Claude CodeとDaVinci Resolveを、MCPで繋いで動かしてみた。
テレビ局に12年いたけど、編集ソフトはずっとEDIUSだった。
でもPremiere、ましてやDaVinci Resolveは、ズブのド素人。
DaVinci Resolveにいたっては、聞いたこともなかったレベル。
局によって、使う編集ソフトが違う。
文化が違う、ということでもある。
色味と音楽は、人に任せる工程だった
色味と、音楽。テレビでは人に任せていた2つの工程を、自分一人でできないか、と思って試した。
そして、できた。
それはディレクターの能力が、構成と、クリップの並びと、ナレーション。そこを突き詰めることだけになることを意味する。
たとえばグレーディング。映像を見ていて、「本格的だな」と思う要素の一つに、色味がある。
もちろん、実写の話をしている。
生成したアニメやグラフィックは、専門外。
人物がいて、景色があって。カメラで撮った映像にグレーディングをかけると、一気に本格的になる。彩度とか輝度とか言うけど、明るくしたり、暗くしたり。
映画みたい、みたいな。
これは基本的に、編集マンさんの担当。
そしてつなぎ終わった後には、音楽がつく。BGMと、SE。
MAさんに頼んで、つけてもらって、最終的に完パケとして戻ってくる。
その工程を踏まないと、テレビはできなかった。
そこを分業することこそが、
日々番組を放送できる、肝だった。
色味も本格的になって、音楽もついた状態で、やっと放送する基準に達する。
複数の眼を通すことで、
リスクもチェックできる。
だからディレクターは実は、自分の作品の色と音を、最後まで自分の手で触ることは、ほぼなかった。
「色味を映画っぽくして」と頼んだだけ
グレーディングに関しては、DaVinci Resolveが頭一つ抜けているらしい。
先日、プロのエディターさんと話す機会があった。
カットを並べたり、字幕を付けたりは、Premiereでやりましょう。
ただ、色味のグレーディングは、DaVinci Resolveを使った方がいいでしょう。
それが結論だった。
プロがそう言うぐらいの機能を、Claude Code経由でどう動かしたか。
僕はチャットで指示しただけ。
「色味を映画っぽくして」と頼んだだけ。
MP4で書き出した動画データを渡して、グレーディングしてくれ、と。
できた。
しかも6段階で、テストを並べてきた。
6個作ってきて、どの色がいいですか、みたいな。
中身も、プロのエディターがやったグレーディングと遜色ない。
放送で使えるレベルだな、と思った。
映像業界も大きく変わることを確信した。
音楽がないと、チープに見える
オフラインで、音楽がない状態のプレビューを見せる。
全然面白くないんじゃないか。いけてないんじゃないか。
ディレクターは、めちゃくちゃそう思う。
誰かにプレビューしてもらっても、
未MAのものを見て唸る人はいない。
みんなどこか、不満げだ。
これは半分実力かもしれないけれど、
もう半分は絶対BGMだ。
音がないから出来上がりをイメージしづらく、
評価が下しにくいのだ。
だから曖昧な、反応となる。
音楽ってやっぱり偉大で、映像に加わるだけで一気に本格的なVTRとして見れるようになる。
その音の部分を、ディレクターがバッキバキに自分でやる。BGMをつけて、素材音とレベル調整して、どこは喋りを聞かせて、どこはBGMを上げて、フェードなのか、どうか。
そういうのをやっている人は、僕は見たことがない。普通音楽はMAさん。任せる。そういう状態だった。
でもそれも、できた。
この喋り終わりでつけて。この喋り終わりで、徐々に聞かせて。何秒から何秒まではナレーション。
細かく言っていくと、対応してくれた。
どこから聞かせるかも、フレーム単位。
結構、自由自在。
半端ない。
どうやってやったんだよ、これ。
何それ。俺もよくわかってない
APIを使ったんじゃない。全部ローカルの、ffmpeg。
何それ。俺もよくわかってない。
無料の音声動画処理エンジンがローカルにあって、それをClaude Codeが使っている。
BGMは無料のフリー音源を見つけてきて、当てはめてくれる。
確認だけど、僕は商業利用していない。
権利がフリーな音源を当ててみて、使えるかどうかを今、判断している段階。
手応えは、十分だ。
グレーディングとMAは、内包化できる
全体の構成。クリップの並び。長さ。使うシーンの選定。
もっと上の段階で、何を伝えたいのかを明確にすること。
そこをディレクターが責任を持ってやる。
グレーディングとMAは、Claude CodeなりCodexなりで内包化できるという話。
全部自由自在に、ディレクターが作れるようになる。
高品質なものを。
テレビ局に今いる人。辞めた人。
ここまでできるようになってるんだ、というのを知ってほしいな、と思う。
ディレクターの仕事という線引きが、もう変わってきていることを意味する。
逆に言うと、これはチャンス。
ストーリーテリングができて、伝えたいテーマを明確に打ち出せて、構成が組める人が、存在価値を発揮する未来が、くる。
真剣に映像と向き合ってきた人が、陽の目を見るのだ。
今試しているのは、15秒から1分
まだ長物はあまり試していない。
でも30分ぐらいだったら、いける。
単純な反復作業なら、2時間でも3時間でもいけるだろう。
今やっているのは、15秒とか、1分とか。
そのレベルの尺だったら、今の段階でもう全部自分一人で、動画データまでは作れる。
編集、MA、字幕。
オールオッケー。
いきなり字幕がバーンじゃなくて、ボヨヨヨヨンって出したいとか、じわーっと浮き出るように出したいとか。
これも、できる。
めちゃくちゃ彩ってポップなものは、まだ試していない。
だんだん編集室入る意味が、わからなくなってきた。
映像制作のハードルは下がっていくし、誰でも本格的なドキュメンタリーや、ちょっとしたVTRを作れる時代になる。
素人がプロ品質を作ることも、
理論上可能なのだ。
そこはとことん、アナログ
こういう発信を読んで、聞いて、共感して連絡をくれる人が、ポツポツいる。
本当にありがたい。
仕事をしてお金をもらうって、本当に人と人の繋がりで、人にしかできないことで、泥臭いもの。
そんなものがAIでサクサクとできるようになるとは、夢思っていない。
そこはとことん、アナログ。
アナログな部分と、AIに任せる部分。
その線をしっかり引く。
AIがどれだけ進んでも、
そこだけは見誤っちゃいけない。
話している人
内藤賢志郎(ないとう・けんしろう)福岡のテレビ局で12年、ディレクターとしてスポーツ中継・ドキュメンタリーを制作し、2026年に独立。現在は「映像制作×AI活用」の二本柱で、企業の映像制作・AI導入の伴走・講演などを行っています。
映像制作/AI導入・活用の伴走/講演・研修のご相談は K-studio のホームページから どうぞ。
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