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生成AIを活用したYahoo!ショッピングの課題解決について伺いました。レビュー要約やLP自動生成、買い時の提案など、ユーザーの「選びづらさ」や「分かりにくさ」にAIでアプローチ。単なる技術導入ではなく、納得感を重視した運用が成果を上げています。
入社当初からYahoo!ショッピングに携わり、レビュー強化やCRM施策を担当。2024年4月に「AIタックル室」室長に就任し、生成AI機能の技術責任者として企画・活用を推進中。
市丸氏に『AIとEコマース』についてお話をお伺いしました!
▽LINEヤフー株式会社のAIタックル室とは?設立背景と課題は?
LINEヤフー株式会社ショッピング統括部内には、「AIタックル室」というチームがあります。これは、約1年前にAIが急速に注目を集め始めたタイミングで、社内でも「AIを活用しなければ」という気運が高まったことをきっかけに設立されました。
チーム名の「タックル室」には、“課題に真正面から取り組む”という意味が込められています。2025年3月には、Yahoo!ショッピングにAI機能が追加されました。当初は「生成AIでページを作る」といったアイデアが出ましたが、ユーザーは“生成AIそのもの”を求めているわけではないという指摘を受け、単なる技術導入ではなく、実際の課題解決に基づいてAIを活用すべきと方向転換し、まずは社内外の課題を丁寧に探るところから始まりました。 最初に着目したのは「LPを作りたいが、作れる人がいない」という課題です。これは社内でも強く認識していたニーズであり、生成AIの得意分野とも重なります。そこで、LPをAIで自動生成する仕組みを開発しました。 次に着目したのは、「ユーザーが買い物に疲れている」という点です。レビューや情報が多すぎて選ぶのが大変な一方、自分で選びたいというニーズも根強くありました。こうした矛盾を解消するために、AIによるレビュー要約機能を導入しました。たとえば、ある洋服のレビューに「すぐにシワになる」と書かれていた場合、それをヒントに「シワになりにくい類似商品」をAIが提示してくれるような仕組みです。レビューの要約を通じて、ユーザーが気になるポイントに応じた商品が見つけやすくなりました。このレビュー要約機能は実際に効果を発揮しており、ユーザーの約50%が一度はこの情報を閲覧しています。AIが「文脈」を提供することで、「どの商品が自分にとってベストか」を納得感を持って判断できるようになったことが大きな成果です。
▽ECサイトにおけるわかりにくさを解決した方法とは?
ヘビーユーザーは、ポイント還元を最大化する方法を“ゲーム感覚”で楽しんでいますが、ライトユーザーや初回利用者にとっては、非常に分かりにくい仕組みでした。
そこで「今が買い時か」「なぜポイントが付くのか」といった情報をAIが解説・提案する役割を担うようにしました。ユーザーには2つのタイプがあり、最大還元を狙う層と「失敗したくない層」がいます。この後者の層に向けて、「今日は5倍だけど、明日はより高還元になる可能性があります」といった提案をAIが行うことで、ユーザーは納得した上で購入のタイミングを選べるようになりました。
▽AI導入のリスクへの考え方と導入後の手応えは?
AIを導入する上では、「特定の日に購入が集中してしまうのでは」といった懸念も社内で挙がりました。しかし、上司の「問題が起きるほど使ってもらえるなら、それは影響力のある成功施策だ」という後押しにより、チャレンジに踏み切ることができました。
今のところ、まだすべてのユーザーに広く認知されているわけではありませんが、XなどのSNSでの検索結果を見ると、一定の活用がされていることを実感しています。
実際の成果としては、お得な日の売上が111%に伸長するなど、数値面でも手応えがあります。プロジェクトを進める中で得た大きな気づきは、機能を突き詰めていくと、AIではなくロジックでも実現できてしまう部分が多いということです。
そこで、ロジックのみのアプローチと、生成AIによる“解説付き”のアプローチで比較テストを実施しました。結果、生成AIによる解説を加えた方がユーザーの反応が良かったのです。単に情報を出すのではなく、“なぜそうなのか”を丁寧に伝えることで、ユーザーに納得感を持ってもらえるということが、大きな学びとなりました。
※紹介しているYahoo!ショッピングの機能は、予告なく機能提供の停止や仕様の変更を行う場合があります。
▼レビュー内容を軸に生成AIが類似商品をレコメンドする機能
https://www.lycorp.co.jp/ja/news/release/016588/
▼おトクな購入日を提案する機能
https://www.lycorp.co.jp/ja/news/release/016976/
0:00 ダイジェスト
0:25 LINEヤフー株式会社のAIタックル室とは?設立背景と課題は?
6:31 ECサイトにおけるわかりにくさを解決した方法とは?
19:06 AI導入のリスクへの考え方と導入後の手応えは?
21:16 EC運営代行サヴァリ株式会社のご案内
~第307回 ゲスト~
LINEヤフー株式会社
ショッピング統括本部 プロダクション1本部 本部長、生成AIタックル室 室長
市丸 数明(いちまる かずあき) 氏
2014年にヤフー株式会社(現:LINEヤフー株式会社)へ入社。入社当初からYahoo!ショッピングに携わり、レビューの強化などを担当。インセンティブやCRMを中心とした顧客育成のプロダクト企画・開発に携わりながら、2024年4月より同事業部内に「AIタックル室」を立ち上げ室長に就任。Yahoo!ショッピングにおける生成AI機能の技術責任者として企画・活用推進をリードしている。
https://savari.jp/columns/ecidentify/category/episode307/
▼コメントお待ちしています!高評価も次の動画制作の励みになります!!
