりました。


    首元に取り付けたマイクの位置が口元から少し遠かったか、あるいは夜間の静謐な街中では声を張りづらかったからか、声が小さく感じられるかもしれません。すみません、音量を上げてください。


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    子供の未熟な感覚から抜け出した大人が、わざわざ子供時代の感覚を取り戻そうとする不思議。仮に子供の感覚を体内に宿し続けたまま大人になってしまったなら、「幼稚だ」「常識を知らない」などと周囲から評されることになって内なる心に鬱憤を募らせる、そういう末路を辿るに決まってるのにね。そうやって評される大人たちが、実は子供時代を取り戻すことのできている唯一の人々かもしれないのにね。


    背伸びをする子供。対照をなす、背を屈める大人。隣の芝生は、これまでもこれからも、きっとずっと青い。


    大人の世界を夢想して、まだ見ぬ未来に思いを馳せて、心底ドキドキしていた幼い頃の僕へ。20歳になってから既に4年と数ヶ月が経過しているよ。この前、ややあって虫眼鏡を買ったよ。あなたの小さな胸に確かに拍動するピカピカの心を取り戻すだけのためにね。

    21 min

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星川堅信。