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149 中勘助『銀の匙』76(前編51④)>
ラジオ収録20230203
「レオンラジオ日の出」テーマ曲 作詞作曲 楠元純一郎 OP「水魚の交わり」、ED 「遺伝子の舟」司会 楠元純一郎 中国語翻訳・朗読 レオー(中国語講師・中国大慶の小学校美術教諭)読解者・朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)読解者 福留邦浩(国際関係学者)中国語朗読 刘耀鸿 聴講 张晓良 張智航 劉凱戈 吉川佳太
ほかの者は格別意趣があるではなし、それに到底私の敵ではないのでただまはりからわいわいいふばかりだつたが、なかにひとり寺の息子の爛れ目の奴がどういふ忠義だてかいきなり後ろから頸つたまへ噛りついた。
<格別(かくべつ)→特別、普通の程度とは違っていること。意趣→遺恨、恨み。爛(ただ)れ目→周りの皮膚が赤く腫れて炎症を起こしている目。忠義だて→真心を尽くして仕え、忠義を押し通すこと。頸っ玉→首筋。噛(かじ)りついた。>
不过那几个人都兴致不高,而且毕竟和我无冤无仇,只是将我围在中间起哄。其中有一个家里开寺院的小孩,平时眼睑那一圈总是烂着。不知出于何种道义,他突然从我身后出手,紧紧抓住我的脖子。
富公は内心びくびくしながらも頼もしい味方の振舞に力を得て「こら、貴様生意気だぞ」といつて寄つてきたので私はいきなり布袋竹で真向をくらはしてやつた。さうしたら富公は意外にも忽ちへなへなとして「いやだあ、乱暴するんだもの」といひながら額をおさへてめそめそ泣きだした。
<びくびく→絶えず恐れや不安を感じて落ち着かない様。頼もしい→頼り甲斐があって期待できる。味方(みかた)→自分の属する方、仲間。真向→まっすぐ前、ちょうど前。くらわしてやった→食らわす→強打、衝撃を受けさせる。忽ち(たちまち)→すぐに、にわかに。へなへな→力を失ってしおれる様。額(ひたい)→おでこ。めそめそ→声も立てずに泣く様。>
富公虽然惴惴不安,但这位可靠的伙伴给了他力量。 “你这个嚣张的家伙!”见他大喊着走过来,我猛地抽出罗汉竹,劈头就是一击。没想到他一屁股坐在地上嚷着:“别这样嘛!别这么粗暴嘛!” 他还用手捂住脑袋,可怜巴巴地哭了起来。
このきたない大将の負けやうを今更とんだ者に加勢した といふ顔つきで眺めてた雑兵ばらはそろそろ自分たちの身がけんのんになつてきたのをみて「おら知らねえと」とてんでにいひながらこそこそと帰つていつた。
<きたない→無様な、見苦しい、卑怯な。とんだ→とんでもない、意外な、道理に外れた、よくない。加勢する→手助けする。顔つき→何がしかの感情、考えを表したような表情。けんのん(剣呑)→危ない様、不安を覚える様。てんでに→めいめいに、それぞれ。>
那些小跟班看到这孩子王认输的模样,都一副后悔自己站错了队,开始担心自身难保的表情,异口同声道:“跟我们没关系!”其他的家伙都灰溜溜地回家了。
ただ驚いたのは目くされの坊主で、大将もろとも討死の覚悟か目をつぶつて死に身にぐたりとつるさがつたなりどうしてもはなれない。さすがの剛の者もそれにはほとほと弱つたが、やつとのことでへばりつく奴を捥ぎはなして帰つたときには実はこちらも泣きかかつてゐた。
<坊主(ぼうず)。討死(うちじに)。死に身に→いつ死んでもいいと覚悟を決めて、捨て身の状態で。剛(ごう)の者→強者(つわもの)。ほとほと→すっかり。へばりつく→べったりと張り付くように付く。捥(も)ぎはなして→無理に引っ張って取る。泣きかかっていた→泣きそうであった。>
唯有烂眼角的小鬼头依然紧闭双眼,像是决意和老大一起战死,视死如归地拼上最后一丝力气,抓着我的脖子不放。就是再刚强的勇者,也看不过此番情景。我好不容易挣脱这个粘在身上的家伙,回家的时候,竟也有种想哭的冲动。
