男性の育児休暇取得は、もはや珍しいことではない。「聞いた？課長、育児休暇取るらしいわよ」「どういうことなの？課長が育児休暇なんて！」「いいじゃない。お給料は減っちゃうかもしれないけれど、奥さんは助かるんだもの」「奥さんだけなんてずるいわ！私のときは、休んでくれなかったのよ」

男は、血相を変えて病院に駆け込んできた。「先生！ゲーム障害の特効薬を処方していただけないでしょうか？」「うむ。ゲーム障害を治す薬がないことはないのですが、ちゃんとした病院に行かれた方がよろしいかと・・・。ここは、バーチャルリアリティーの病院ですから」

スポーツニュースでは、プロ野球の順位表を映し出していた。「首位と０.５ゲーム差か。混戦だな」「パパ、０．５ゲーム差って、どのくらいなの？」「一度負けただけで、すぐに順位が入替っちゃうんだよ」「ウチは安心だね！パパとママの間には、１０ゲーム差くらいあるんだもの」

少年は、とある錠剤を多量に摂取したため、精神に異常をきたしてしまった。「これは！」少年の服用した錠剤の空瓶を見て、医師は驚愕の声を上げた。「まさか、フランス書院文庫を、こんなに飲んでしまうとは・・・」遠い未来。本は、すでに読むものから飲むものになっていた。

遠い未来。男は、高々と手を上げてタクシーを停めた。「お客さん、どちらまで？」「２０２１年の東京に行ってくれ」すると、運転手は老眼鏡をかけて、分厚い冊子をめくり始めた。「２０２１年の東京はね・・・ええと、お客さん、割増し料金になります」

次のニュースです。先ほど、永田町で外国籍と思われる女性が保護されました。警察によりますと、女性はアリスと名乗り、姉とピクニックに来たところ、白いウサギを追いかけて穴に落ちたと話しており、女性が頭を強く打っている可能性もあることから、引き続き慎重に事情を聞くことにしています。

大相撲秋場所に、反社会的勢力の男たちが観戦に訪れていた。「おお、ここは良い席だな。土俵が、目と鼻の先だ」「この席、なかなか手に入らないんですよ。そういえば、兄貴は相撲が初めてでしたね」「照ノ富士ってのは、どいつだ？」「あそこにいる太った奴ですよ」

木村さんに再会した。「よお！久しぶりだな」足を引き摺ってはいたけれど、人懐っこい笑顔は相変わらずだ。「それにしても酷いな・・・」木村さんの表情が曇る。「女房にやられちゃいまして」天国には、死んだときの状態で行くらしい。僕の両手足は、まだ見つかっていない。

老人は、かつて一世を風靡したスター歌手だ。「こんな老いぼれを殺してどうするつもりだ？」老人には、銃口が向けられていた。「あんたが死ねば、ショップの在庫も捌けるから一儲けできる。早くしないと、あんたのファン層もストリーミングで済ましちまうからな」銃声が、こだました。