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20年間で1万人の起業家・経営者を指導してきた坂本憲彦が、あなたの経営に役立つヒントや最新の情報をお話します。
今回は、
について、お届けしていきます。
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毎週日曜朝9時半から、FM那覇で放送中の『坂本憲彦のラジオ経営塾』。起業の専門家、坂本憲彦がはじめての起業で成功するために大切なポイントをお届け。沖縄で起業したい人を応援するラジオ番組です。
中田:早速ですが、禰覇さんはもともとのご先祖様が沖縄、坂本先生はよく沖縄にいらっしゃる、そしてこの放送局はFM那覇ということで、今日は沖縄つながりの話題を楽しみたいと思います。
坂本先生、オリオンビールは飲まれたことありますか?
坂本:大好きです。オリオンを飲まないと沖縄に来た気がしないというくらい大好きです。
中田: 禰覇さん、オリオンビールは?
禰覇:沖縄に行った時は飲んでいます。こっちでは機会がなくて飲んでないですけど。
中田:ちなみに私も水代わりにオリオンビールを飲んでいますね。
沖縄県民からするとソウルフード、ドリンクと言うんですか、まさにオリオンビールだなと。祭りもオリオンから始まりオリオンで終わるという。
他の酒造会社もいらっしゃって全てのお酒が大好きですが、今日はこの話題をあげたい理由があったんです。
オリオンビールは観光にいらっしゃったら飲まない方はいないと思いますし、沖縄といったらオリオンビールという地元の大きな企業です。
去年の暮れに東洋経済で取り上げられていたんですよ。というのは、オリオンビールがストロング系チューハイをやめる、なんと発売から7カ月で決断したと。
ストロング系は本来売れているお酒の種類ですが、これは理由があります。
オリオンビールさん、実は社内で健康を増進する動きがあります。
このストロング系が高アルコールなので、アルコール中毒や依存症の原因になる可能性が高いという指摘があり、思い切ってやめたということです。
この売れているところをやめる会社さんの決断、いかがですか。
坂本:僕もこの記事を読ませていただいて、素晴らしい決断だと思いました。
このストロング系のチューハイはアルコール度数が9%で、通常のビールよりも結構高いんですが飲みやすいんですよね。フルーツのフレーバーがついていて、そんなに癖が強くなくてジュースみたいに飲めてヒット商品でした。ところが、今おっしゃったようなアルコール依存症になっている人や依存傾向の強い人が、このストロング系のチューハイを3本くらい一気に飲むととんじゃう、ということで社会問題になりました。それを今回やめるという決断は本当に素晴らしいと思いました。
中田:勇気がある英断だったと思います。
この話は実際に私の身の回りであったことなんですけど、毎日仕事が終わってストレスが溜まった、9%チューハイの大きいのを2本飲む、その継続の中で依存症になって会社を退職された方がいらっしゃいました。特に沖縄はお酒を飲む地域なので、その地元の大きな看板の会社さんがやめるって、沖縄県民にも衝撃的なニュースでした。
坂本:売れている商品をやめることは経営者として苦渋の決断ですもんね。
中田:何を大事に経営戦略や中長期計画を立てるのかといった時に、売り上げのみを重視したらこの決断には至らなかったのかなと。もちろんいろいろな分析をされて決断をされていらっしゃると思いますが、そこに志、理念を感じたんですね。
坂本:単に目先の利益を追わないことは大事だと思います。
今自分たちのやっていることが利益にはなるけれど、誰かを不幸にしてその利益を生んでいると本来の利益のとり方ではないと思います。私は「幸せの利益を生みだしていきましょう」とよく言います。
特に今までの日本社会でよくあったのは、会社の中で誰かが病気になって、うつ病の人を生み出して、でも会社の利益は好調です、こういうのが正しいとされていて、病気になってしまう人がダメな人という感じだったと思います。これが今後、かなり厳しくなってくると思います。
