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我らの文学137 中勘助『銀の匙』64(前編47③)>
ラジオ収録20221104
「レオンラジオ日の出」テーマ曲 作詞作曲 楠元純一郎 OP「水魚の交わり」、ED 「遺伝子の舟」
司会 楠元純一郎
中国語翻訳・朗読 レオー(中国語講師・中国大慶の小学校教諭)
中国語翻訳 編集 レオー
読解者・朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)
読解者 福留邦浩(国際関係学者)
中国語朗読 刘耀鸿
聴講 张晓良 張智航 劉凱戈
それから女のはうの番になつたが机に獅噛みついてゐて誰ひとり出ないもので一番から席順に呼びだされることになつた。それでも出ないで泣きだす者さへある。
<獅噛みついて→しがみつく→しっかりと掴んで離さない。>
接着轮到女生讲,但她们像长在桌子上似的,谁都不愿上台。于是老师决定从坐在最前面的同学开始。但依然没人站起来,居然还有人哭了。
で、おはちはたうとう五番めまでまはつていつた。
<おはち→飯櫃(めしびつ)、お櫃(おひつ)→炊き上がったご飯を釜から移して入れる容器(コンテナ)→おはちが回る→順番が来ること。>
就这样终于点到了第五个。
お蕙ちやんは覚悟をしてたらしくすなほに「はい」といつて教壇に立つた。
<覚悟(かくご)→悪い事態を予想して心の準備をしておくこと。>
阿蕙像是做好了准备似的,老实地答了一声“是”,就站到台前。
とはいへさすがに襟くびまで赤くなつてさしうつむいてたが、ややあつて夢ごこちに泳ぐやうな手つきをしながらひと言づつきれぎれに語りだしたときには私は心配と同情とにはらはらしてまともに顔を見ることさへし得なかつた。
<襟(えり)くび→首の後ろの部分、首筋(くびすじ)、うなじ。さしうつむいて→差し俯いて→うなだれて下を向く。ややあって→しばらくして。ゆめごこちに→夢心地に→夢を見ているように。きれぎれに→切れ切れに→細かく幾つにも切れていること、とぎれとぎれに。はらはらして→心配してドキドキして。し得なかった→することができなかった>
不过,她也是低着头,脸红到脖子根。过了一会儿,才像梦游似的打着手势,一句句讲起话来。我又担心又同情她,心里七上八下,连她的脸都没怎么看。
けれどもだんだん話がすすむにつれぱつちりした眼がしやんとすわつて大人びたりりしい様子になり、そのならびない澄みとほつた声ではきはきと順序よく話しつづけたその話はいつも私がきかせた初音の鼓の話であつた。
<眼がすわって→目が据わる→瞳がじっと一点を見つめて動かないこと、酔ったり、怒ったりしている様。ここでは、堂々と落ち着いている様。しゃんと→きちんと、しっかり。りりしい→凛々しい→引き締まっていて力強く、頼りがいがあること。並びない→他と比べるものがない、類がない。初音(はつね)→その季節で鶯などの鳥などが最初に鳴く声。鼓(つづみ)→指で打ち鳴らす楽器。ここでは「初音の鼓」という落語の演目。>
而她的故事也渐渐讲得顺畅了,张开圆圆的眼睛,像个大人一样,声音清澈,口齿清晰,将故事井然有序地娓娓道来。那是她平时总讲给我听的初音之鼓的故事。
我らの文学137 中勘助『銀の匙』64(前編47③)>
ラジオ収録20221104
「レオンラジオ日の出」テーマ曲 作詞作曲 楠元純一郎 OP「水魚の交わり」、ED 「遺伝子の舟」
司会 楠元純一郎
中国語翻訳・朗読 レオー(中国語講師・中国大慶の小学校教諭)
中国語翻訳 編集 レオー
読解者・朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)
読解者 福留邦浩(国際関係学者)
中国語朗読 刘耀鸿
聴講 张晓良 張智航 劉凱戈
それから女のはうの番になつたが机に獅噛みついてゐて誰ひとり出ないもので一番から席順に呼びだされることになつた。それでも出ないで泣きだす者さへある。
<獅噛みついて→しがみつく→しっかりと掴んで離さない。>
接着轮到女生讲,但她们像长在桌子上似的,谁都不愿上台。于是老师决定从坐在最前面的同学开始。但依然没人站起来,居然还有人哭了。
で、おはちはたうとう五番めまでまはつていつた。
<おはち→飯櫃(めしびつ)、お櫃(おひつ)→炊き上がったご飯を釜から移して入れる容器(コンテナ)→おはちが回る→順番が来ること。>
就这样终于点到了第五个。
お蕙ちやんは覚悟をしてたらしくすなほに「はい」といつて教壇に立つた。
<覚悟(かくご)→悪い事態を予想して心の準備をしておくこと。>
阿蕙像是做好了准备似的,老实地答了一声“是”,就站到台前。
とはいへさすがに襟くびまで赤くなつてさしうつむいてたが、ややあつて夢ごこちに泳ぐやうな手つきをしながらひと言づつきれぎれに語りだしたときには私は心配と同情とにはらはらしてまともに顔を見ることさへし得なかつた。
<襟(えり)くび→首の後ろの部分、首筋(くびすじ)、うなじ。さしうつむいて→差し俯いて→うなだれて下を向く。ややあって→しばらくして。ゆめごこちに→夢心地に→夢を見ているように。きれぎれに→切れ切れに→細かく幾つにも切れていること、とぎれとぎれに。はらはらして→心配してドキドキして。し得なかった→することができなかった>
不过,她也是低着头,脸红到脖子根。过了一会儿,才像梦游似的打着手势,一句句讲起话来。我又担心又同情她,心里七上八下,连她的脸都没怎么看。
けれどもだんだん話がすすむにつれぱつちりした眼がしやんとすわつて大人びたりりしい様子になり、そのならびない澄みとほつた声ではきはきと順序よく話しつづけたその話はいつも私がきかせた初音の鼓の話であつた。
<眼がすわって→目が据わる→瞳がじっと一点を見つめて動かないこと、酔ったり、怒ったりしている様。ここでは、堂々と落ち着いている様。しゃんと→きちんと、しっかり。りりしい→凛々しい→引き締まっていて力強く、頼りがいがあること。並びない→他と比べるものがない、類がない。初音(はつね)→その季節で鶯などの鳥などが最初に鳴く声。鼓(つづみ)→指で打ち鳴らす楽器。ここでは「初音の鼓」という落語の演目。>
而她的故事也渐渐讲得顺畅了,张开圆圆的眼睛,像个大人一样,声音清澈,口齿清晰,将故事井然有序地娓娓道来。那是她平时总讲给我听的初音之鼓的故事。
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