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FAQs about 天文宇宙検定受験講座「目指せ!星博士ジュニア!!」:How many episodes does 天文宇宙検定受験講座「目指せ!星博士ジュニア!!」 have?The podcast currently has 21 episodes available.
September 15, 2023一般的に地球から高度何km以上で宇宙と呼ばれるか。解説は、京都大学岡山天文台 戸田さんです。問題にあった「一般的に地球から高度何km以上で宇宙と呼ばれるか。」正解は、100kmでした。高度10kmは、積乱雲・入道雲がある高さで、この高度の10km以下で私たちが住んでいる地球の天気の変化に影響してきます。また、高度10kmでは、飛行機(ジェット機)が水平飛行するのも高度10km前後です。高度50kmは、オゾン層の上の端。高度400kmは、国際宇宙ステーションが飛んでいる高さです。地球大気と宇宙の間にはっきりとした境目はありませんが、各分野にて解釈は異なりますが、一般的に高度100kmから宇宙と呼ばれる。この高さを専門的には、「カーマンライン」と呼んでいます。1957年 人類初の人工衛星「スプ―トニック1号」が旧ソ連から打ち上げられました。さらに、1961年には、旧ソ連の「ガガーリン宇宙飛行士」が宇宙飛行をしました。わずか1時間48分の地球一周と短い時間でしたが、初めて人類は地球から宇宙へ飛び出したのです。このときの高度は、181kmから372km100km以上ですから、宇宙を飛んでいますね!そののち、1969年 アメリカの有人月探査船「アポロ11号」が、月面着陸に成功しました。現在、地球から最も遠くの宇宙を飛行している探査機は1977年にNASAによって打ち上げられ、1979年に木星に接近、さらに、1980年に土星に接近して探査を行った惑星探査機「ボイジャー1号」です。もちろん、無人ではありますが、地球から約240億km天文単位で表すと、約160天文単位。これは、地球と太陽の距離の約160倍になります。解説は、京都大学岡山天文台 戸田さんでした。...more3minPlay
September 08, 2023最も表面温度の高い星は何色?解説は、岡山天文博物館 大島さん「最も表面温度の高い星は何色?」でしたが、夜空にはたくさんの星が輝いています。これらの星をよく見比べると、赤い星や黄色い星、青白い星などいろいろな色の星があることに気が付くと思います。例を挙げると「春」春の大曲線をつくる1等星「アークトゥルス」がオレンジ色の星おとめ座の1等星「スピカ」が青白い星。その色から麦星、真珠星と呼ばれていました。「夏」さそり座の1等星「アンタレス」が赤い星。こと座の1等星「ベガ」が白い星。このベガは七夕の織り姫星としてよく知られています。「冬」オリオン座の左肩にある1等星「ベテルギウス」が赤い星。右下の1等星「リゲル」が青白い星。すぐ近くにある、ぎょしゃ座の1等星「カペラ」は黄色い星。このように様々な星の色があるのはなぜでしょうか?何が星の色を決めているのでしょう?皆さんは、鍛冶屋さんが鉄を真っ赤に加熱してハンマーで力強くたたいている場面をテレビや動画で目にしたことはありませんか?十分に加熱した鉄は、まぶしいほど白っぽく光っていますが、作業をしてだんだん温度が下がるとともに黄色くなっていき、そのうち赤黒い色に変わっていきます。このように、物体の色は、温度と関係があるのです。物体の温度が低いときは、波長の長い赤い光がもっとも強く出ていて温度が高くなるほど、波長の短い青い光が強く出るようになっていきます。これは、星の場合も同じです。星の色が赤からオレンジ、黄、白、青白となるにつれて星の表面温度が高くなっていきます。おおまかにいえば、赤い星アンタレスの表面温度は、約3500度オレンジ色のアルクトゥルスは約4000度、黄色い星カペラは約6000度です。さらに、白い星ベガは約9500度、青白く光るスピカは約12000度という高温です。太陽の表面温度が約6000度なので、黄色い星といえます。星の色を観測することによって星の温度を知ることができるのです。ちなみに、温度が低いほうの話もしておくと、宇宙空間の平均温度は、マイナス270度といわれています。