NHK紅白歌合戦への出場が決まった人気ユニットのメンバーは、いち早く祖母に連絡することにした。

「婆ちゃん、オレ、オレだよ」

「もしもし、おまえなのかい？」

「オレさ、大みそかの紅白歌合戦に出ることになったんだ」

「紅白歌合戦だって？　アタシを見くびってもらっちゃ困るね！　そんなのに騙されるとでも思ったのかい。どうせ、NHKに納める裏金を無くしちまったから、2～300万円用意してくれとでも言いたいんだろう」

飽きっぽい性格の少年は、使い終わったモノは、何でもゴミ箱行きだった。「またこんなに捨てて！まだ使えるでしょう」「いいじゃん。もう飽きたから新しいの勝ってよ」「いけません！もう少しモノを大切にすることを覚えないと。こんなことでは、ろくな大人になりませんよ」「ママには言われたくないな。これまで何人の男を捨ててきたのさ。いまだに僕のパパが誰なのかわからないんだから」

男はタイムマシンが完成すると、迷わず過去へ遡った。幼少期から煮え湯を飲まされ続けた父親に復讐するためだ。「待て！私を殺せば、おまえも消えて無くなるんだぞ」男がひるむと、父親はすかさず返り討ちにした。「参ったな・・・。次の息子は、育て方を考え直さねば」

「酷いわ！私をそんなふうに思っていたなんて」女は、泣きながら部屋を飛び出した。「待てよ！」男と女の間には、まだ超えられない壁があった。遠い未来。人類は、ペットと容易に意思の疎通がはかれる社会となっていた。故に飼い主とペットの間には、微妙な影を落としていた。

男は、カリスマミュージシャンとして、ファンから神と崇められていた。「困るんですよね。神を冒涜してもらっては」突然現れた紳士は、男に警告しに来たという。男が自ら、神を名乗っているわけではないのだけれど・・・。「貧乏神と疫病神に頼まれましてね。私？死神と申します」

親友であるが故の決断だった。少年は、友人に隠し通してきた正体を打ち明けることにした。「僕、実は狼なんだ」「そんなこと知ってたさ」友人の反応は、意外なものであった。まさか、この恐ろしい真の姿を目撃していたのか。「狼少年だろう？おまえ、嘘ばっかり付くからな」⚫愛するが故の決断だった。男は、恋人に隠し通してきた正体を打ち明けることにした。「俺、実は狼なんだ」「そんなこと知っていたわ」恋人の反応は、意外なものであった。まさか、この恐ろしい真の姿を目撃していたのか。「・・・だって、ベッドの上では狼に豹変するんですもの」

裕福な家庭で育っている少年は、このままお金の大切さがわからないのは良くないと思い始めていた。「パパ、アルバイトがしたいんだけど」「セレブのおまえが、アルバイトをする必要なんてないだろう。一体どこでアルバイトがしたいんだ？」「六本木にあるカフェだよ」「よし。あそこなら、すぐにパパが買い取ってやろう」

久しぶりに母親から電話が来た。「おめでとう！映画のヒロイン役が決まったんですってね」「ありがとう、お母さん」「髪型はそのままでいいの？エステにも行かなくちゃね！どうしても必要だったら、ちょっとくらい整形してもいいのよ」「・・・ってか、アニメなんだけど」

お互いに奇術を操るマジシャン夫婦の仲は、冷えきっていた。「私たち、もう潮時じゃないかしら」「君が欲しがるものは、何でも与えてきたではないか」「もう、うんざりなの！あなたからの贈り物は、すべてまやかし物なんですもの」「そんな君だって、初めて出逢ったときから僕に催眠術をかけたままではないか」

少年は、どうぶつの森に迷い込んだ。ここでは、犬や狸が人並みに生活していた。「こんなところで一生暮らすなんて、まっぴらだ！」将来を悲観した少年は、川に身を投げた。程なくして、少年は森の住民たちに助けられる。「早まっちゃいけないな。人生は、リセットできないんだぜ」