ドキュメント クマから逃げのびた人々ダウンロードサンプル再生 3から10分程度無料で試聴できます。オーディオブック(音声ブック)を聴くには?| CD版内容紹介人間がまともに戦えばほぼ勝ち目のない動物、クマ。襲われた当事者の生の声を聞く、衝撃のノンフィクション。襲われたが命は助かった本人が自ら語る"現場"顔面損傷(群馬県/果樹園)片目失明(島根県/自家菜園)拳をかじられる(北海道/牧草地付近)テントごと引きずられ(長野県/キャンプ場)「撃ってくれ!」「弾ないんだわ!」「暗い道を歩いていると、どこからかまたクマに襲われるのではないかという恐怖心が湧いてくるようになってしまいました」「耳元にかかるシュッシュッシュというクマの息遣いは今も忘れられない」「真後ろからガバっとやられたんだ。声なんか聞こえなかったよ」はじめにクマはなぜ、人を襲ってしまうのか。日本国内の熊害死亡事故は、2025(令和7)年に限っても、約半年、7月中旬の段階で3件が発生している。春先まで冬眠するクマの生態を加味すると、活動期間はほぼ3カ月。平均すると1カ月に1件というハイペースだ。実際には、6月下旬〜7月上旬の3週間で3件が立て続けに起こっている。クマに遭ったらどうするか。遭わないためにはどうすればいいか。万一、襲いかかって来られたら、いざという時はどう対処すればいいのか。それらに対する模範的な回答は、確かにある。遭わないためには、クマに気づかせるために音を出す。遭ってしまったら、急な動きは避け、ゆっくり後ずさりする。襲われそうになったら、防御姿勢をとる……etc.確かに、これらは有効な手段であるし、覚えておいて損はない。ただ、相手となるクマは、人間より力が強く、鋭い爪や牙を持っている。動きも俊敏だ。つまり、人間が正面から戦って勝てる相手ではない。ということは、セオリー通りに対処しても、クマの攻撃力のほうが勝っている以上、重傷を負ったり命を失う可能性は常にある。なにより、そのような「自分より強い」相手に相対した際に、冷静に判断し行動できるだろうか、という心理的要素もある。さらに、先に見てきたように、クマの行動にはそれぞれの個体差もある。本来、臆病であるはずのクマが、時には人を積極的に襲ったとしか思えない事例が、実際に起こっている。では一体、どうすればいいのか──。本書では、クマに襲われたが命は助かった方々に、事細かに話を聞いている。特に、どのような場所で、どんなシチュエーションで襲われ、どう行動したのか。そしてどんなケガや後遺症を負ったか、ということを重点的に伺っている。加えて、その時々の心理状態も語ってもらった。あくまで当事者本人の証言に基づくため、時間とともに記憶に歪みが生じていたり、個人的な見解が含まれていたりもしているだろう。それでも、極限状態を生きのびた当事者の生の声に、学ぶべきことは多いはずだ。なお、本文中には、かなりショッキングなケガの写真も掲載している。あくまで、クマの被害を精確に伝えるためのもので、決して怖がらせる意図はないが、苦手な方もいると思う。そういった写真を掲載している記事は冒頭のトビラページに注意書きを記してあるので、参考にして頂ければと思う。