この温度も空間からの電磁波を測定することによって知ることができました。宇宙は無数の恒星からのエネルギーで熱くなりそうなものですが、地球でいえば地表や雲や大気のようなエネルギーをしっかり受け取る物質がないために温度が上がりません。光についてもう少し詳しく説明すると、光には波の性質があるのですが、水面の波や音などとは違って真空中を伝わることができます。宇宙で輝いている星は、非常に高温の気体の巨大なかたまりで、その表面から熱や光を出しています。こうして出た光の波は、真空の宇宙空間をはるかかなたの地球まで伝わってきます。私たちがみているのはその光です。私たちの目は、光の波の細かさを虹の色のようにさまざまな色としてとらえることができます。波の細かさを波長といいますが、長い波長の光はオレンジ色や赤色に見え、短い波長の光は青や紫色に見えます。星が出している光にはいろいろな波長の光が含まれていて、それぞれの強さや混ざり具合に特徴があり、これをスペクトルといいます。スペクトルを詳しく調べることによって、星の表面温度の違いや、含まれている物質の種類などを知ることができるので星をきちんと分類することができるのです。人は、どのようにして色の違いを見分けているのかを簡単に説明します。太陽や電球のように、光を出している物体を光源といいます。多くの場合、光はいろいろな波長の光を含んでいて、それぞれの波長に応じた色があります。一方で、いろいろな光の色を「光の三原色」と呼ばれる、赤、緑、青の光をいろいろな強さで組み合わせて作ることもできます。私たちの目の奥にある網膜には、光を感じる2種類の細胞がありひとつは光の明るさを感じる細胞、もうひとつは、特定の光の色の強さを感じる細胞で、光の三原色である赤、緑、青に対応しています。これらの細胞が感じた光の信号の強さを脳で処理して、異なった色として感じているのです。ちなみに、テレビやパソコン、スマホの画面では、赤緑青3色の細かい点が光っています。虫眼鏡やルーペで見てみるとおもしろいですよ。星からの光を調べる際に重要なのが、スペクトルですが、これは光を分解して、どの波長の光がどれくらい含まれているかを示すものなので、私たちの目と脳が行っている作業を観測装置で行うようなものなのです。さらに、スペクトルの中にある輝線とよばれる特に明るい部分や、暗線と呼ばれる暗い部分などの様子からどんな物質が光を出しているのかも分析できます。当然、これらは目で見たのではわかりません。身近なものとしては、太陽の光、白熱電球、蛍光灯はそれぞれ特徴のあるスペクトルを示します。実際の観測では、その星が何万光年も離れていても、届いた光のスペクトルを分析することでその星の温度や光を出している成分、近くに存在するガスの成分などを調べることができるのでその星にどのようなことが起きているかを推測できます。このようにスペクトルにはたくさんの情報が含まれていて、宇宙の謎を解明するための重要な手がかりなのです。解説は、岡山天文博物館 大島さんでした。...more10minPlay
September 01, 2023肉眼で見ることができない惑星は?解説は、日本スペースガード協会 奥村さん問題 「次のうちに肉眼ではみることができない惑星はどれか」でした。「惑星」とは、太陽のような恒星の周りをまわる天体のことで、太陽系には、内側から 水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の8つの惑星があります。このうち肉眼で見ることができる惑星は、地球を除くと水星、金星、火星、木星、土星、天王星の6つとなります。みることができるといっても時間や方向など、さまざまな条件が発生します。それぞれの特徴として「水星」は、太陽に最も近いことから観測できる時間が短く、お目にかかることが少ない天体です。「金星」は、宵の明星・明けの明星と呼ばれるほど、他のどの星よりも明るく輝くことが多いので初心者でも簡単にみつけることができます。「木星」は、一番大きな惑星で、金星の次に見つけやすくとても見ごたえがあります。「土星」は、輪っかのある星として有名ですね。こちらも明るいので肉眼で見つけることができますが、輪を見るためには、天体望遠鏡が必要となります。