中田:SDGsを、まさに地でいくニュースだったと思います。
坂本:チューハイの売り上げの4割がストロング系のチューハイだったと、でもそれをやめる決断。社長さんのインタビューでもそこが問題になっていたと書かれていましたが、会社の利益よりも社会全体の責任を考えてやめる決断をされたことは、素晴らしいと思います。
中田:これがまた素晴らしいのが、9%をやめる決断もそうなんですけれど、最近オリオンさんの商品が面白くておいしくて、限定版みたいな商品とか。社会によろしくないものをやめて、同時にまた戦略的に新しいものを出し続けるスピードがすごく早いと。
経営塾のパーソナリティなので、単に飲んでいるだけではなくてちゃんと分析的に、飲みながら観察をしているという言い訳をしていいですか。
坂本:飲んでいる時が一番いいアイディアが出てきますからね。
中田:新商品で女性うけするものを出されたり、パッケージがかわいくなったり、やめるだけではなくて他のところで力を入れている、という商品開発力もすごいと思います。
坂本:目先の利益を落としてでも社会性をちゃんと訴えることで、経営者が工夫できるかどうか。
誰しもが罪悪感を持ちながら商品を売っていくと、いいアイディアも新しい企画も出てこないと思います。
これからの時代は情報が出るのが早いです。ストロング系も最初は依存症のことは言われていませんでしたが、流行って広がっていく中で依存することが浸透して、対応が早い企業と遅い企業とでは結果が変わってくると思います。
今は消費者もバカではないので、いろいろな口コミを見てまわりまわって自分のところに帰って来ます。なので、中長期で単に自社の利益だけではなく社会全体の利益を考えることで、結果的に会社の利益にも繋がってくるという、これが本来のこれから目指す企業系かなと思います。
中田:会社の理念や経営戦略を聞くだけで、買いたくなりませんか。
坂本:共感できるしすごく飲んでみたいと思いますよね。
禰覇:この決断は大きいから、会社の中はどんなことが起こっていたんだろうと気になりました。ニュースになるくらいのトピックスだと、どんな想いでこの決断をされたのかが見えてくるから、消費者としても応援したくなると思いました。
中田:ストロングをやめたとしても、むしろこの会社の商品を買いたくなりますよね。
想いに共感するというか。
坂本:もう1個大事なのが、9%のチューハイを出したことは法律違反ではないですよね。ちゃんとした法律の中でやっているので法律を破った訳ではないけれど、それに対して経営者がNOと言えるのか。
法律はあくまでも最低限のラインを守ってくれるところであって、本来、人がどうあるべきかは経営者の倫理観や生き方に立ち返るところだと思うので、それを持っている企業がこれからは伸びてくると思います。
中田:本質ですね。
地元の私たちが愛してやまないオリオンビールさんの記事が全国版のビジネスニュースに載っているというのもすごく誇らしいことだと思いました。
ホームページを覗いたことがなかったので拝見してみたんですね。
ミッション『人を、場を、世界を笑顔に。オリオングループ』
今回の決断ははミッションそのものだったんだろうなと思いました。
坂本:今回オリオンビールさんがアサヒビールさんの傘下に入られたということで、不安視されていた沖縄の方も多かったんじゃないかと思います。
中田:オリオンのビールなくなっちゃうんじゃないの、あのビール、サザンスターとか。
坂本:そうですよね。本当に地元の一番大きな企業さんでしたから。
でも逆にいい意味での刺激というか、中でやっている方も素晴らしいですが、外の新しい風が入ることで、より地元の方に新しい良いものを提供するかたちになってきているのかなと思います。
中田:新しい風が吹いてきた中でそういった決定や商品開発になっている。強みとか持ち味を重ね合わせることでお客さまにより喜んでいただける商品を出せるということも、一つの大きな経営の方向性なのかもしれないですね。
坂本:コロナの影響もあって人の思考や行動がどんどん変わってくる時代ですから、そういうところに柔軟に合わせていく。
