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ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
今回は「問い合わせフォームからの営業」がテーマです。特に、Webフリーランスや個人でお仕事をしている方が、企業サイトの問い合わせフォームから営業を送るやり方について、受け手側とフリーランス側の両方の立場から話していきます。
同時に、こうしたフォーム営業がなぜうまくいきにくいのか、その代わりにどんなアプローチならお互いにとって意味があるのか。そして、それを通してどうやって信頼を積み重ねていくのかという話にも触れていきます。
まず、企業サイトの問い合わせフォームから
といった営業メッセージを送っている方は、ほとんどの場合、それは読まれずに捨てられていると思っておいた方がいいです。
これは極端な言い方ではなく、現場の感覚として本当に近いです。問い合わせフォームに来たメールを開いて、営業だと分かった瞬間に削除。システムを入れている会社であれば、最初から営業っぽいものは自動で「×」扱いにしていることもあります。
さらによくないケースでは、
などでブラックリストに入れられてしまうこともあります。一度そうなると、その会社にはもう届いていても読まれない、という状態が続きます。
正直なところ、「フォーム営業から仕事を取れている人、どれだけいるのだろう」と感じています。
どこかに「こうすれば仕事が取れる」という手引きや塾のようなものがあるのか、ある時期から文章の書き方が似たメールが増えたりするので、背後に何かあるのだろうなと想像はしていますが、いずれにしても成果はかなり限られているはずです。
フォーム営業が厳しいもう一つの理由は、最初から立場がかなり下になってしまうことです。
例えば、
といった条件を最初から並べると、「対等なパートナー」ではなく「何でも言うことを聞く下請け」に見えやすくなります。
仕事をきちんとした単価で、きちんとした条件で進めるには、最低限、発注側と受託側が同じ目線に立っていることが必要です。ところが、フォーム営業は入口の段階でそのバランスを崩してしまいやすいのです。
しかも、もしそこで運良く仕事が取れたとしても、
という状況になりがちです。長期的な関係にはつながりにくく、「取れたから安心」という状態とは程遠いのが実情です。
経営者や担当者の中には、フォーム営業を見ただけで、
「このやり方しかできないということは、マーケティングやビジネスのレベルもそれなりなのだろう」
と感じてしまう人もいます。私自身も、問い合わせフォームから届く一斉営業メールについては、経験上、そう感じるケースが多いです。
仕事はほとんど取れず、なんとなく悪い印象だけが残る。フォーム営業を続けることは、そうなりやすいという意味で、あまりおすすめできない方法だと思っています。
ここまで読むと、「じゃあフリーランスや個人は必要とされていないのか」と感じるかもしれません。でも、それは違います。現場にいると分かりますが、企業側には明らかにフリーランスへの需要があります。
多くの会社が、
と感じています。私自身、コンサルティングの現場で「ここにフットワークの軽い人が一人いてくれたら、担当者さんはもっと本業に集中できるのに」と思うことが本当に多いです。
ただし、人を一人雇うとなると、
など、負担は小さくありません。そこで「外部のフリーランスにお願いできたら助かる」という本音は、かなりの会社が持っています。
しかし、フォーム営業から届くメッセージは、その「本当に欲しい人材像」とかみ合っていないのです。需要がないのではなく、需要に対してアプローチが合っていない、という状態です。
では、どういうアプローチなら意味があるのか。一つのヒントとして、SEOの「バックリンク(被リンク)獲得」の考え方があります。
SEOの世界では、他サイトから自分のサイトへ貼られるリンク(バックリンク・被リンク)を「価値のある紹介」として見ます。昔からある手法の一つに、
というやり方があります。相手にとってもメリットがあるので、単なる「ください、ください」ではなく「役に立つ提案」になるわけです。
この考え方は、そのまま企業への営業にも応用できます。
例えば、企業のWebサイトを見ていると、
といったことは、少なくありません。
そういう部分をきちんと見つけて、整理して、それをもとに
というように、ビジネス目線に翻訳して伝える。そのうえで、
という形で提案する。こうしたアプローチの方が、フォーム営業を大量に送るよりも、よほど可能性があります。
ポイントは、
ということです。
最近のフォーム営業でよくあるのが、
というパターンです。送った側は「親切な設計」のつもりかもしれませんが、受け取る側は、
「この人、あまり仕事がないのかな」
と見てしまうことが多いです。
それよりも、先ほどのように「相手のことをきちんと見ている」と伝わる具体的な提案を持ってきてくれた方が、よほど信頼につながります。
ここからは、少し私自身の話も交えます。