「天王星」は、ギリギリ肉眼で見える等級ですが、とても空が暗いところでなければ見つけるのはかなり難しいです。通常は、双眼鏡や天体望遠鏡での観測になります。では、なぜ、みえないのか。惑星は、自ら光るのではなく、太陽の光を反射することで輝いて見える天体です。「海王星」は、太陽や地球から遠く離れているため肉眼でみるには明るさが足りません。太陽の光を反射することで輝いて見える天体。それでは、それぞれの惑星と太陽との距離はどのぐらいなのでしょうか?太陽から水星までの距離は、約5790万㎞ 平均気温は、167度ただし、水星は、自転が遅く大気が薄いため、夜の温度は昼の温度より600度以上も低くなります。太陽から金星までの距離は、約1億820万㎞ 平均気温は、464度水星より遠いのに表面温度が高くなるわけは、金星は、二酸化炭素を主成分とする分厚い大気に覆われておりその温室効果によって太陽系の中でも最も高温の惑星になっています。太陽から地球までの距離は、約1億4959万㎞ 平均気温は、15度太陽から火星までの距離は、約2億2794万㎞ 平均気温は、マイナス65度太陽から木星までの距離は、約7億7834万㎞ 平均気温は、マイナス110度太陽から土星までの距離は、約14億2666万㎞ 平均気温は、マイナス140度太陽から天王星までの距離は、約28億7065万㎞ 平均気温は、マイナス195度太陽から海王星までの距離は、約44億9839万㎞ 平均気温は、マイナス200度距離を別角度にて太陽系内での距離に言及する際、「天文単位(au)」という単位がよく使われます。天文単位は、太陽と地球の間の平均距離をもとに決められた定数で、1天文単位は、1億4959万7870.7㎞と定義されています。約1億5000万㎞と覚えておくと便利です。太陽から各惑星までの平均距離を天文単位で表すと、水星は、約0.39天文単位(au)金星は、約0.72天文単位(au)地球は、1天文単位(au)火星は、約1.52天文単位(au)木星は、約5.2天文単位(au)土星は、約9.54天文単位(au)天王星は、約19.19天文単位(au)海王星は、約30.07天文単位(au)となります。このように肉眼でも楽しめる惑星はたくさんあります。子供たちとの遊びの中に「惑星探し」を取り入れてみてはいかがでしょうか?解説は、奥村さんでした。...more7minPlay
August 25, 2023天の川銀河には何個ぐらいの恒星、つまり星があるか。今回の解説は、ライフパーク倉敷科学センター 三島さんです。問題「天の川銀河には何個ぐらいの恒星、つまり星があるか。」でしたが、正解は、2000億個でした。天の川銀河について詳しく解説をしていきます。我々は、太陽系が属する銀河・天の川銀河を内側から眺めて夜空を横切る淡い光の帯「天の川」として観測しています。太古の人々は雲のように見えるその存在を、何千億の星々が重なり合った存在であることは知る由もありませんでした。天の川が星の集団であるということを明らかにしたのは、今から400年以上前のイタリアの科学者・ガリレオ・ガリレイです。彼は、自作の望遠鏡を天の川に向け、天の川が無数の星の集まりであることを発見しました。天文学者は天の川の星を完璧に数えると、この宇宙の形や大きさがわかると考えました。ガリレオ以降の200年間、天の川の研究は当時の最先端のテーマだったのです。18世紀、イギリスの天文学者・ウィリアム・ハーシェルは、夜空の星の数をくまなく調べ上げて我々の太陽系は、凸レンズのような形をしている星の集団の中にあることを初めて示しました。現代に通じる天の川銀河の姿を明らかにした、最初の研究成果です。しかし、当時の観測技術では、確認できる星の明るさには限界があってハーシェルは天の川銀河という星の大集団の、ごく一部しか観測できていなかったことが後々、明らかになります。ハーシェルが見積もった天の川銀河の大きさは、6千光年。実際の天の川銀河の直径は、それより20倍も大きく10万光年を超えることがわかっています。18世紀、望遠鏡の性能が上がってくると、星雲と呼ばれる星々の間で見つかる淡い雲のような天体の中に、ガスの雲のような種類のものと、渦を巻いたような整った姿をしているものがあることが分かり始めました。のちに銀河と呼ばれる後者の種類の星雲が星の大集団であることがわかるとこの天体の正体がなにものであるかという議論が活発化していきます。