🟥消息
その町の雪のふかさをある年の葉書に知ってそれきりの町
(「消息」)
記憶の薄さ
一生における、なんでもできなさを娯楽のように置いておく
◯
きょうだいは枯野を踏んでたちまちに連続写真めいて走った
競走馬のゆく天国を語り合う青年たちの影 すれちがう
とうめいな犬を視界にはなっては見ていた冬の野のフリスビー
動き
⇅
老猫の貼紙 しろい水仙のみだれて咲いている冬の庭
動かなさ との対比
貼紙、ブルーシート、影、フリスビー、餌皿、
薄いものが多い
でたらめな記憶の校舎 ともだちが煙のようにわらっていた日
✏️「娯楽のように」置かれてるわけじゃないぜ、多少は、を「ともだち」で思わせてくる
✏️このあたりの謎が、感じの良い静けさ、だけでない味を一連に加えてるのか?
はにかんだまま朽ちてゆくアパートの外階段に降るはるの雪
✏️「ともだち」を含むラスト2首
「冬の庭」の一首目
↓
「はるの雪」の最終首
フゥ!
🟥みずうみ
ゆっくりと喋っていればやさしいと言われる 冬には凍るみずうみ
あやとりを鉄でしてみたような青い遊具が夜の中心になる
(「みずうみ」)
丸山るい『奇遇』
遠景に重機はみんなおりがみのようです眠い電車に乗れば
(『遠景』)
✏️体感によりこう見えている、の書き方により、歌の最後で「世界」から「しずかな自分の体」に帰ってくる
そのあたまのなかの小箱を手で包み振動をとめてみたいと思う
✏️不思議なことをいう
描かれた顔のどれもがわらってる漫画喫茶の静かなとびら
いきている人のことばを読むつかれ踵をすこし減らしたような
✏️何を遠ざけたいのか
「自分ではない、さわがしいもの」として登場するぎりぎりのもの
ついばんだ地面の味がしみてくる駅構内の鳩を見てると
(『みずうみ』)
夢だから食べるまえから味のするパンをひろばの鳩へ鳩へと
(『四季とまばたき』)
✏️
味覚、にかけあわせると、歌が、静けさ一辺倒ではなくなる
🟥庭
手に土の夢 ほんとうの裏庭にほんとうの雨が降ってきたなら
✏️
●サラダのなかにある埋葬地
と
●黒犬の眠り
をどのように読者の頭の中で響きあわせるかで、「サラダ」の例えの感触が変わってくる
きまってはいない例えを、拙さととるか、他人の内心のわけのわからなさととるか
🟥四季とまばたき
夢だから食べるまえから味のするパンをひろばの鳩へ鳩へと
✏️一首なら、これか。
猫の歌に、あまり何も思わない
猫を飼ってないからなのか?
🟥光学
かすかでも波は波だね光からうまれる馬のたてがみ、おいで
✏️
たてがみ、馬
「だね」 「おいで」
平岡直子で服部真里子で井上法子すぎる
珍品
🟥カーテン
✏️猫の歌で終わりたかったんだろうなぁ