■「シング・フォー・ミー、ライル」
　日本でもヒットしたミュージカル映画「グレイテスト・ショーマン」の音楽スタッフが贈る「奇跡と感動のファンタジー・ミュージカル」が、うたい文句だが、単に「泣ける」で済ませるには個性的な作品だ。
　売れないショーマンのヘクターが、美声で歌うワニのライルと出会い、コンビを組んで舞台を踏む。ところが、ライルは人前では緊張して声が出ず、ショーは失敗に終わる。ヘクターはライルを置き去りにして姿を消すが、やがて少年、ジョシュの一家とライルの新たな生活が始まる‥

　■「マッシブ・タレント」
　おもしろいことを考える人たちがいるものだ。この映画は、落ち目の俳優、ニック・ケイジが、国際犯罪に巻き込まれるアクションコメディー。このニックをニコラス・ケイジに演じさせた。アカデミー賞俳優で、多数のヒット作がある大スター。だが、ここ20年ほどは税金を滞納するほどくすぶるなど、ニックは、ほぼニコラス自身なのだ‥

■「雑魚どもよ、大志を抱け！」
　監督の足立紳は、今秋から放送開始のＮＨＫ連続テレビ小説「ブギウギ」を手掛ける注目の脚本家。その足立が、20年前に書き上げていたという半自伝的な脚本を基に、自ら監督したのが、この映画だ。
　主人公は、小学５年生の高崎瞬と友人たち。親役で永瀬正敏や臼田あさ美らが出演するが、２時間半近くに及ぶ物語のほとんどを無名の子役たちが紡ぐ‥

　■「デヴィッド・ボウイ　ムーンエイジ・デイドリーム」
　デヴィッド・ボウイは、2016年に69歳で亡くなった英ロックミュージシャンだ。「戦場のメリークリスマス」（大島渚監督）など映画にも出演し、その多彩な活動は、広範囲の文化に影響をおよぼした。
　この映画は、その半生をたどるドキュメンタリー作品。この手の記録映像は、たいていが関係者の証言集で終わる。だが‥

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