「アストロスケールのデブリ除去実証衛星が大型デブリに約15mまで接近成功」 株式会社アストロスケール(Astroscale)は2024年12月11日、同社の商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J(アドラスジェイ)」が観測対象のスペースデブリ(宇宙ごみ)に約15mの距離まで接近することに成功したと発表しました。民間企業が宇宙機のRPO(※Rendezvous and Proximity Operations Technologiesの略、ランデブー・近傍運用)を通じて実際のデブリにここまで接近したのは世界初の事例だと同社は述べています。ADRAS-Jはデブリ除去の新規宇宙事業化を目的とした宇宙航空研究開発機構(JAXA)の取り組みである「商業デブリ除去実証(CRD2)」の実証衛星です。CRD2は大型デブリへの接近・近傍制御と情報取得を実証するフェーズIと、大型デブリの除去を実証するフェーズIIの2段階に分かれており、どちらもアストロスケールが契約相手方に選定されています。現在運用されているADRAS-JはフェーズIを実施するために開発されたもので、日本時間2024年2月18日夜にRocket Lab(ロケットラボ)の「Electron(エレクトロン)」ロケットで打ち上げられました。アストロスケールはフェーズIIの実施に向けて、捕獲用のロボットアームを搭載する実証衛星「ADRAS-J2」の開発も進めています。