これまでの時代は利益追求だったと思うんですよね。これからの価値観は、つながりとか人の命がより重視されていると思うので、そこに反することを企業がやっていると、止められるエネルギーが入ってくると思います。
SDGsは持続可能な社会をつくっていくことが目的です。自分の会社だけが儲かっても、周りが衰退していたら買ってくれるお客様も衰退するということです。周りが繁栄するからこそ自社が繁栄できるというところで、より高い視点で、地域社会、国、地球全体を考えられる企業がこれから伸びてくると思います。
中田:要はWinWinですね。社会や地域にとってもWin、会社にとってもWinということで。
坂本:全体を通してのWinが今まで以上に大切になってくる。日本企業はもともと持っているところが多いと思います。欧米型の会社さんが利益優先のところが多くて、日本本来の全体の調和という価値観が世界的にも見直されてきていると思います。
那覇:こういう企業さんから枝分かれして見えてくる社会問題も面白いなと思いました。オリオンビールさんで言うと、前に友達から「首里城に貢献できるビールがあるらしい」って聞きました。
さっきラインナップを見てみたら、今もあるんですね。“首里城再建支援缶”っていう1缶につき3円再建の支援に活用されるって。時間が経つと人の頭から離れてしまう首里城の問題を紐づけてくれているのも社会貢献という面で大事だなと思いました。
中田:地域再生とか創成と言いますけれど、地元の企業としては一番理想というか、頼もしいですよね。
いわゆる都市部の大企業さんも素晴らしいですけれど、地域で根差してずっと頑張っていらっしゃる企業さんがこういう目線で経営をされていると、そこからの波及効果も大きいなと思いました。
坂本:オリオンビールさんが頑張ってくれると沖縄経済も元気になるでしょうし、沖縄の人が元気になってくれるのが一番景気にもいいと思いますから。活性化してほしいですね。
中田:そういう企業さんが、創業して1代目の社長さんや過渡期を迎える社長さんの地域のロールモデルになるという影響もあるのかなと思いました。
坂本:沖縄の地場のトップ企業がSDGsの考え方や地域のことを考えたかたちになっていると、それを見習う企業さんも増えてくると思います。
もともと沖縄は“地域と一緒に”という意識は強いと思いますが、それがより明確になって、よりよい社会をつくっていく、というのは皆さんの意識が活性化されていくのかなと思います。
中田:今日は地元の企業さんを一例にあげた回ですが、社会貢献度が高かったり、理念がしっかりしたり、お客様のために経営方針をポンと変えたり、そういう会社に勤めている社員さんって、ある意味ビジネス的なところも成長していくのかなと思います。禰覇さんは今会社に勤めていらっしゃるけれど、どうですか。
禰覇:こうやって話を聞く機会があって、オリオンビールさんってこんな会社だったんだって、改めて知れたのはすごく大きいと思いました。今私は関東にいるから、関東でも地元に貢献している企業さんは知らないだけでいっぱいあるんだろうなと改めて思ったので、そういう会社を知りたいと思いました。
中田:企業はお客様に喜んでいただいて、地域に喜んでいただいて、そしてまた中で仕事をしている社員も喜んでとなると、いい循環が企業を通して広がっていくのかなと、尊いなと思います。
坂本:いろいろな活動をしているけど知られていないところもあるので、地元の企業さんを見てみたり、話を聞いたりするのは学びになると思います。
中田:今この放送は沖縄のFM那覇さんの電波を通していますが、そういう企業さんがあったらこういう感じで時々ご紹介させていただくのも学びかもしれないですね。
坂本:ぜひこれを聞いている経営者の方で、自社の取り組みを紹介してほしい企業さんがあれば、お問い合わせいただければ嬉しいです。いろいろな企業さんを紹介していけたらと思います。
中田:我こそはとか、この会社さんが、というご紹介はどちらの方にどういう風にご案内をすればいいですか。
坂本:立志財団で検索をしていただいて、ホームページに問い合わせフォームがありますので、そこでご連絡をいただけたらと思います。自薦他薦問いませんので、SDGsや地域に貢献している企業さん、ぜひお話を聞かせていただいけると学びにもなりますし、リスナーさんに届けられますのでよろしくお願いします。
