聴く文学ゼミ

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  • 【朗読】カズイスチカ|森鴎外が描く「父と息子」と三つの奇妙な診察の記録
    森鴎外の短篇『カズイスチカ』は、医学士・花房が父の診療所で代診をした頃の、三つの不思議な診察エピソードを軽妙に綴った異色作です。
    「落架風」「一枚板」「生理的腫瘍」——どれも教科書的な名前とは裏腹に、人間の体と生活が滲み出す場面ばかり。

    軍医・小説家として知られる鴎外が、医師としての経験と観察眼をそっと忍ばせた、小粋で読みやすい一篇です。
    父の「全幅の精神」と息子の「どこかにあるはずの何か」という対比には、鴎外自身の葛藤が透けて見えます。

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    ※まれに、作品によっては配信が無い場合があります。
    12 min
  • 【朗読】牛をつないだ椿の木|菓子を断ち続けた男が戦場へ散った理由
    新美南吉の短編『牛をつないだ椿の木』は、山道のかたわらに立つ一本の椿と、そこに井戸を掘ろうとした人力車引き・海蔵さんの物語です。
    お金持ちに頼んで断られ、通行人の寄付も集まらず、それでも諦めない海蔵さんがとった行動とは——毎日の菓子代を一銭ずつ貯めること。

    そして頑固な地主との対話の末に生まれた、思いがけない結末。
    「ごんぎつね」で知られる南吉が、利他と自己犠牲のテーマをユーモアと温かみで包んだ傑作です。

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    この番組ではあらすじから結末まで、背景知識をたっぷり交えて解説します。

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  • 【朗読】硝子戸の中|漱石が最後に書いた「日常」——そこに滲む死と生の問い
    夏目漱石の随筆集『硝子戸の中』は、大正4年(1915年)に朝日新聞に連載された、漱石晩年の作品。
    書斎の硝子戸越しに外を眺めながら、風邪で引きこもる漱石が、訪ねてくる人々・亡くなった犬・幼少期の記憶・死への考察をゆったりと綴る。

    笑えるエピソードあり、胸を締めつける告白あり——派手な事件は何も起きないのに、読み終えると「生きるとはなにか」を深く問われた気分になる。
    漱石の死の翌年に書籍化されたこの作品を、二人の対談で読み解きます。

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  • 【朗読】鹿踊りのはじまり|鹿が方言で会話する!?幻想と笑いの奇跡の短編
    宮沢賢治の短編『鹿踊りのはじまり』は、山へ湯治に向かう農夫・嘉十が、すすきの野原でこっそり目撃した「鹿たちの不思議な踊り」を描いた幻想的な物語です。
    手拭いひとつを前に、おっかなびっくり近づいては逃げ帰る鹿たち——その会話がなんと東北の方言でユーモラスに描かれ、読む者の顔に自然と笑みが浮かびます。

    やがて鹿たちは太陽に向かって一列に並び、詩のような歌を詠みはじめる。
    その静謐で美しい場面との落差こそが、この作品の核心です。

    童話でも詩でも民話でもない、宮沢賢治だけが書けた「何か」がここにあります。
    教科書ではほとんど紹介されない隠れた名短編を、今回はじっくり読み解きます。

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  • 【朗読】燈籠|万引きした女の子の告白——悪人なのに、なぜこんなに美しい?
    太宰治の短編『燈籠(とうろう)』は、万引きで捕まった24歳の女性・さき子が、神様に語りかけるように自分の身の上を告白する物語です。
    貧しい下駄屋の一人娘、出自の複雑な家庭、年下の孤独な青年への恋心——そして衝動的な盗み。

    彼女は悪人なのか、それとも?
    交番での狂ったような独白、冷たい青年からの手紙、そして電球ひとつで輝く親子三人の夜。

    読み終えたとき、タイトル「燈籠」の意味がじんわりと光を放ちます。
    太宰が描いた「弱くて美しい人間」の真髄が、わずか数ページに凝縮された傑作。

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  • 【朗読】お富の貞操|猫一匹のために体を差し出した女の、驚くべき20年後
    芥川龍之介の短編小説『お富の貞操』は、明治元年・上野戦争前夜という極限状況を舞台に、一人の若い女中が「たった一匹の猫」をめぐって下す、驚くべき決断を描いた作品です。
    乞食姿の謎めいた男・新公と、肝の据わった女中・お富。

