今回は、conの選書。
岩宮恵子さんの著書『思春期センサー 子どもの感度・大人の感度』(岩波書店)を取り上げます。
大人にとって、かつての自分の記憶を頼りに語ってしまいがちな「思春期」。しかし本書は、時代や環境の変化に伴い、現代の思春期の子どもたちが感じている世界は、大人の想像とは大きく異なることを示唆しています。
「思春期センサー」という独特な感性をキーワードに、現代の思春期を取り巻く環境の変化として、主に3つのトピックが挙がりました。
・SNSの普及により「逃げ場がない」状況が生まれていること。
・「いつメン(いつものメンバー)」という独特な人間関係の在り方。
・自分の感情や状況を説明するための「言葉」をまだ持たない子どもたちと、自身の経験則で「分かった気になってしまう」大人との間にある決定的なズレ。
今回は、これから思春期の子どもに向き合うことになるconの実感と、自身の高校時代を振り返りながら「センサー」の働きを議論します。
「悪いことだと分かっていないのではなく、断るための言葉を持っていないだけ」という視点や、大人が自身の過去の経験をそのまま当てはめることの危うさについて深く語り合います。
最終的に、私たちは「大人になる過程で弱まっていく『センサー』の存在を認め、いかにして『分かった気にならず』に他者の痛みを想像するか」という、世代を超えた対話の問いに立ち返ります。