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我らの文学126 中勘助『銀の匙』53(前編44③)>
ラジオ収録20220816
「レオンラジオ日の出」テーマ曲 作詞作曲 楠元純一郎 OP「水魚の交わり」、INTER1「日の出の唄」、INTER2「大医精誠」、ED 「遺伝子の舟」
司会 楠元純一郎
中国語翻訳・朗読 レオー(中国語講師・中国大慶の小学校教諭)
中国語翻訳 張暁良
読解者・朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)
読解者 福留邦浩(国際関係学者)
中国語朗読 刘耀鸿
聴講 张晓良 張智航 劉凱戈
「手まり」 中勘助
君は小さな手鞠 わたしの歌は色糸
まきしめて まきしめて 八重ここのへに君をかざる
十文字 菱がさね 七宝つなぎ 麻の葉
緑 くれなゐ 紫 思ひの色のとりどり
君は小さな手鞠 恋の神のもてあそび
著物の裾のひきずるのもしらずに夢中になつてつく。
<裾(すそ)→衣服の下の縁(ふち)。ひきずる→地面に接触させるようにして引く、鹿児島弁→ぞろびく。夢中(むちゅう)→それに心を奪われて、他のことを考えない状態。>
� � � � � � 阿蕙的和服下摆都拖了地。却全然不在意,一心拍着球。
兎の戯れるやうに左右の手が鞠のうへにぴよんぴよんと躍つて円くあいた唇のおくからぴやぴやした声がまろびでる。
<戯(たわむ)れる→面白がって遊ぶ。鞠(まり)。躍(おど)って→飛び跳ねて。円(まる)く。ぴやぴや→愛嬌のある可愛い声。まろびでる→転がるようにして出てくる>
两只手像贪玩的小兔子,在球的上方轻快地跳跃。圆张着的嘴里跟着发出开心的声音。
その美しい声にうたはれた無邪気な謡は今もなほこの耳になつかしい余韻をのこしてゐる。
<謡(うた)。無邪気な→素直でなんの悪気もないこと。余韻(よいん)→後に残る味わい、音が消えた後も残る響き。>
那动人的声音唱出天真无邪的歌谣,如今仍然在我耳边回荡,令我十分怀念。
夕日が原のむかふに沈んでそのあとにゆらゆらと月がのぼりはじめると花畑の葉にかくれてた小さな蛾が灰白の翅をふるつてちりちりと舞ひあがる。
<ゆらゆらと→物がゆっくりと大きく連続して揺れ動く様。蛾(が)→。灰白(かいはく)→灰白(はいしろ)。翅(はね)。ちりちり→小さい物が動く様。>
夕阳在原野的那一头沉落,月亮慢悠悠地爬上天空,藏在花田叶下的小小飞蛾振动着灰白的翅膀,轻飘飘地飞了起来。
少林寺の槙の木には烏が群つて枝をあらそひ、庭の珊瑚樹の雀はちゆうちゆくちゆうちゆくいふ。
<槙(まき)→常緑高木。珊瑚樹(さんごじゅ)→沿海の砂地に多く生える珊瑚のような赤い実をつける常緑広葉樹。ちゅうちゅく ちゅうちゅく(雀(スズメ)の鳴き声の擬音語)>
少林寺的罗汉松上,一群乌鸦在枝头喧闹,麻雀在园子里的珊瑚树上叽叽喳喳。
そのとき私たちはやうやく黄味のあせてゆくお月様をあふいで兎の歌をうたふ。
<あせる→褪せる→元の色艶が薄れる。あふいで→仰(あお)いで→上を向くこと、敬うことと。師と仰ぐ。>
这时,我们才仰望着渐渐退去的黄色月亮,唱起兔子歌谣。
「うーさぎうさぎ、なによみてはねる、十五夜お月さまみてはーねる。ぴよん、ぴよん、ぴよん」
“兔子啊兔子,你看着什么蹦蹦跳?看着十五晚上的月儿蹦蹦跳。跳、跳、跳。”
