歌集『死なない猫を継ぐ』
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でもきみでなくてもよかったということ暮れる川辺でいつか話そう
(ぼくたちは全ての物語の模倣)雪の降る日に手をつないだの
きみはきみにやつらの語彙で語ることを生涯かけて許さなかった
人間という語はレズビアンを指しそのほかみんな宇宙人だわ
永劫回帰のなかで何度も死ぬ犬が何度もはちみつを好きになる
名付け親、そのあこがれに似たひびき キャンディのつつみで包む宝石
フル・カラーの人類と犬そして雨(映画史上に降る光たち)
枝分かれした運命のいくつかのピーマンだけが具のナポリタン
自販機でしるこ買うたびよみがえる冬の海釣り 釣れたのだっけ
雪の町はうつくしい名を持っていて発音できないのだあなたには
いつかあそびつかれて八十歳で飲むだろうおいしい毒の話を
山中千瀬『死なない猫を継ぐ』
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きみを指して春と呼びきみが春となり春の眠たい電車で眠る (山中千瀬「グランド・フィナーレ」)早稲田短歌42号
永劫回帰のなかで何度も死ぬ犬が何度もはちみつを好きになる
(『死なない猫を継ぐ』)
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あねのなをつけなおすゆめ…夢の姉は名を受け取らずあたしを去った/山中千瀬『パラレルワー』
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早春のレモンに深くナイフ立つるをとめよ素晴らしき人生を得よ/葛原妙子『橙黄』
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こういう歌もあることが大事なのかも
ストリートビューで互いのふるさとを歩こうとした二〇一〇年
きっときみの死だって第六感ではなくメールかLINEで知るのだろうな
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