おおむね200年以上前の天文学は、天の川銀河という星の集団全体が宇宙そのものであって、すべての天体は、この中に浮かんでいる存在であると考察されていました。星の大集団の中に、星の大集団が浮かんでいるという姿に違和感を感じる天文学者も少なくなかったと思われます。そして、20世紀に入り、写真によって天体の明るさを正確に計測したり分光と呼ばれる天体の光の特徴を詳しく調べる技術が確立されるとこうした天体のおおよその距離が測れるようになってきました。得られた銀河までの距離は、天の川銀河の直径よりはるかに大きいつまり、すべての銀河は天の川銀河の外に存在していることが明らかになりました。この宇宙には銀河と呼ばれる星の大集団が無数に浮かんでいて我々の太陽系を含む銀河も、そうした銀河のひとつに過ぎない。人類にとっての宇宙のサイズは、このとき、一気に広がったのです。今ではよく知られているこうした現代的な宇宙観つまり宇宙の本当の形を理解できるようになってから人類はわずか100年程度の歴史しか持っていないというわけです。天の川銀河に最も近いおとなりの銀河は、有名なアンドロメダ銀河。距離は230万光年。光の速さでも230万年かかる距離です。そして、果てしなく広い宇宙の広がりの中には数兆個の銀河が存在していると推定されています。銀河を詳しく知ると、壮大な宇宙のロマンを感じることができますね。解説は、ライフパーク倉敷科学センター 三島さんでした。...more6minPlay
August 18, 2023星が生まれる場所「暗黒星雲」とは何か?今回の解説は、日本スペースガード協会 奥村さんです。問題にあった「ガスやチリが集まって星が生まれる場所を何と呼ぶか?」正解は、「暗黒星雲」でした。では、「暗黒星雲」とはどういった状態なのでしょうか?星間物質中のチリ(ダスト)が天体からの光を吸収し遮ることにより空の上で周辺より暗く(黒く)見える部分のこと。大きさは、望遠鏡でないと見えない1分角以下のものから目で見てもわかる数度角にわたるものもあり、その形状も不規則で多様です。〇分角について※角度および経度・緯度の単位。1分は1度の60分の1。(Wikipediaより)特に天の川に沿って観測されます。暗黒星雲には、低温度の星間物質が濃く集まっています。その主成分は水素分子で、チリ(ダスト)は1%以下です。典型的な水素分子密度は、1㎤あたり、1000ないし1万個で、温度は絶対温度10K程度です。※温度の単位の1つで、単位は [K] です。 「熱力学温度」と呼ばれることもあります。10K= -263.1500℃質量は、太陽質量程度のものから、その1万倍以上のものまであります。電波観測から、暗黒星雲の中にさまざまな分子があることも知られています。このため、暗黒星雲は、「分子雲」とも呼ばれます。ただし、暗黒星雲は、可視光での見え方によって定義されるのに対して分子雲は、電波観測から定義されたものなので、その大きさや広がりは必ずしも一致するわけではありません。分子雲があってもそれを照らす星がなければ暗黒星雲としては見えません。暗黒星雲は、星形成領域にあり、しばしば、輝線星雲や反射星雲のような光って見える星雲と混在しています。星は、暗黒星雲の中で生まれますが、可視光では、強い吸収のためにその様子はほとんど見えません。吸収の少ない近赤外線で見ると、暗黒星雲の奥深くで誕生したばかりの星々の存在がわかります。また、さらに波長の長い中間赤外ないし遠赤外線でみると星間物質中のダストから発する熱放射によって暗黒星雲が「輝いて」みえる。ハッブル宇宙望遠鏡などで、紫外線、可視光、赤外線を総動員して高分解能の写真を撮ると、暗黒星雲の中で生まれた大質量星からの強力な紫外線によって星間物質の一部が昇華して、密度の高い部分だけが柱状に残る構造や生まれたばかりの星からジェットが噴き出している様子などが見られます。ちなみに選択肢にあった「アンドロメダ銀河」というと皆さん聞きなじみがあるかもしれませんが、アンドロメダ銀河は、地球から約250万光年離れている場所にあります。ということは私たちがみているアンドロメダ銀河はおよそ250万年前の姿だということになります。日本では、秋ごろに見ることができます。