私も最初はフリーランスとして独立しました。その中で、
など、いろいろ試しました。その経験から振り返ると、一番仕事につながったのは「プレゼンの場」をつくってもらったケースです。
例えば、営業さんとタッグを組んで、
といったやり方です。電話やメールで「何か仕事ありませんか」と聞いても、ほとんどスルーされますが、きちんと場を用意してもらい、顔を合わせて話せると、成約率は一気に変わります。
また、そこでうまくいくと「パートナー」として継続的にお付き合いする会社も増えていきました。
逆に言えば、こういうことができる状態になってから独立した方が安全だとも感じています。デジタルだから、Webだからといって、仕事の取り方が急に楽になるわけではありません。少なくともマーケティングやWebコンサルの世界では、
が必要です。そこが整う前に独立してしまうと、どうしても厳しい状態になりやすいです。
ある程度しっかりした会社の中には、
といった方針を掲げているところもあります。
これは、すでに仕事も実績も十分にあり、それでも仕事が回ってくる会社だからこそ取れるスタンスです。
一方で、
という段階であれば、少し考え方を変えた方がいい場合があります。
相見積もりや無償提案に対して、
「自分の提案を見てもらう機会を得るために、広告費を払っている」
という感覚で臨む、という考え方です。
もちろん、すべてを無償でやる必要はありません。ただ、最初のうちは「自分がこういう価値を出せる」ということを見せる機会を、意識的に増やすことがとても大事です。
その際も、フォームからの一斉メールではなく、
という形にした方が、長い目で見て成果につながりやすくなります。
フリーランスや個人事業主としてやっていくとき、多くの方がつまずくポイントとして、
「とにかく今すぐ現金が欲しい」「今月の売上をなんとかしないと」
という感覚に引っ張られてしまう、というものがあります。気持ちはよく分かりますが、その状態のまま営業してしまうと、
という状態になりやすいです。いわゆる、IT業界でありがちな過重労働に近い働き方になってしまいます。
そうならないために重要なのは、「修行」というより「評価の積み上げ」に時間を使うという発想です。
この繰り返しで、信頼が少しずつ蓄積されていきます。そして、その信頼そのものが、後からお金に変わっていくイメージです。
お金を払ってでも、「あの人はちゃんと仕事をしてくれる」という評価を手に入れる。そのくらいの気持ちで動いていくと、ある時点から急に、
が増えてきます。そこまで行くと、フォーム営業のようなやり方は、ほとんど必要なくなります。
どこで評価を積み上げていくのか、という軸も大切です。
世の中には、本当にたくさんの業界があります。同じ業界の中でも、
によって、事情はまったく違います。すべてを一気に相手にする必要はありません。
私が言える立場かどうか少し迷うところもありますが、特定の業界にある程度絞るのは、一つのやり方として十分ありだと思います。その中で、
という形で、少しずつ立ち位置を作っていくイメージです。
その先で、ずっとWeb制作者やデザイナー、マーケターとしてやっていくのか、それとも別の役割に広げていくのかは、そのときに考えればいいと思います。大事なのは、入口の段階で信頼を積み重ねるための土台を作ることです。
企業側の立場から見ると、「誰かいないかな」と思ったときに、一番安心できるのは、フォーム経由で知らない人から連絡が来ることではありません。
実際によくあるのは、
という流れです。この方が、企業側としても心理的なハードルが低いですし、フリーランス側も、最初からある程度の信頼を持った状態で関係を始められます。
こうした「人づて」の流れを作るためにも、フォーム営業ではなく、目の前の現場で丁寧に結果を出していくことが大切です。
ここで少し、別の角度の話もしておきます。
この業界には、
の両方を、あまり良くない形で巻き込んでしまうサービスや仕組みも存在します。
具体的な名前を挙げることはしませんが、
などの中には、結果として、フリーランス側も依頼する側も、あまり報われていないと感じるケースもあります。
私は、そうしたところに頼らなくても、自分の評価や信頼を積み上げていくことで仕事を得ていく道を、できるだけ選んでほしいと思っています。その方が、長い目で見て、お互いに健全な関係を作りやすいからです。
最後に、少し個人的な話をします。
私がこの業界に入ったのは、まだ大学に通っている頃でした。授業にきちんと出ていたかというと、正直そうでもなくて、
という、かなり不安定なスタートでした。途中で心身ともにきつくなって、しんどい時期も経験しました。
今は2024年時点で、そこからもう二十年以上が経っています。当時生まれたばかりだった子どもが、今では二十歳を超えています。自分でも「ずいぶん時間が経ったな」と感じます。
私がこの業界に入った頃は、Perlが全盛期でした。オライリーの本を買ってきて、付箋をびっしり貼りながら読み込み、書いては試す、ということを繰り返していました。
そんなスタートでしたが、今振り返ると、地道に積み重ねてきた評価や信頼が、今の自分を支えてくれていると感じます。
