■今回のテーマ
レジ前のクーポンパズルという現代の苦役 なぜクーポンは自動で適用されないのか?
ドラッグストアなどのアプリを開くと、毎日大量に届く「15%OFF」や「100ポイント付与」のクーポン。
しかし、レジに行く前に自分で対象商品を探し、手動でセットしなければならない煩雑さにモヤモヤしたことはありませんか?
「システム側で勝手に一番お得になるように計算してくれればいいのに」という誰もが抱く疑問を出発点に、なぜ企業はあえて消費者に「クーポンを探させる」のか?
■CHEAP
・「数十円〜数百円の割引」という安価な錬金術
アプリを開いてバーコードを見せるだけで、いつもの日用品が15%オフになる。特別な労力は必要なく、スマホの画面を数回タップするだけで日常的な節約が成立する、圧倒的でお手軽な「お得感」。
・「ついで買い」を誘発する低いハードル
「せっかく15%OFFクーポンがあるから」という理由だけで、本来買う予定のなかった洗剤やシャンプーをカゴに入れてしまう、財布の紐の緩みやすさ。
■DEEP
・なぜ「自動適用(最適化)」してくれないのか?
現在のPOSシステムの技術力をもってすれば、「カゴの中の最も高額な商品に、最も割引率の高いクーポンを自動で適用する」ことは造作もないはずです。
それをあえて消費者の手作業(自己申告)に委ねているのは、親切心や技術の遅れではなく、「消費者に『自分でお得を見つけた』という達成感(ゲーム性)を与えるため」という高度なマーケティング戦略が潜んでいます。
・行動経済学から見る「IKEA効果」と「サンクコスト」
人間は、自分が手間暇をかけたもの(IKEAの家具など)に対し、実際の価値以上の愛着を感じる傾向があります(IKEA効果)。
自分でクーポンを探し、セットし、レジで割引額を確認する一連のプロセスが、単なる「値引き」を「自分の賢い買い物の成果」へと変換させます。
また、探すのにかけた時間(サンクコスト)を回収したいという心理が、店舗への再来店と依存度を強くしていくという構造の深さ。
・「探すコスト」と「割引額」の損益分岐点
この「クーポン探し」に脳のメモリと時間をどこまで割くべきか。1,000円の商品なら150円安くなる価値があるが、200円の商品なら30円のためにレジ前で焦る(他人に迷惑をかける)のはタイムパフォーマンスが悪い。
「割引額」ではなく「自分の機嫌と時間」を優先する、情報の取捨選択と自己防衛の必要性。
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■Podcast:CHEAP BUT DEEP
「値段は安いが、意味は深い」——モノとコトの価値を再発見するトーク番組
世の中の「価値」は値段だけでは決まらない。100円の古本、リサイクルショップで見つけたTシャツ、一杯の立ち食いそば。世間的には「CHEAP(安価)」なものでも、個人の文脈や思い出が乗ることで、それはかけがえのない「DEEP(深遠)」な存在になる。
40代のマキトと20代のナシ、世代の違う二人がそれぞれの視点で、日常に潜む「安くて深い」魅力を掘り下げる対話型ポッドキャストです。
■メッセージ
応援やご感想などお気軽にどうぞ。
あなたにとってのCHEAP BUT DEEPなモノについてもぜひ教えてください。
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(BGM:雨雲メガネ)