また、「天の川銀河」と「アンドロメダ銀河」の距離は縮まっていてアンドロメダ銀河は約40億年後に天の川銀河にぶつかると考えられています。しかし、お互いをすり抜け、一度は通り過ぎた2つの銀河はお互いが引っ張り合う重力に引き戻され最終的には、2つの銀河の銀河核は融合します。このように銀河というのは、衝突や合体を繰り返すことによって進化していくと考えられています。では、この時、我々人類はどうなっているか?この衝突が起きるころには、太陽は、「赤色巨星」という大きな星になって金星の軌道上に達するほど膨張し、地球の温度は、現在の「水星」並みの約430度となり灼熱の星となってしまい、人類はもはや、地球に住むことができなくなっているでしょう。解説は、日本スペースガード協会 奥村さんでした。...more5minPlay
August 14, 2023太陽の「黒い点」。「黒点」のお話今回の解説は、岡山天文博物館 増田さんです。問題:太陽の表面に見られる黒点の温度は、そのまわりの温度に比べてどうか。太陽の表面温度=約6000℃黒点の温度=約4000℃ と温度が低いために暗く(黒く)見えています。黒点の温度は低いですが、磁場がとても強いことが分かっています。私たちが住んでいる地球も磁場を持っていますが黒点の磁場は、地球の数千から1万倍の強さをもっています。この強い磁場で太陽の表面から出てくる熱や光が妨げられ温度が低くなっていると考えられています。黒点には、小さなものから地球の何倍にもなる大きなもの、たくさんの黒点が集まった「黒点群」と呼ばれるものがあります。その形や数は変化し、一日で消えるものもあれば、一カ月近く見えているものもあります。長い期間見えている黒点でも、いつも同じ位置で見えているわけではない。太陽も自転しているため、黒点は、東から西へ移動していきます。「太陽が自転している」とはじめて気づいたのは、天文学者「ガリレオ・ガリレイ」です。ガリレオは、毎日望遠鏡で太陽の観察を行い、黒点のスケッチを残しています。黒点の数は、太陽の活動と関連しています。太陽の活動は、約11年の周期で変動を繰り返していて、その周期によって黒点の数も増減しています。太陽の活動が活発で、黒点の数が多い時期を「極大期」太陽の活動が落ち着いて、黒点の数が少ない時期を「極小期」といいます。現在、太陽の活動は、活発で2025年頃に活動のピークを迎えるのではないか?と予想されています。岡山天文博物館では、太陽を観察することができる「太陽望遠鏡」があり晴れている日には、黒点や炎が噴き出しているようにみえる「プロミネンス」を見ることができます。「極小期」には、黒点が出ていない日も多かったのですが現在は、いくつもの黒点を観測できます。太陽の活動が活発になると、黒点の数も増えますが、「フレア」という爆発現象も起こりやすくなります。「フレア」が起きると地球にやってくる「紫外線」「X線」「太陽風」などの量が増加し通信障害や人工衛星の故障、停電などの様々なことが起きます。過去には、カナダ・スウェーデンで大規模な停電が起こり、多くの人の生活に影響がありました。今後、大規模なフレアが起こったとき、スマートフォンやインターネットが使えなくなり警察や消防署で使用する無線にも影響を及ぼす。と言われています。こうしたトラブルが起きないように、24時間太陽の観測が行われ「宇宙天気予報」といって太陽の活動レベルを発表しています。それによりフレアの発生が予測でき、事前の準備が出来るようになりました。岡山天文博物館の隣にある国内一大きな望遠鏡の京都大学岡山天文台「せいめい望遠鏡」では太陽と同じような「恒星」の観測も行っています。それにより若い頃の太陽がどのようにして地球などの惑星の大気に影響を与え生命環境がどのようにつくられたのか今後、太陽が地球に与える影響を知る手がかりとなります。黒点のことを含め、太陽についてまだわかっていないことがたくさんあります。多くの観測を行い、恒星や惑星科学の大きな手がかりを得ることを期待されています。以上解説は、岡山天文博物館 増田さんでした。...more6minPlay