中田:お問い合わせに関しては、うちのキュートな禰覇さんが担当しておりますのでどしどしお寄せいただけたらと思います。
坂本先生、禰覇さんありがとうございました。
坂本・禰覇:ありがとうございました。
次回:【第109回】坂本憲彦のラジオ経営塾「経営者になるための5つの才能の磨き方!経営者の立場になったとき大切にするべき心構えとは?!」
毎週日曜朝9時半から、FM那覇で放送中の『坂本憲彦のラジオ経営塾』。起業の専門家、坂本憲彦がはじめての起業で成功するために大切なポイントをお届け。沖縄で起業したい人を応援するラジオ番組です。
今回は経営学者ドラッガーの著書「経営者の条件」を坂本憲彦氏に紹介していただきます。長い間読まれ続け、時代を超えても変わらない経営者に大切な5つのポイントを解説しています。また、本には書かれていない、コロナから始まった変化の時代を生き抜く、新たな3つのポイントもお伝えしています。
こちらの音声は、Podcastよりお聴きいただけます。
動画は、下記YouTubeよりご覧いただけます。
中田:今日は坂本先生からオススメの1冊をご紹介いただこうと思います。
坂本先生お願いします。
坂本:ドラッガーという方が書かれた古典的な名著『経営者の条件』をご紹介させていただきます。
経営者はたたきあげでやっている人も、親御さんから継いで2代目3代目という方もいらっしゃると思いますが、良い経営者がどういうものかは客観的に分かりにくいので、それを解説している本です。
ドラッガーさんは1909年に生まれて2005年に95歳で亡くなりましたが、偉大な経営学者ということで多くの方に影響を与えています。
少し前に流行った『もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーの「マネジメント」を読んだら』という本は、ドラッガーさんが書いたものではないですが、ドラッガーさんの解説本です。
ドラッガーさんはたくさん本を出していますが、何度もリニューアルされて今も読み継がれている本ということで、今回はこの『経営者の条件』をご紹介します。
この本では、経営者に一番大切なことを“成果を上げること”と伝えています。経営者が労働者と違うところはいかに成果を上げられるかです。経営者として成果を上げるために大切な5つのポイントを解説しています。
この5つが何かというと、1つ目が“時間管理”です。経営者が一番大変なのは自分の時間をどう管理するか、あとは会社の時間をどう活かしていくのかです。時間は貯めることができない資産ですので、その場その場で消費されて、2時間暇だから明日に持って行こうということはできません。生産性の高さを意識して時間を使えるか、そこの時間管理が経営者として大事になってきます。
2つ目が“貢献へのコミットメント”です。経営者がお客様や従業員に対して貢献する、役に立つことをしっかりと覚悟できているか。ここの度合いが成果を上げるために非常に大事になってくるところです。
3つ目が“強みを活かす”ことです。これは、経営者個人もそうですし、自社でも強みを活かしていくことです。弱みを克服することに時間を割いても成果につながらないので、いかに強みに集中していくのかです。強いところを併せ持って組織を作っていくことが大事だよというところです。
4つ目が“優先順位”です。最初の時間管理とも関連しますが、経営者をやっていく中でいろいろなものに時間はとられていくんですね。24時間、決まった時間しかありません。これは誰しも同じ時間ですので、その中でいかにやる順番を決めていくのか。さらにはやらないことを決めることも大事です。何をやらないかをしっかり決めていくことで、成果をあげることに集中していけます。
5つ目が“意思決定”です。どのような意思決定が経営者に大切なのかを解説しています。
この5つが経営者にとって成果を上げる条件だと伝えています。
