われらの文学 レオンラジオ 楠元純一郎

93 中勘助 银汤匙 20(前編31②)


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オープニングソング「水魚の交わり(魚水情)」

エンディングソング「バイオバイオバイオ(遺伝子の舟)」

作詞作曲 楠元純一郎

編曲 山之内馨



ラジオ収録20211130

中国語翻訳・朗読 レオー(中国語講師・中国の小学校教諭)

読解者・朗読   松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)

読解者      福留邦浩(国際関係学者)楠元純一郎(法学者)

中国語朗読    刘耀鸿

聴講      张晓良 劉凱戈


私も袂で顔をふきながら「かーごめ かごめ をしませう」といふ。

「かーごめ かごめ、かーごんなかの鳥は、いついつでやる……」

〈かごめ→籠目 かーごんなかの→かごの中の

でやる(出遣る)→いついつでやる→いつになったら出て行けるの?〉


我也一边用袖子擦脸,一边说:“玩‘笼子笼子’吧。”

“笼子里,笼子里,笼子里的小鸟啊,什么时候飞出去……”


 雨のあとなど首をたれた杉垣の杉の若芽に雫がたまつてきらきら光つてるのを、垣根をゆすぶると一時にばらばらと散るのが面白い。暫くすればまたさきのやうにたまつてゐる。

 〈杉垣(すぎがき)→杉を植え並べて垣根にしたもの 垣根(かきね)→区画として設ける囲(かこ)い =fence  雫(しずく)→したたりおちる液体の粒  

暫く(しばらく)〉=for a while

雨后,杉树墙里的树垂着头,嫩芽儿上凝结着水滴闪亮闪亮的。摇晃着杉树墙,水滴就哗啦哗啦的飞散出去,十分好玩。不一会水滴就会像刚才一样积攒出来了。


 遊び場の隅には大きな合歓ねむの木があつてうす紅いぼうぼうした花がさいたが、夕がた不思議なその葉が眠るころになるとすばらしい蛾がとんできて褐色の厚ぼつたい翅をふるはせながら花から花へと気ちがひのやうにかけまはるのが気味がわるかつた。合歓の木は幹をさすればくすぐつたがるといつてお国さんと手のひらの皮のむけるほどさすつたこともあつた。

 〈合歓(ねむ)の木→夜になると葉が合わさって閉じて眠るように見えることから   翅(はね)→昆虫の翼   気○○○(気狂い)(放送禁止用語)のように→精神状態が普通でなく発狂した様→統合失調症のように〉

游玩的地方有一个角落种着一棵大的合欢树,虽然开了生机勃勃的浅红色花朵,夕阳西下的时候叶子就会很奇妙地睡着了,有一种很大的蛾子扇动着肥厚的褐色翅膀飞过来,从一朵花飞到另一朵花,疯也似地巡回着,让人觉得很恶心。听阿国说,挠合欢树的树干它就会痒,我就和她一起用手去挠树,挠得皮都破了。




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