今回ゲスト、株式会社CaTラボ 代表取締役の逸見氏は、 小売・メーカー・銀行・飲食・広告代理店・SIer等の支援を行いながら、 日本オムニチャネル協会理事や事業会社の役員を兼務し、現場を重視した 改善活動を行っていらっしゃいます。 逸見氏に『オムニチャネル』についてお聞きしてみました!
▽『オムニチャネルの定義について教えていただけますか?』
入り口は2011年、全米小売業協会NRFの冬にやっている大会で、モバイル コマースの中で店舗でもネットでもシームレスに継ぎ目なく、消費者が 使えるような環境を提供しようというところから始まっている話なんで す。
古くはクリック&モルタルなんです。99年にセブンネットショッピ ングを立ち上げた時も、当時から店の商品を通販が出荷しては売上の取り 合いになっていたというところからあまり変わっていなくて、店舗と ネットの対立概念がなんとなくずっとその間に出てきています。
オムニチャネルってお客さんから見たら継ぎ目なく使えて便利なんですが、 社内から見た時に販売部門の中にもいくつも部署があってとか、商品部が そこに関わってとか、販売促進部が関わるとこっちはデジタルでこっちは 店舗でみたいな、そういう組織論はよく聞きますよね。だから結局、 どうやるんですかという話になっちゃいます。
▽『なぜ日本にこれだけインバウンドの方が来るかというと、サービスもモノも良いのに安いからですよね?』
日本側が間違っちゃってるのは、インバウンドという塊で外国人を見ている からです。通常はちゃんとセグメンテーションするじゃないですか。
インバウンドも一緒で、お上りさん的に1回だけ来たのか、完全にリピーター になっていて、必要なものだけ買っているのか。
また、こういう人たちに越境でまた買ってもらえるような仕組みを提供しない のか、とか。アプリをインストールしてもらったら当然、外国語の案内が できて便利ですよね。それを入れてもらって、中国に戻ったら地場の プラットフォーマーや、東南アジアならグラブみたいなプラットフォーマー に繋いでおいてもらえば、楽天で売るのと同様に手数料がかかっても、違う 市場で物が売れますよね。
▽『今のモール中心のECでも、売れれば良いとするようなインバウンド消費に近い状況な気がしますがどうですか?』
最近改めてライフタイムバリューと言っていますが、当たり前の話ですよね。 だって買い続けてくれている方は、わざわざクーポンを渡さなくても来て くれたり、他のお客さん連れてきてくれて、このお店面白いんだよとかこの店員 さんに聞くと色々わかるんだよ、と勝手に宣伝してくれます。
もう一つ、オムニチャネルの思い込みは、仕組みを入れなきゃできないという 話です。
古巣に悪者になってもらいますが、セブンイレブンが1000億円の投資 をしてオムニチャネルをと言っていましたが、それは結果論の話ですよね。 これは2万軒店舗があったらそうなるわって話なんですが、普通の会社のサイズ で考えたら1000億とかまずいらないし、多分割り返していったら1店舗1店舗の 話はもっと小さい額なんです。それがECであろうと店舗も小売であろうと、 ソーシャルを発信してお客さんと繋がっていく、もしくは1回買ってくれた人と やりとりを深めていくことは、至極当たり前の話なはずなのに、何か改めて ライフタイムバリューみたいに言わないとわからないという。 今度はリピート率を上げようと言ってクーポンやポイントを乱発しだしたり しますが、それをやればやるほど会社は苦しくなるし、常連のお客さんはがっ かりしていくのになと思います。自分が好きなブランドや店舗が苦しくなる ことを喜ぶ人は、お客さんじゃないんです。ショップ側がこういう考え方を 持ったら、結果的に色んなチャネルを使うとか、OMOで店舗とネットの融合でも 何でも、顧客接点として使えるものは何でも使いますよね。
▽『お客様の方が遥かに賢いですよね。』
そうですね、お客さんとやりとりしたことがある人はみんなわかってると思い ます。私も三省堂の神田本店に配属になった時、特に専門書フロアにいたので わかります。結論、そのテーマに関してその本を読むお客さんの方が詳しいん ですよね。こちらが詳しいのは流通経路や、いつどう用意できるのかできない のかなどです。最悪、本の場合は、売り上げには繋がらないけどお客さんが どうしても見たかったら、図書館調べてあげたらいいんです。 「お客さんどこに住んでらっしゃいます?」と言って、神奈川と言われたら 神奈川のこの辺の図書館だったら、この本何か所か蔵書してるので読むだけ だったらいけますよ、と。こういうことをやっていると、それ何の売り上げに 繋がるんですかと聞かれるんですが、結果的にそのお客さんはずーっと来て くれるんです。
この他にももりだくさん、オムニチャネルについて公開しています。 ご検討中の企業様のご参考になるかと思います。 それでは、逸見氏流「オムニチャネルの本質」ぜひお楽しみください!
#ECの未来一覧はこちら #ネットショップ #越境EC #アメリカ #ヨーロッパ
00:00 ダイジェスト
01:23 オムニチャネルの定義
04:28 インバウンド消費について
05:48 LTVとオムニチャネル
08:50 縦割りと横のつながり
10:28 売上につながる専門性
11:46 モノ消費・コト消費とお客様への向き合い方
13:12 まとめ
~第105回 ゲスト~
逸見 光次郎(ヘンミ コウジロウ)氏
株式会社CaTラボ 代表取締役 1970年東京生まれ。
学習院大学文学部史学科卒。1994年 三省堂書店 入社後、ソフトバンクでeS!Books(現セブンネットショッピング) 立ち上げ、AmazonジャパンBooksMD、イオンでネットスーパー立ち上げ とデジタルビジネス戦略担当、カメラのキタムラで執行役員EC事業部長 をつとめ、各社で店舗とネットの融合を推進し、独立して現職。
小売・メーカー・銀行・飲食・広告代理店・SIer等の支援を行いながら、 日本オムニチャネル協会理事や事業会社の役員を兼務し、現場を重視した 改善活動を行う。
~ECの未来 チャンネルMC~ 柳田 敏正(ヤナギダ トシマサ)氏
株式会社柳田織物& 代表取締役 1971年4月生まれ。1994年法政大学卒業後、(株)バーニーズジャパン入社、横浜店にてメンズ全般の接客に従事。
1999年退社し(株)柳田織物に入社。2002年オリジナルのシャツを販売する自社ECサイト「ozie」を開設し、BtoCへ進出。
2011年にOSMC(オンラインショップマスターズクラブ)最優秀実践者賞受賞。
2012年第4回エビス大賞 大賞受賞。
2013年4月代表取締役に就任。 2014年、六本木一丁目にショールームをオープン。 EC4店舗を運営。
https://savari.jp/columns/ecidentify/category/episode104/
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