私もこの本を改めて読み返してみいましたが、非常に大切なことを伝えてくれていると思います。経営者にとって何が大事なのか、自社を見直す時に何が大事なのか。コロナでいろいろな影響が出ていると思いますが、こういう時だからこそ改めて時間管理、貢献へのコミットメント、強みを活かす、優先順位、意思決定この5つを見直すことで、解決のヒントになると思います。
中田:考えてみたら、この5つの条件は経営者のみならず、これから起業を目指したり成果を上げたい会社員にも共通する基本ですね。
坂本:この本は経営者に関することを書いていますが、管理職の方やサラリーマンの方にも非常に役立つ内容にもなっていると思います。
中田:この5つの指標を軸に振り返って、現状把握をして、修正をしていくことを導く1冊と考えてよいですか。
坂本:そうですね。特に管理職の方は非常に大事だと思います。管理職の方も時間がなくて忙しくなるので、時間管理からの流れを作るのは大切だと思います。
中田:管理職というワードが出ましたが、私は企業の中で管理職歴が結構あった後でフリーランスとして仕事をしています。先ほどの5項目を聞いて考えてみると、管理職をやっている時は、ある意味起業や経営をする前の練習ではないですが、あれこそがトレーニングだったんだろうなと、気づきがあったような気がします。
坂本:会社での経験は大きいと思います。管理職で人を動かしてどう成果を上げていくかというところ、ここを会社で見つけられるのは非常に素晴らしいポジションだと思います。
中田:一つのステップなのかもしれないですね。でも経営者となると、さらに成果を上げないといけない大きなリスクがついてきますよね。管理職でもかなり圧が入る仕事だったので、そうやって考えると経営という仕事は尊いですね。
坂本:スキル的な部分は管理職でも身に付けられますが、経営者になると最後はうしろがなくなるプレッシャーが強くなるので、そこをできるかどうかはさらに大事なポイントになると思います。
中田:だからこそ成果を上げるということは強烈なワードですよね。
坂本:シンプルなんですけどね。経営者としては成果を上げるために強みを活かす、ということに繋がってくると思います。
成果を出したいからこそ弱いところはやらない選択が大事になると思います。
中田:そうすると、社長の弱いところの強みを持っているスタッフさんがチームにいると、会社は強いですね。
坂本:社長が1人でやることは無理ですので、社長ができないところを補っていくチームになるといいと思います。
中田:成果を上げ続けることで、その会社が世の中に貢献したいことが商品やサービスを通して継続して実現していく、そのための成果という部分が大きいので、経営は深いお仕事ですね。
坂本:私もまだまだ勉強をしている身ですけど、奥が深いと思います。
中田:禰覇さんどうですか。経営の話でしたけれど、いろいろなことに共通するポイントかなと思います。
禰覇:経営者さんにというお話でしたけど、社員さん一人一人がこれをやれるようになったらいい会社になるんだろうなと思いました。以前坂本先生が「弱みを克服することに時間を割くことは、自己満足だ」とおっしゃっていたことを思い出しました。自分の弱みを知って、そこを人に任せることも時間を管理することに繋がっていくと改めて思いました。
坂本:成果を考えると、弱いことを頑張っても、出来上がったところで自分が満足するだけで人の役には立ちません。それが2つ目の“貢献へのコミットメント”に関連すると思います。ビジネスは人に貢献して初めて価値が出くる、人に役に立つことが大事です。そのためにも自分が一番得意なところを活かしていくことが義務になると思います。
中田:坂本先生の名言が好きです。「強みを活かすのは社会貢献。弱みを克服するのは自己満足」ですよね、禰覇さん。
禰覇:本に書いてありました。
中田:責任も、社会に対する影響力も大きい経営者さんだからこそ、強みを活かすことは強烈に必要なことですね。
坂本:自分が強いところを活用する、そして弱い所を弱くていいと思えるのも大事だと思いますし、だからこそ強い所に集中していこうとなると思います。
貢献へのコミットメントということでお客様に必ずよいものを届けるとか、成果につなげることがビジネスとしての発展につながってくると思います。