ここまで少し厳しいことも書いてきましたが、最後にもう一度はっきりお伝えしたいのは、
細かい仕事をお願いしたいという需要は、今もかなりあるということです。
ただ、
といった経験をした結果、
「この人なら安心してお願いできる」と思える相手が見つからずに困っている会社も多い、というのが現場の実感です。
ポートフォリオの内容や、コミュニケーションの取り方ひとつで、企業側の印象は大きく変わります。今回お話しした内容は、あくまで一つの視点ですが、
という考え方は、今の時代でも十分に通用すると思っています。
最後に、企業側・事業会社の方への視点も少し。
日々、いろいろなところからオファーや営業メールが届いていると思います。読んでみて、
「なんとなく信用できない」
と感じるものについては、無理に付き合う必要はありません。そう感じる直感は、現場にいる方ほど当たっていることが多いです。
それよりも、
といった探し方の方が、結果として良い関係になりやすいと思います。
こうした流れが広がっていくと、フリーランス側にとっても、事業会社側にとっても、より健全な形でスタートを切れるようになります。初心者や駆け出しの人が、不必要に消耗させられてしまう状況も減らせるはずです。
この業界は、まだまだ新しい人がうまく定着しにくい側面もあります。その一方で、魅力のある仕事でもあります。だからこそ、
という考え方を、大事にしてほしいと思っています。
私は、体力的にも会社の規模的にも、誰かを社内に抱えて育てるような形は今は取れていません。ただ、「どう動いたらいいのか分からない」と悩んでいる方がいれば、可能な範囲でメールなどでお返事をすることもあります。
大学に通いながら独学でWebの仕事を始めて、途中でしんどくなりながらも、気がつけば二十年以上やってきました。そんな経験でも、何かの参考になる部分があればうれしく思います。
まだまだ、Webやデジタルの仕事の需要は確かにあります。フォーム営業のような近道に見える道ではなく、信頼を積み重ねていく道を選んでくれる方が増えれば、この業界全体にとっても良い流れになると信じています。
こちらのフォームへどうぞ。 https://forms.gle/Lvy4nVauyJ2SRhJM7
株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
代表取締役・コンサルタント 中山陽平
Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/
投稿 第529回:その問合せフォーム営業、逆効果かも?信頼を積み重ねるWebフリーランスの仕事術 は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
By ラウンドナップ・Webコンサルティング 代表 中山陽平ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
今回は「問い合わせフォームからの営業」がテーマです。特に、Webフリーランスや個人でお仕事をしている方が、企業サイトの問い合わせフォームから営業を送るやり方について、受け手側とフリーランス側の両方の立場から話していきます。
同時に、こうしたフォーム営業がなぜうまくいきにくいのか、その代わりにどんなアプローチならお互いにとって意味があるのか。そして、それを通してどうやって信頼を積み重ねていくのかという話にも触れていきます。
まず、企業サイトの問い合わせフォームから
といった営業メッセージを送っている方は、ほとんどの場合、それは読まれずに捨てられていると思っておいた方がいいです。
これは極端な言い方ではなく、現場の感覚として本当に近いです。問い合わせフォームに来たメールを開いて、営業だと分かった瞬間に削除。システムを入れている会社であれば、最初から営業っぽいものは自動で「×」扱いにしていることもあります。
さらによくないケースでは、
などでブラックリストに入れられてしまうこともあります。一度そうなると、その会社にはもう届いていても読まれない、という状態が続きます。
正直なところ、「フォーム営業から仕事を取れている人、どれだけいるのだろう」と感じています。
どこかに「こうすれば仕事が取れる」という手引きや塾のようなものがあるのか、ある時期から文章の書き方が似たメールが増えたりするので、背後に何かあるのだろうなと想像はしていますが、いずれにしても成果はかなり限られているはずです。
フォーム営業が厳しいもう一つの理由は、最初から立場がかなり下になってしまうことです。
例えば、
といった条件を最初から並べると、「対等なパートナー」ではなく「何でも言うことを聞く下請け」に見えやすくなります。
仕事をきちんとした単価で、きちんとした条件で進めるには、最低限、発注側と受託側が同じ目線に立っていることが必要です。ところが、フォーム営業は入口の段階でそのバランスを崩してしまいやすいのです。
しかも、もしそこで運良く仕事が取れたとしても、