    短銃が突きつけられ、剃刀が抜かれ、二人の奇妙な攻防が暗い台所で繰り広げられます。
    お富はなぜあの行動をとったのか。

    新公はなぜ最後に引いたのか。
    そして22年後、華やかな博覧会の人ごみで二人が再び目を合わせたとき、物語は静かに、しかし鮮やかな余韻を残して閉じます。

    芥川が「貞操」という言葉に込めた、常識を揺さぶる問いを、対談形式で読み解きます。

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  • 【朗読】うたかたの記|王が溺死した夜、もう一人が消えた理由を知っていますか
    森鴎外の初期短編『うたかたの記』は、1886年のミュンヘンを舞台に、日本人画家・巨勢とバイエルン王国の国王ルートヴィヒ2世の実際の溺死事件を絡めた、幻のように美しく悲しい恋愛悲劇です。
    謎めいた少女マリイは何者なのか。

    彼女の壮絶な過去と、画家との束の間の邦愛が交錯するなか、歴史的事件の夜、二つの命が湖に消えていきます。
    鴎外がドイツ留学中に実際に体験した空気を纏った、文明開化期の日本人が書いた異国情緒あふれる傑作。

    読めば、泡のように儚い命と美の意味を問いたくなるはずです。

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  • 【朗読】花のき村と盗人たち|盗人が泣いた理由——新美南吉が描く「信じられること」の奇跡
    新美南吉の童話『花のき村と盗人たち』は、「ごんぎつね」の作者が遺した、あたたかくて少し不思議な物語です。
    五人組の盗人が平和な花のき村に忍び込むのですが、弟子たちはそれぞれの昔の仕事の癖が抜けず、なかなか盗人らしく動けない。

    そしてかしらは、たった一人の無邪気な子供に仔牛を預けられただけで、ぼろぼろと涙を流してしまいます。
    「人に信じてもらう」ということが、これほどまでに人の心を変えてしまうのか——読み終えたあとに、じんわりとした余韻が残る一作。

    知名度は高くないけれど、南吉ファンが口をそろえて「これが好き」と言う隠れた名作です。
    青空文庫で無料公開中。

    今日の対談で、物語の全体像から南吉が込めた問いまで、たっぷり語り合います。

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    15 min
  • 【朗読】思い出す事など|30分間「死んでいた」作家が綴る、生還の記録
    夏目漱石の随筆『思い出す事など』は、1910年(明治43年)に修善寺での大吐血という「臨死体験」から生還した漱石が、病床での思索・人との別れ・自然への眼差しを綴った全33章の記録です。
    医師が「もう駄目だろう」とドイツ語で囁く傍らで、漱石は眼を開けて「子供に会いたくはありません」と言い放つ。

    死の淵をくぐり抜けた男が、ドストエフスキー・ジェームズ教授・長与院長の死と自らの「生き残り」を重ね合わせながら、生とはいったい何かを静かに問い続けます。
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    13 min
  • 【朗読】ひかりの素足|宮沢賢治が描いた「死と愛」の彼岸——弟を抱いて雪に倒れた兄の話
    宮沢賢治の童話『ひかりの素足』は、雪山で遭難した兄弟が「うすあかりの国」へ迷い込む物語です。
    兄・一郎が傷だらけの足で弟・楢夫をかばい続ける姿、鬼に追われながらも「私を代わりに打って下さい」と叫ぶ場面、そして光り輝く足の人物との邂逅——法華経の世界観を下敷きに、愛と罪と救済を描いた賢治ならではの作品です。

    結末は静かで、しかし忘れがたい余韻を残します。
    ほとんど語られることのないこの隠れ名作を、今回は作品の始まりから終わりまで丁寧に読み解きます。

    青空文庫で無料で読めますので、ぜひ番組と合わせてお楽しみください。

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“名前は知ってるけど読んでない”文豪の名作を、ミナ&文哉の2人がやさしく解説する対談番組。あらすじ・時代背景・読みどころをネタバレ控えめで。原作は青空文庫を使用しています。