中田:この5つの項目はすごくシンプルな言葉だけど、時代を超えて変わらない、押さえておきたいポイントですね。
中田:この5つのポイント以上にさらに豊かに、付け加えるポイントを教えていただけますか。
坂本:コロナの状況の中で、僕もこの1年でいろいろな経営者さんの動きを見させていただきました。この時代を乗り越えている僕がすごいと思った経営者さんの共通点が3つあります。
1つ目が“絶対にぶれない軸を持っている”ことです。
周りの環境が激変している時代、人によっては全く違うビジネスに手を出して上手くいかない場合や、逆に本当は動かないといけなかったのに全然動けていない場合もあります。
一方で会社の中で変えてはいけないところは何か、変えていいところは何かが分かっている方は変化に対応できたと思います。
和民という居酒屋さんがありますが、居酒屋が回復の見込みが弱いということで、今度焼肉屋に全部業態を変える発表がありました。1000店舗近くも変えるってすごい意思決定だと思いますが、「食で幸せにしていく」という和民社長の想いは変えず、変えていいところをドラスティックに変えていける、経営者の大事なところだと思います。
2つ目が“意思決定のスピードの速さ”です。
今回、誰もが状況を分からない状態で突然変化が起こったので、意思決定のスピードが大事だったと思います。私の知っている飲食業の経営者さんで、去年の2月の段階で飲食のお店を全部閉めてオンラインに移行させました。変えると決めたらすぐに行動する、捨てる勇気を持っていますよね。
どうしても積み上げてきていると捨てられないものが出てきますが、こういう時代は捨てるからこそ身軽になって、次の一手が早く打てるところがあると思います。
3つ目が“建設的な悲観主義”です。最近のこの状況を見ても、楽観的に考えていると厳しいです。ただ、悲観だけだと行動ができなくなるので、マイナスのことがあったら対応策を考えていくことです。
これも優れた経営者さんの例でビルゲイツさんのお話があります。
ビルゲイツさんが絶好調な時に、メモが流出して大問題になったことがありました。そのメモはマイクロソフトがつぶれる3つの理由が書かれていたみたいです。でも、ビルゲイツさんはそれだけ業績がいい時でも常に最悪の事態を考えて戦略を考えていたんですね。
このコロナの時代は全員が最悪の事態を想定しながら、さらにそれを超えてくる可能性もあります。
ドラッガーさんの本には書いてない、“ぶれない軸”“意思決定のスピード”“建設的な悲観主義”この3つがこのコロナ時代の経営者の条件だと思います。
禰覇:全部大事だと思ったんですけど、最悪を想定するって私あまりやっていなかったなと、今聞いていいて思いました。こういう時代の中でも楽しく明るくやっていきたいという想いが強くなって、最悪の想定を後回しにしていたので、自分でも考えてみようと思いました。
坂本:この時代明るく前向きには基本なんですけれど、経営者としてはそればかり見てリスクを見ていないと危険です。事業計画も、最悪場合を想定をしておくことは大事だと思います。
中田:客観性と分析力という感じですかね。
人はぶれやすいもので、そう考えると自分軸を持って日々闘っていく経営者さんは大変なことですね。
坂本:大変な仕事だと思います。だからこそ僕たちは相談に乗れるような存在になっていきたいと思っています。
中田:どの社長さんもおっしゃるのが社長はすごく孤独だと。学ぶと言ってもどこで学ぶんだというお声があったり。同じ目線で、同じような志で、利害なく学べるコミュニティ、そことつながっていくというのもある意味強みになる部分かもしれませんね。
坂本:つながりが強みを生んでくると思います。
中田:今日はドラッガーの『経営者の条件』、初版から時間が経っていますが、いい機会なので気になるリスナーの方は手に取っていただけたらと思います。
坂本先生、禰覇さんありがとうございました。
坂本・禰覇:ありがとうございました。
次回:【第108回】坂本憲彦のラジオ経営塾「オリオンビールが人気のストロング系をやめたことで消費者から応援される理由になった訳とは?!」
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