August 04, 20238月のお盆頃に見られる流星群は?今回の解説は、日本スペースガード協会 浦川さんです。問題:8月のお盆頃に見られる流星群は、次のうちどれか。そもそも「流星・流れ星」の正体を知っていますか?流星の正体は、宇宙を漂っているとても小さな塵(ちり)が地球の大気圏に突入し、大気と反応して光っている現象です。どんな反応?塵(ちり)すごい速さで大気とぶつかりぶつかった所の大気に逃げ場がなくなり、圧縮されて高温高圧になります。これを断熱圧縮といいます。高温高圧となった大気の熱の影響で、塵(ちり)が溶けて蒸発します。このとき、大気中の原子や分子と反応して、光を放っているのです。※大気との摩擦で光っているという説明がありますが、これはよくある間違いなので、天文宇宙検定で回答するときは注意してくださいね。塵(ちり)の大きさは、0.1mm(ミリメートル)から数mm程度のものが多く砂粒ぐらいの大きさです。流星群とはどういった現象なのでしょうか?流星群は「彗星(ほうきぼし)」と密接な関係があります。彗星が流星群のもとになっているからです。彗星はそれぞれ固有の軌道を描きながら太陽を公転しています。彗星の本体は、水や二酸化炭素などの氷に塵(ちり)が混ざったもので太陽に近づくと彗星本体の氷が溶けてガスと塵(ちり)が放出されます。彗星の活動によって放出された一群の塵(ちり)は彗星の軌道に沿って帯状に分布しています。この塵(ちり)の帯は「ダストトレイル(Dust trail)」と呼ばれています。彗星が太陽に近づくたびに塵(ちり)を放出し、その軌道付近にダストトレイルを形成してきました。このダストトレイルと地球の軌道が交差していると地球がこの交差点に差し掛かったときに大量の塵(ちり)が大気に突入して、流星群が発生します。流星群が毎年同じ時期に現れるのはこのためです。ダストトレイルの塵(ちり)は交差する地球の大気に同じ方向から突入してきます。それぞれの塵(ちり)の粒はほぼ平行に突入してきますが、その様子を地上から観測すると、空のある一点、すなわち放射点から放射状に流れているようにみえるのです。この一点の場所が、ペルセウス座にあればペルセウス座流星群、ふたご座にあればふたご座流星群といったうように名前がついていくのです。ちなみに、現在日本で、「Destniy+(デスティニープラス)」という探査機が計画中です。流星群の現象が起こるということは、流星群の塵(ちり)の元となった母天体の彗星が存在することになります。「Destniy+(デスティニープラス)」では、ふたご座流星群の母天体である「ファエトン」という小惑星を訪れます。通常、流星群の母天体は彗星なのですが、「ファエトン」は小惑星です。なぜ小惑星なのに塵(ちり)を出しているのでしょうか?それを解明するのが「Destniy+(デスティニープラス)」の目的の一つ。これまでの観測である程度原因が分かってきていて、昔弱い彗星活動があったのではないか?普通の彗星とちょっと違った塵(ちり)の放出の仕方で例えばファエトンがとても太陽に近づく軌道をしているため熱の影響で表面がヒビ割れて塵(ちり)を放出しているのではないかなどと考えられています。いずれにしろ、これらの謎は、「Destniy+(デスティニープラス)」によって解明されるでしょう。日本スペースガード協会の浦川さんは「Destniy+(デスティニープラス)」の理学チームとして参加されるそうです。探査が今から楽しみです。とのことでした。...more5minPlay
July 28, 20232020年12月に小惑星リュウグウのサンプルを持って地球に帰ってきた探査機は?今回の解説は、日本スペースガード協会 浦川さんです。問題:2020年12月に小惑星リュウグウのサンプルを持って地球に帰ってきた探査機の名前は何か。正解は、「はやぶさ2」です。他問題で出てきた探査機の説明です。「はやぶさ」は、小惑星イトカワを探索しました。小惑星イトカワは小惑星リュウグウ同様に「地球接近天体」。NEO=Near-Earth object 地球近傍天体または、地球接近天体。地球接近天体は、地球に近づく天体であって、時には地球に衝突する脅威となるような天体の仲間ですが、一方で、地球の近くまでやってくるので探査機を送りやすい軌道をしている。「はやぶさ」は世界で初めて小惑星から表面の物質(サンプル)を地球に持ち帰る技術「サンプルリターン」実証しました。2010年6月に地球に帰還し、搭載カプセルをオーストラリアのウーメラ砂漠へ落下させ、運用を終えました。