残間光太郎の"闘うものの歌が聞こえるか"

無知は力なりノベーション(1496回)


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ユヴァル・ノア・ハラリさんからのお話に、衝撃をとともに、深く考えさせられました


曰く

"だが、人間社会はなぜ、よりによって最悪の者たちに権力を託したりするのか? たとえば、一九三三年のドイツ人のほとんどは、精神病質者ではなかった。それなのに、なぜ彼らはヒトラーに票を投じたのか? 


自分の手に余る力を呼び出す傾向は、個人の心理ではなく、私たちの種に特有の、大勢で協力する方法に由来する。


人類は大規模な協力のネットワークを構築することで途方もない力を獲得するものの、そうしたネットワークは、その構築の仕方のせいで力を無分別に使いやすくなってしまっているというのが、本書の核心を成す主張だ。


というわけで、私たちの問題はネットワークの問題なのだ。"


"ジョージ・オーウェルの有名な言葉にあるとおり、無知は力なり、なのだ(『一九八四年』)。''


1、群集心理

2、権力による行動様式の生産

3、倫理資本主義


大ベストセラーの書籍だけに、学ぶ点が多すぎて、テーマに困ったのですが、今回は、第一弾かもしれませんが、本書全体を通しての課題感についての部分について、めちゃくちゃ衝撃を頂きました。


人間最大の発明と言われる、分業、ですが、その分業をするネットワーク構築が、善の方向へ向かえばいいのですが、まさに利用され、最悪の人たちに権力を渡してしまう、そんなことがあると、めちゃくちゃ勉強させて頂きました


1、群集心理

まず思ったのが、ギュスターヴ・ル・ボンさんの『群集心理』です。私の理解ですが、群集心理を活用するためには、まずは、断言、反復、感染、という3段階を経ることで、ある意味操作することができると言われています


とにかく根拠がなくても断言する、そしてそれを何回も話す、これによって感染が感染を呼び、熱狂へと変わっていく、まさにこれまでの独裁者と言われる人たちがやってきたことなので、この感じが出てきたら、なんかヤバい、と感じることが必要だと思います


これによって、ハラリさんの言われる、ネットワークによる無分別に使われる、そんなことにとても親和性があるなと思いました


2、権力による行動様式の生産

また、権力の構造として、さまざまなことが抑圧されていく、という印象がありますが、実はもっと怖いのは、これまでと全く違う行動様式が、たくさん生産されていく、ということだなあと思いました


ミシェル・フーコーさんの『監獄の誕生』によると、


「権力は抑圧するものではなく、生産的なものである。つまり、権力は人間の行動様式を形づくる装置そのものだ。」


会社で例えば、役員が変わった途端に、手のひらを返したように、これまで言ってたこととやってたことが、ガラッと変わった指示が飛んでくる、みたいな、どの口がそんなことをいうんですか?と言いたくなるような、そんなことを私も何度も経験してきた気がします


ある意味、コモンセンスが一気に変わる、戦時中の日本から戦後に変わってガラッと変わったように。今でも、小さなそんなことは、いろんなところで目にすることがあるので、これは自分も含めて本当に恐ろしいことだなあと思います。


3、倫理資本主義

そういう世界があると知った上で、何をすることができるのか?全く答えはないのですが、一つは、マルクスガブリエルさんの、倫理真本主義を思い出しました


私の解釈として、経済的価値と道徳的価値、人間と自然、個人と社会の意識、自由と社会、市場と国家などをリカップリングしていくことが必要だと、いうことに深く共感してます


そしてそのためにとても面白いアイディアとして、企業が倫理的な判断を組織的に行うために、倫理部門の設置と最高哲学責任者(Chief Philosophy Officer, CPO)の導入を提案されています。


ある意味、三権分立のように、倫理部門の独立した、監視体制ということが必要ということに、深く共感します。


それでも、歴史的に、三権分立を、例えば、緊急事態宣言の元に、全てを政治に集約してしまったなどのことが、どうしても起こることを考えると


究極は、DAOのような、アルゴリズムでプログラマブルな形での牽制体制というのが、必要となってくるのかも、などと思う反面。それはディストピアにならないようにしないと怖いなあと、答えのない妄想をしてしまいました


ハラリさんが最後位言われたように、

無知の力、ということが、利用されないように、先人の知恵を、忘れないように、我々なりにアップデートしていく、そんな活動が一人一人に求められるのかもしれない、そんなことを思いました


一言で言えば、逆説的ですが

無知は力なりノベーション


そんなことを感じました^ ^


参考:本:NEXUS 情報の人類史 上 ─人間のネットワーク  発行日 2025年3月30日  著者 ユヴァル・ノア・ハラリ  訳者 柴田裕之  発行所 株式会社河出書房新社


動画で観たい方はこちら

https://youtu.be/gbWDd-hCqAs

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