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オープニングソング「水魚の交わり(魚水情)」
エンディングソング「バイオバイオバイオ(遺伝子の舟)」
作詞作曲 楠元純一郎
編曲 山之内馨
ラジオ収録20220104
中国語翻訳・朗読 レオー(中国語講師・中国の小学校教諭)
読解者・朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)
読解者 福留邦浩(国際関係学者)楠元純一郎(法学者)
中国語朗読 刘耀鸿
聴講 张晓良
あくる朝私は羽織袴で父といつしよに学校の門をはひつた。そして先生たちのゐる部屋へつれてゆかれたが、そこには硝子障子のはまつた戸棚のなかに地球儀や、鳥や魚の標本や、珍しい獣の掛け図や、心をひくものが沢山あつた。――これらはみな後におぼえた名である。――
<羽織袴(はおりはかま)。硝子障子→障子は光を通すように木枠に和紙が貼られたものであるが、ここではガラスが嵌め込まれているもの>
第二天,我穿上褂子,和爸爸一起跨进了学校的大门。我被带到了老师们的房间,那里有玻璃门的柜子,里面有很多像是地球仪、鸟和鱼的标本、珍禽异兽的挂图之类的,很多东西都让我心驰神往。——这些东西的名字都是我之后才知道的。——
父が私の脳のわるいこと、体が弱くて臆病なことなどこまごまと話すのが恥しくてならない。それをきいて人の顔をじろじろ見ながらうなづいてた先生はもの柔やはらかに「あなたの年はいくつ」「あなたの名は」「お父様のお名は」「お家は」
といろいろなことを尋ねた。
<臆病(おくびょう)→ちょっとしたことにも怖がること、怖がり、怯えやすいこと。じろじろ→遠慮なくじっと見ること。うなづいてた→うなづく→首肯く、肯定すること。
爸爸把我头脑又笨,身体又弱,胆子又小的事情巨细靡遗地说出来,搞得我羞愧难当。老师听着,一边目不转睛地看着我的脸一边点头,温和地问我各种各样的问题,你几岁啦?你叫什么名字呀?爸爸叫什么呀?家在哪里呀?
そんなことは前から家で教はつてあるし、先生の案外やさしいのに安心してどうやら無事に返事ができた。先生は脳が悪いときいてばかとでも思つたのかさまざまなことをききためしたのち「これなら結構です」
といつて入学を許してくれた。
<教わって→教えてもらって。ききためした→聞き試した>
这些问题以前家里人都教过我,而且老师也出乎意料的人很好,我就放了心,顺顺利利地回答了。老师先前还听说我脑子笨,还以为我真的智力有问题,所以问了各种各样的问题,最后告诉我们"这样就可以了",允许我上学了。
その日はそれなり帰つて姉たちに学校でのお行儀や、お辞儀のしかたや、鞄のびぢやうのかけかたなど教はつて暮した。そして次の日には桜の花の徽章のついた帽子をかぶり、持ちつけぬ鞄をはすにかけてなんともいへない混乱した気もちをしながら伯母さんに手をひかれて学校へいつた。
<それなり→そのまま、それきり。お行儀(おぎょうぎ)→礼儀作法、お辞儀(おじぎ)、びじやう→尾錠→帯革などの先に取り付けて左右から閉める金具、バックル。暮らした→一日を過ごした。徽章(きしょう=バッチ)。持ちつけぬ→持ちつけない→持ち慣れない。はすにかけて→斜めにかけて。手を引かれて→手を携えて導かれて>
那一天就这样回了家,让姐姐教了我学校的规矩,比如怎么行礼,怎么扣书包上的扣子之类。然后第二天,我带上有樱花徽章的帽子,把还拿不惯的书包斜背着,心情混乱地由阿姨牵着手走向学校。
この不慣れな様子を人に見られるのが恥しいのとまだ知らぬ学校生活の心配とに小さな胸を痛めて自分の爪先ばかり見ながらそろそろとついてゆく。姉たちは私を教場へつれていつていちばん前の机へ腰かけさせた。それは尋常一年の乙の級で、おなじ一年のうちでも年弱な者や頭の悪い者をいれるところだつた。
<腰かけさせた→腰掛けさせた→座らせた 乙(おつ)甲乙丙丁戊己庚辛壬癸 子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥>
这幅不熟练的样子给人看了使我很羞愧,对学校的生活的担心也使自己的小小的胸膛非常痛苦,我看着自己的手指甲慢慢的走。姐姐们把我带到教室,让我在最前面的桌子坐下。那是普通一年乙班,是同样上一年级但是生日比较小或者比较笨的孩子的班级。