地球に持ち帰ったサンプルは、分析が行われ、小惑星の形成過程を考える上での新しい知見をもたらしました。「イトカワ」は、S型小惑星と呼ばれる岩石物質普通コンドライト隕石と同様の物質でできていると考えられていたが証拠はありませんでした。サンプルを解析した結果、確かに、普通コンドライト隕石と同様のものであり、イトカワが岩石物質でできた小惑星であることを確認できました。「はやぶさ2」では、イトカワと違ったタイプの小惑星を訪れようとしました。選ばれたのは、C型小惑星リュウグウでした。C型小惑星も岩石物質ではありますが、成分として炭素を多く含んだような物質炭素質コンドライトという隕石と同様の物質でできている小惑星ではないかと考えられていました。ちなみに、地球接近天体の中で、C型小惑星は非常に少ない。今回解説を行っている 浦川さんは、「はやぶさ2 地上観測サブチーム」に参加されていたそうです。望遠鏡を使って、はやぶさ2が探査できるような軌道をもつ小惑星の中からC型小惑星はあるのかどうかをチームで探し、小惑星リュウグウを見つけることができたそうです。「はやぶさ2」は、2018年6月に小惑星リュウグウへ到着2019年に2回のタッチダウンによってサンプルを回収し2020年12月に無事地球にサンプルが入ったカプセルを届けました。「はやぶさ2」はカプセルを届けた後も、燃料が残っているため次の小惑星探査に向かうことになりました。この計画を「はやぶさ2拡張ミッション」あるいは、「はやぶさ2#(シャープ)」2026年に「小惑星2001 CC21」をフライバイして観測したあと、2031年に「小惑星1998 KY26」に接近して観測を行うことが計画されています。「ガリレオ」探査機は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の木星探査機です。1989年10月に打ち上げられ、木星に到着するまでの道中に小惑星ガスプラやイダを観測しながら、1995年に木星に到着しました。1995年から2003年の間、木星とその衛星などの観測を行いました。1994年7月には、シューメーカー・レビィ第9彗星の木星衝突を観測しました。シューメーカー・レビィ第9彗星とは、1993年に発見された彗星で軌道を分析した結果、この彗星が1994年7月に木星に衝突することがわかったのです。彗星や小惑星が、惑星に衝突することはあるだろうとは考えられていたが本当に衝突することが現実になったのです。衝突の後には、地球の大きさ程度の大きな衝突跡が現れました。この出来事をきっかけに「小惑星の地球衝突問題」=スペースガード もしくは、プラネタリーディフェンスとも呼ばれる活動の重要性が認知されるようになりました。「カッシーニ」探査機は、NASA(アメリカ航空宇宙局)とESA(欧州宇宙機関)が共同で開発。1997年に打ち上げた土星探査機です。金星や木星によるスイングバイを行って2004年6月に土星周回軌道に投入されました。ちなみに「スイングバイ」とは、惑星などの重力の力を利用した探査機の航法です。2004年12月には、搭載していた小型探査機「ホイヘンス」を切り離し土星の衛星タイタンの探査を行いました。この「タイタン」という衛星は、1.5気圧程度の大気を持っています。さらに地表には、湖のようなものがあり、地球以外で唯一、安定した液体が確認されています。ただし、ここでいう液体は、地球のような水ではなく、メタンと考えられています。つまり、地球の大気では、水が雲となり雨となって地表に降り注いでいます。タイタンでは、メタンがその役割を担っているのではないかと考えられています。2030年代は、太陽系大航海時代になるかもしれません。...more7minPlay