149 中勘助『銀の匙』76(前編51④)>
ラジオ収録20230203
「レオンラジオ日の出」テーマ曲 作詞作曲 楠元純一郎 OP「水魚の交わり」、ED 「遺伝子の舟」司会 楠元純一郎 中国語翻訳・朗読 レオー(中国語講師・中国大慶の小学校美術教諭)読解者・朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)読解者 福留邦浩(国際関係学者)中国語朗読 刘耀鸿 聴講 张晓良 張智航 劉凱戈 吉川佳太
ほかの者は格別意趣があるではなし、それに到底私の敵ではないのでただまはりからわいわいいふばかりだつたが、なかにひとり寺の息子の爛れ目の奴がどういふ忠義だてかいきなり後ろから頸つたまへ噛りついた。
<格別(かくべつ)→特別、普通の程度とは違っていること。意趣→遺恨、恨み。爛(ただ)れ目→周りの皮膚が赤く腫れて炎症を起こしている目。忠義だて→真心を尽くして仕え、忠義を押し通すこと。頸っ玉→首筋。噛(かじ)りついた。>
不过那几个人都兴致不高,而且毕竟和我无冤无仇,只是将我围在中间起哄。其中有一个家里开寺院的小孩,平时眼睑那一圈总是烂着。不知出于何种道义,他突然从我身后出手,紧紧抓住我的脖子。
富公は内心びくびくしながらも頼もしい味方の振舞に力を得て「こら、貴様生意気だぞ」といつて寄つてきたので私はいきなり布袋竹で真向をくらはしてやつた。さうしたら富公は意外にも忽ちへなへなとして「いやだあ、乱暴するんだもの」といひながら額をおさへてめそめそ泣きだした。
<びくびく→絶えず恐れや不安を感じて落ち着かない様。頼もしい→頼り甲斐があって期待できる。味方(みかた)→自分の属する方、仲間。真向→まっすぐ前、ちょうど前。くらわしてやった→食らわす→強打、衝撃を受けさせる。忽ち(たちまち)→すぐに、にわかに。へなへな→力を失ってしおれる様。額(ひたい)→おでこ。めそめそ→声も立てずに泣く様。>
富公虽然惴惴不安,但这位可靠的伙伴给了他力量。 “你这个嚣张的家伙!”见他大喊着走过来,我猛地抽出罗汉竹,劈头就是一击。没想到他一屁股坐在地上嚷着:“别这样嘛!别这么粗暴嘛!” 他还用手捂住脑袋,可怜巴巴地哭了起来。
このきたない大将の負けやうを今更とんだ者に加勢した といふ顔つきで眺めてた雑兵ばらはそろそろ自分たちの身がけんのんになつてきたのをみて「おら知らねえと」とてんでにいひながらこそこそと帰つていつた。
<きたない→無様な、見苦しい、卑怯な。とんだ→とんでもない、意外な、道理に外れた、よくない。加勢する→手助けする。顔つき→何がしかの感情、考えを表したような表情。けんのん(剣呑)→危ない様、不安を覚える様。てんでに→めいめいに、それぞれ。>
那些小跟班看到这孩子王认输的模样,都一副后悔自己站错了队,开始担心自身难保的表情,异口同声道:“跟我们没关系!”其他的家伙都灰溜溜地回家了。
ただ驚いたのは目くされの坊主で、大将もろとも討死の覚悟か目をつぶつて死に身にぐたりとつるさがつたなりどうしてもはなれない。さすがの剛の者もそれにはほとほと弱つたが、やつとのことでへばりつく奴を捥ぎはなして帰つたときには実はこちらも泣きかかつてゐた。
<坊主(ぼうず)。討死(うちじに)。死に身に→いつ死んでもいいと覚悟を決めて、捨て身の状態で。剛(ごう)の者→強者(つわもの)。ほとほと→すっかり。へばりつく→べったりと張り付くように付く。捥(も)ぎはなして→無理に引っ張って取る。泣きかかっていた→泣きそうであった。>
唯有烂眼角的小鬼头依然紧闭双眼,像是决意和老大一起战死,视死如归地拼上最后一丝力气,抓着我的脖子不放。就是再刚强的勇者,也看不过此番情景。我好不容易挣脱这个粘在身上的家伙,回家的时候,竟也有种想哭的冲动。
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