─[ お問合せ ]──────
出演者へのご質問、お仕事のご依頼はこちらから
サヴァリ株式会社
03-6825-5538
https://savari.jp/contact/
──────────
生成AIを活用したYahoo!ショッピングの課題解決について伺いました。レビュー要約やLP自動生成、買い時の提案など、ユーザーの「選びづらさ」や「分かりにくさ」にAIでアプローチ。単なる技術導入ではなく、納得感を重視した運用が成果を上げています。
入社当初からYahoo!ショッピングに携わり、レビュー強化やCRM施策を担当。2024年4月に「AIタックル室」室長に就任し、生成AI機能の技術責任者として企画・活用を推進中。
市丸氏に『AIとEコマース』についてお話をお伺いしました!
▽LINEヤフー株式会社のAIタックル室とは?設立背景と課題は?
LINEヤフー株式会社ショッピング統括部内には、「AIタックル室」というチームがあります。これは、約1年前にAIが急速に注目を集め始めたタイミングで、社内でも「AIを活用しなければ」という気運が高まったことをきっかけに設立されました。
チーム名の「タックル室」には、“課題に真正面から取り組む”という意味が込められています。2025年3月には、Yahoo!ショッピングにAI機能が追加されました。当初は「生成AIでページを作る」といったアイデアが出ましたが、ユーザーは“生成AIそのもの”を求めているわけではないという指摘を受け、単なる技術導入ではなく、実際の課題解決に基づいてAIを活用すべきと方向転換し、まずは社内外の課題を丁寧に探るところから始まりました。 最初に着目したのは「LPを作りたいが、作れる人がいない」という課題です。これは社内でも強く認識していたニーズであり、生成AIの得意分野とも重なります。そこで、LPをAIで自動生成する仕組みを開発しました。 次に着目したのは、「ユーザーが買い物に疲れている」という点です。レビューや情報が多すぎて選ぶのが大変な一方、自分で選びたいというニーズも根強くありました。こうした矛盾を解消するために、AIによるレビュー要約機能を導入しました。たとえば、ある洋服のレビューに「すぐにシワになる」と書かれていた場合、それをヒントに「シワになりにくい類似商品」をAIが提示してくれるような仕組みです。レビューの要約を通じて、ユーザーが気になるポイントに応じた商品が見つけやすくなりました。このレビュー要約機能は実際に効果を発揮しており、ユーザーの約50%が一度はこの情報を閲覧しています。AIが「文脈」を提供することで、「どの商品が自分にとってベストか」を納得感を持って判断できるようになったことが大きな成果です。
▽ECサイトにおけるわかりにくさを解決した方法とは?
ヘビーユーザーは、ポイント還元を最大化する方法を“ゲーム感覚”で楽しんでいますが、ライトユーザーや初回利用者にとっては、非常に分かりにくい仕組みでした。
そこで「今が買い時か」「なぜポイントが付くのか」といった情報をAIが解説・提案する役割を担うようにしました。ユーザーには2つのタイプがあり、最大還元を狙う層と「失敗したくない層」がいます。この後者の層に向けて、「今日は5倍だけど、明日はより高還元になる可能性があります」といった提案をAIが行うことで、ユーザーは納得した上で購入のタイミングを選べるようになりました。
▽AI導入のリスクへの考え方と導入後の手応えは?
AIを導入する上では、「特定の日に購入が集中してしまうのでは」といった懸念も社内で挙がりました。しかし、上司の「問題が起きるほど使ってもらえるなら、それは影響力のある成功施策だ」という後押しにより、チャレンジに踏み切ることができました。
今のところ、まだすべてのユーザーに広く認知されているわけではありませんが、XなどのSNSでの検索結果を見ると、一定の活用がされていることを実感しています。
実際の成果としては、お得な日の売上が111%に伸長するなど、数値面でも手応えがあります。プロジェクトを進める中で得た大きな気づきは、機能を突き詰めていくと、AIではなくロジックでも実現できてしまう部分が多いということです。
そこで、ロジックのみのアプローチと、生成AIによる“解説付き”のアプローチで比較テストを実施しました。結果、生成AIによる解説を加えた方がユーザーの反応が良かったのです。単に情報を出すのではなく、“なぜそうなのか”を丁寧に伝えることで、ユーザーに納得感を持ってもらえるということが、大きな学びとなりました。
※紹介しているYahoo!ショッピングの機能は、予告なく機能提供の停止や仕様の変更を行う場合があります。
▼レビュー内容を軸に生成AIが類似商品をレコメンドする機能
https://www.lycorp.co.jp/ja/news/release/016588/
▼おトクな購入日を提案する機能
https://www.lycorp.co.jp/ja/news/release/016976/
0:00 ダイジェスト
0:25 LINEヤフー株式会社のAIタックル室とは?設立背景と課題は?
6:31 ECサイトにおけるわかりにくさを解決した方法とは?
19:06 AI導入のリスクへの考え方と導入後の手応えは?
21:16 EC運営代行サヴァリ株式会社のご案内
~第307回 ゲスト~
LINEヤフー株式会社
ショッピング統括本部 プロダクション1本部 本部長、生成AIタックル室 室長
市丸 数明(いちまる かずあき) 氏
2014年にヤフー株式会社(現:LINEヤフー株式会社)へ入社。入社当初からYahoo!ショッピングに携わり、レビューの強化などを担当。インセンティブやCRMを中心とした顧客育成のプロダクト企画・開発に携わりながら、2024年4月より同事業部内に「AIタックル室」を立ち上げ室長に就任。Yahoo!ショッピングにおける生成AI機能の技術責任者として企画・活用推進をリードしている。
https://savari.jp/columns/ecidentify/category/episode307/
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03-6825-5538
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