July 21, 2023太陽が光り輝くエネルギーの元は何か。今回の解説は、倉敷科学センター 三島さん問題:太陽が光り輝くエネルギーの元は何か。太陽を作っているのは、ガスです。その中でもほとんどが水素です。水素 73% ヘリウム 25% 酸素 0.8% 炭素 0.3%他、鉄 ネオン 窒素 ケイ素 マグネシウム 硫黄については、0.1%以下です。「なぜ酸素が無いのに燃えているのか?」石炭が燃えるような燃焼、化学反応ではなく、核融合反応です。なので、今回の答えは、核融合反応となります。太陽の中心部は、1000万度を超える、高温、高圧の状態になっていて水素4つが1つのヘリウムに変化する原子核の反応では、化学反応の100万倍という膨大なエネルギーが生み出されます。太陽の莫大な光と熱は、この核融合反応によって支えれているのです。太陽の年齢は、現在およそ46億年だと考えられています。太陽はこのあと50億年輝き続けることができますが、水素ガスが少なくなると温度が低い巨大な星、赤色巨星に変化して、最後は大部分のガスを失って燃えかすの星、白色矮星になって死を迎えると考えられています。太陽は、宇宙の中で最も大きい星とイメージする方も多いと思いますが銀河系の星を調べるとそうでもないことはすぐにわかります。太陽の表面温度は、6000度、銀河の星の中では「平々凡々」でごくありふれた星のひとつでしかありません。では、われわれが観測できる星の中で、最も大きい星は「はくちょう座のV1489星」があげられます。はくちょう座のV1489星は、直径23億キロ。太陽の1650倍もあり年をとった赤く膨れた巨大な星です。また、もっとも過激な星といったら何でしょう?「りゅうこつ座η(イータ)星」りゅうこつ座η(イータ)星は、太陽の重さの120倍という超重量級の星で理論的に星が形を保っていられる限界に近い大きさだと考えられています。燃え方も尋常ではなく、太陽の10万倍にも及んでいて周囲に破壊的な影響を与えていることがわかっています。こうした星の振る舞いは、天文学上、非常に重要な観測テーマとなっています。りゅうこつ座η(イータ)星は、あと数百万年で「超新星爆発」を起こすと考えられています。超新星爆発は、太陽より8倍以上重い星が輝けなくなった瞬間に大爆発を起こす現象です。超新星爆発の後には、空間の落とし穴、ブラックホールが残されていると考えられています。...more6minPlay
July 14, 2023日本でいう「春分・夏至・秋分・冬至」って?今回の解説は、京都大学岡山天文台 戸田さん問題:北半球の日本で、1年のうち一番夜が長い日は、次のうちどれか。春分・夏至・秋分・冬至日本の「春・夏・秋・冬」四季の文字が入っています。春分の日・夏至の日・秋分の日・冬至の日は、毎年同じ日ではありません。ずれることがあります。2023年春分の日 3月21日 夏至の日 6月21日 秋分の日 9月23日 冬至の日 12月22日2024年の春分の日 3月20日春分の日は、春の季節に「昼と夜の長さがちょうど半分に分かれる日」実際には、昼の方が少し長い。夏至の日は、夏の季節に「太陽が最も北に至る日」秋分の日は、秋の季節に「昼と夜の長さがちょうど半分に分かれる日」実際には、昼の方が少し長い。冬至の日は、冬の季節に「昼が最も短いときに至った日」「太陽が最も南に至る日」問題では、日本で、1年のうち一番夜が長い日なので、答えは、冬至の日。冬至の日…一年で正午の太陽の位置が一番低くなる日夏至の日…一年で正午の太陽の位置が一番高くなる日日の出の方向と日の入りの方向でも説明します。春分「太陽が真東からのぼり、真西にしずむ」昼と夜の長さがほぼ同じになる。夏至「太陽が真東の北よりからのぼり、真西の北よりにしずむ」昼の時間が最も長くなる。秋分「太陽が真東からのぼり、真西にしずむ」昼と夜の長さがほぼ同じになる。冬至「太陽が真東の南よりからのぼり、真西の南よりにしずむ」昼の時間が最も短くなる。それぞれ「太陽の位置」が変化するため、「昼と夜」の長さに変化がでてくる。そして、地球は、一年で太陽の周りを一周しているが、ぴったり一年で一周しているわけではありません。「一年と約6時間かけて太陽の周りを一周しています。」約6時間というズレが、それぞれの日付が変わる理由です。★豆知識★冬至の日は、昼の時間が最も短くなるという説明でしたが、日の出が一年で一番遅く、日の入りが一年で一番早い日ではありません。○日の出が一番遅いのは「冬至の日」より一週間くらい前○日の入りが一年で一番早いのは「冬至の日」から一週間くらい後...more5minPlay
FAQs about 天文宇宙検定受験講座「目指せ!星博士ジュニア!!」:How many episodes does 天文宇宙検定受験講座「目指せ!星博士ジュニア!!」 have?The podcast currently has 21 episodes available.