→チャンネルのメンバー(有料会員)になって、Arc Timesの運営を応援し、特典動画にアクセスしてください: https://www.youtube.com/channel/UCJpCI6Q0mcy6D_FMqenM94g/join
👉 名古屋出入国在留管理庁に収容中に死亡したスリランカ人、ウィシュマ・サンダマリさん=当時33=が死亡した事件をめぐり、遺族の弁護団が先週、5分間の映像を公開しました。7日の会見で「原告側が勝手に編集し公開した」と批判していた齋藤健法相は11日、「原告が公開したことへの事実関係を述べただけで、何のコメントもしておらず、意図はない」と釈明しました。発言の撤回しないのかどうかを記者から問われたのに対し、齋藤法務相は、撤回する考えはない旨を回答しました。
齋藤氏は7日の会見で、ウィシュマさんの5分間の映像について、原告側が「勝手に」編集して、公開した、と強調していました。11日の会見では、「勝手に」などと自らの評価も加えていた大臣発言の問題点を問われましたが、齋藤氏は「事実関係を述べただけだ」と繰り返すにとどまりました。一方で、齋藤氏は11日、「亡くなった方とはいえ、本人の了解なく食事や着替えの介助を受ける様子ほか、生活状況がつまびらかになる。ウィシュマさんの名誉や尊厳の観点から慎重であるべきで、自分がそういうことになれば、公開してほしくない。慎重に対応すべきだ」と、遺族や弁護団をさらに批判しました。
また、斎藤法相は「(動画は)情報公開法上も不開示情報。映像を出すと、監視カメラの撮影範囲や解像度、職員の巡回体制や頻度が公になる。逃走防止や施設内の秩序の維持上も問題だ」と指摘しました。
カメルーン出身の男性=当時43=は東日本入国管理センター(茨城県牛久市)で2014年3月に死亡。死の前日の29日から胸の痛みなど訴え、同午後六時すぎにも、職員に苦痛を訴えていました。同七時過ぎから「アイム ダイイング(死にそうだ)、アイム ダイイング(死にそうだ)」と繰り返し助けを求めるも放置され続け、翌朝午前七時過ぎに心肺停止で発見する様子が、訴訟で公開された監視カメラの映像で明らかになっています。
また、トルコ出身のクルド人デニズさん(44)が、2019年1月、同センターで、職員に取り押さえられた際に暴行を受けたとして、国に損害賠償を求めた訴訟でも、映像が公開されています。国側は同12月、デニズさんを取り押さえる様子を録画した映像を証拠として東京地裁に提出。デニズさん側は、同日の口頭弁論終了後、映像を公開しました。
これらの監視カメラの映像は、TVなどの各メディアが繰り返し報じており、カメラの撮影範囲や解像度などはすでに何度も明らかになっています。弁護団によると、これまで国側がそうした映像について弁護団に抗議してきたことはこれまで一度もなかったといいます。監視カメラの映像から読み取れる情報はすでに何度も明らかになっており、国はこれまでそうした点について指摘したことはなかったのに、今回、セキュリティー上の理由を新たに持ち出してきた形で、国の抗議の異例さが浮き彫りになっています。