我らの文学126 中勘助『銀の匙』53(前編44③)>
ラジオ収録20220816
「レオンラジオ日の出」テーマ曲 作詞作曲 楠元純一郎 OP「水魚の交わり」、INTER1「日の出の唄」、INTER2「大医精誠」、ED 「遺伝子の舟」
司会 楠元純一郎
中国語翻訳・朗読 レオー(中国語講師・中国大慶の小学校教諭)
中国語翻訳 張暁良
読解者・朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)
読解者 福留邦浩(国際関係学者)
中国語朗読 刘耀鸿
聴講 张晓良 張智航 劉凱戈
「手まり」 中勘助
君は小さな手鞠 わたしの歌は色糸
まきしめて まきしめて 八重ここのへに君をかざる
十文字 菱がさね 七宝つなぎ 麻の葉
緑 くれなゐ 紫 思ひの色のとりどり
君は小さな手鞠 恋の神のもてあそび
著物の裾のひきずるのもしらずに夢中になつてつく。
<裾(すそ)→衣服の下の縁(ふち)。ひきずる→地面に接触させるようにして引く、鹿児島弁→ぞろびく。夢中(むちゅう)→それに心を奪われて、他のことを考えない状態。>
� � � � � � 阿蕙的和服下摆都拖了地。却全然不在意,一心拍着球。
兎の戯れるやうに左右の手が鞠のうへにぴよんぴよんと躍つて円くあいた唇のおくからぴやぴやした声がまろびでる。
<戯(たわむ)れる→面白がって遊ぶ。鞠(まり)。躍(おど)って→飛び跳ねて。円(まる)く。ぴやぴや→愛嬌のある可愛い声。まろびでる→転がるようにして出てくる>
两只手像贪玩的小兔子,在球的上方轻快地跳跃。圆张着的嘴里跟着发出开心的声音。
その美しい声にうたはれた無邪気な謡は今もなほこの耳になつかしい余韻をのこしてゐる。
<謡(うた)。無邪気な→素直でなんの悪気もないこと。余韻(よいん)→後に残る味わい、音が消えた後も残る響き。>
那动人的声音唱出天真无邪的歌谣,如今仍然在我耳边回荡,令我十分怀念。
夕日が原のむかふに沈んでそのあとにゆらゆらと月がのぼりはじめると花畑の葉にかくれてた小さな蛾が灰白の翅をふるつてちりちりと舞ひあがる。
<ゆらゆらと→物がゆっくりと大きく連続して揺れ動く様。蛾(が)→。灰白(かいはく)→灰白(はいしろ)。翅(はね)。ちりちり→小さい物が動く様。>
夕阳在原野的那一头沉落,月亮慢悠悠地爬上天空,藏在花田叶下的小小飞蛾振动着灰白的翅膀,轻飘飘地飞了起来。
少林寺の槙の木には烏が群つて枝をあらそひ、庭の珊瑚樹の雀はちゆうちゆくちゆうちゆくいふ。
<槙(まき)→常緑高木。珊瑚樹(さんごじゅ)→沿海の砂地に多く生える珊瑚のような赤い実をつける常緑広葉樹。ちゅうちゅく ちゅうちゅく(雀(スズメ)の鳴き声の擬音語)>
少林寺的罗汉松上,一群乌鸦在枝头喧闹,麻雀在园子里的珊瑚树上叽叽喳喳。
そのとき私たちはやうやく黄味のあせてゆくお月様をあふいで兎の歌をうたふ。
<あせる→褪せる→元の色艶が薄れる。あふいで→仰(あお)いで→上を向くこと、敬うことと。師と仰ぐ。>
这时,我们才仰望着渐渐退去的黄色月亮,唱起兔子歌谣。
「うーさぎうさぎ、なによみてはねる、十五夜お月さまみてはーねる。ぴよん、ぴよん、ぴよん」
“兔子啊兔子,你看着什么蹦蹦跳?看着十五晚上的月儿蹦蹦跳。跳、跳、跳。”
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