オープニングソング「水魚の交わり(魚水情)」
エンディングソング「バイオバイオバイオ(遺伝子の舟)」
作詞作曲 楠元純一郎
編曲 山之内馨
ラジオ収録20220104
中国語翻訳・朗読 レオー(中国語講師・中国の小学校教諭)
読解者・朗読 松尾欣治(哲学者・大学外部総合評価者)
読解者 福留邦浩(国際関係学者)楠元純一郎(法学者)
中国語朗読 刘耀鸿
聴講 张晓良
あくる朝私は羽織袴で父といつしよに学校の門をはひつた。そして先生たちのゐる部屋へつれてゆかれたが、そこには硝子障子のはまつた戸棚のなかに地球儀や、鳥や魚の標本や、珍しい獣の掛け図や、心をひくものが沢山あつた。――これらはみな後におぼえた名である。――
<羽織袴(はおりはかま)。硝子障子→障子は光を通すように木枠に和紙が貼られたものであるが、ここではガラスが嵌め込まれているもの>
第二天,我穿上褂子,和爸爸一起跨进了学校的大门。我被带到了老师们的房间,那里有玻璃门的柜子,里面有很多像是地球仪、鸟和鱼的标本、珍禽异兽的挂图之类的,很多东西都让我心驰神往。——这些东西的名字都是我之后才知道的。——
父が私の脳のわるいこと、体が弱くて臆病なことなどこまごまと話すのが恥しくてならない。それをきいて人の顔をじろじろ見ながらうなづいてた先生はもの柔やはらかに「あなたの年はいくつ」「あなたの名は」「お父様のお名は」「お家は」
といろいろなことを尋ねた。
<臆病(おくびょう)→ちょっとしたことにも怖がること、怖がり、怯えやすいこと。じろじろ→遠慮なくじっと見ること。うなづいてた→うなづく→首肯く、肯定すること。
爸爸把我头脑又笨,身体又弱,胆子又小的事情巨细靡遗地说出来,搞得我羞愧难当。老师听着,一边目不转睛地看着我的脸一边点头,温和地问我各种各样的问题,你几岁啦?你叫什么名字呀?爸爸叫什么呀?家在哪里呀?
そんなことは前から家で教はつてあるし、先生の案外やさしいのに安心してどうやら無事に返事ができた。先生は脳が悪いときいてばかとでも思つたのかさまざまなことをききためしたのち「これなら結構です」
といつて入学を許してくれた。
<教わって→教えてもらって。ききためした→聞き試した>
这些问题以前家里人都教过我,而且老师也出乎意料的人很好,我就放了心,顺顺利利地回答了。老师先前还听说我脑子笨,还以为我真的智力有问题,所以问了各种各样的问题,最后告诉我们"这样就可以了",允许我上学了。
その日はそれなり帰つて姉たちに学校でのお行儀や、お辞儀のしかたや、鞄のびぢやうのかけかたなど教はつて暮した。そして次の日には桜の花の徽章のついた帽子をかぶり、持ちつけぬ鞄をはすにかけてなんともいへない混乱した気もちをしながら伯母さんに手をひかれて学校へいつた。
<それなり→そのまま、それきり。お行儀(おぎょうぎ)→礼儀作法、お辞儀(おじぎ)、びじやう→尾錠→帯革などの先に取り付けて左右から閉める金具、バックル。暮らした→一日を過ごした。徽章(きしょう=バッチ)。持ちつけぬ→持ちつけない→持ち慣れない。はすにかけて→斜めにかけて。手を引かれて→手を携えて導かれて>
那一天就这样回了家,让姐姐教了我学校的规矩,比如怎么行礼,怎么扣书包上的扣子之类。然后第二天,我带上有樱花徽章的帽子,把还拿不惯的书包斜背着,心情混乱地由阿姨牵着手走向学校。
この不慣れな様子を人に見られるのが恥しいのとまだ知らぬ学校生活の心配とに小さな胸を痛めて自分の爪先ばかり見ながらそろそろとついてゆく。姉たちは私を教場へつれていつていちばん前の机へ腰かけさせた。それは尋常一年の乙の級で、おなじ一年のうちでも年弱な者や頭の悪い者をいれるところだつた。
<腰かけさせた→腰掛けさせた→座らせた 乙(おつ)甲乙丙丁戊己庚辛壬癸 子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥>
这幅不熟练的样子给人看了使我很羞愧,对学校的生活的担心也使自己的小小的胸膛非常痛苦,我看着自己的手指甲慢慢的走。姐姐们把我带到教室,让我在最前面的桌子坐下。那是普通一年乙班,是同样上一年级但是生日比较小或者比较笨的孩子的班级。
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