という状況になりがちです。長期的な関係にはつながりにくく、「取れたから安心」という状態とは程遠いのが実情です。
経営者や担当者の中には、フォーム営業を見ただけで、
「このやり方しかできないということは、マーケティングやビジネスのレベルもそれなりなのだろう」
と感じてしまう人もいます。私自身も、問い合わせフォームから届く一斉営業メールについては、経験上、そう感じるケースが多いです。
仕事はほとんど取れず、なんとなく悪い印象だけが残る。フォーム営業を続けることは、そうなりやすいという意味で、あまりおすすめできない方法だと思っています。
ここまで読むと、「じゃあフリーランスや個人は必要とされていないのか」と感じるかもしれません。でも、それは違います。現場にいると分かりますが、企業側には明らかにフリーランスへの需要があります。
多くの会社が、
と感じています。私自身、コンサルティングの現場で「ここにフットワークの軽い人が一人いてくれたら、担当者さんはもっと本業に集中できるのに」と思うことが本当に多いです。
ただし、人を一人雇うとなると、
など、負担は小さくありません。そこで「外部のフリーランスにお願いできたら助かる」という本音は、かなりの会社が持っています。
しかし、フォーム営業から届くメッセージは、その「本当に欲しい人材像」とかみ合っていないのです。需要がないのではなく、需要に対してアプローチが合っていない、という状態です。
では、どういうアプローチなら意味があるのか。一つのヒントとして、SEOの「バックリンク(被リンク)獲得」の考え方があります。
SEOの世界では、他サイトから自分のサイトへ貼られるリンク(バックリンク・被リンク)を「価値のある紹介」として見ます。昔からある手法の一つに、
というやり方があります。相手にとってもメリットがあるので、単なる「ください、ください」ではなく「役に立つ提案」になるわけです。
この考え方は、そのまま企業への営業にも応用できます。
例えば、企業のWebサイトを見ていると、
といったことは、少なくありません。
そういう部分をきちんと見つけて、整理して、それをもとに
というように、ビジネス目線に翻訳して伝える。そのうえで、
という形で提案する。こうしたアプローチの方が、フォーム営業を大量に送るよりも、よほど可能性があります。
ポイントは、
ということです。
最近のフォーム営業でよくあるのが、
というパターンです。送った側は「親切な設計」のつもりかもしれませんが、受け取る側は、
「この人、あまり仕事がないのかな」
と見てしまうことが多いです。
それよりも、先ほどのように「相手のことをきちんと見ている」と伝わる具体的な提案を持ってきてくれた方が、よほど信頼につながります。
ここからは、少し私自身の話も交えます。
私も最初はフリーランスとして独立しました。その中で、
など、いろいろ試しました。その経験から振り返ると、一番仕事につながったのは「プレゼンの場」をつくってもらったケースです。
例えば、営業さんとタッグを組んで、
といったやり方です。電話やメールで「何か仕事ありませんか」と聞いても、ほとんどスルーされますが、きちんと場を用意してもらい、顔を合わせて話せると、成約率は一気に変わります。
また、そこでうまくいくと「パートナー」として継続的にお付き合いする会社も増えていきました。
逆に言えば、こういうことができる状態になってから独立した方が安全だとも感じています。デジタルだから、Webだからといって、仕事の取り方が急に楽になるわけではありません。少なくともマーケティングやWebコンサルの世界では、
が必要です。そこが整う前に独立してしまうと、どうしても厳しい状態になりやすいです。
ある程度しっかりした会社の中には、
といった方針を掲げているところもあります。
これは、すでに仕事も実績も十分にあり、それでも仕事が回ってくる会社だからこそ取れるスタンスです。
一方で、
という段階であれば、少し考え方を変えた方がいい場合があります。
相見積もりや無償提案に対して、
「自分の提案を見てもらう機会を得るために、広告費を払っている」
という感覚で臨む、という考え方です。
もちろん、すべてを無償でやる必要はありません。ただ、最初のうちは「自分がこういう価値を出せる」ということを見せる機会を、意識的に増やすことがとても大事です。
その際も、フォームからの一斉メールではなく、
という形にした方が、長い目で見て成果につながりやすくなります。
フリーランスや個人事業主としてやっていくとき、多くの方がつまずくポイントとして、
「とにかく今すぐ現金が欲しい」「今月の売上をなんとかしないと」
という感覚に引っ張られてしまう、というものがあります。気持ちはよく分かりますが、その状態のまま営業してしまうと、
という状態になりやすいです。いわゆる、IT業界でありがちな過重労働に近い働き方になってしまいます。
そうならないために重要なのは、「修行」というより「評価の積み上げ」に時間を使うという発想です。
この繰り返しで、信頼が少しずつ蓄積されていきます。そして、その信頼そのものが、後からお金に変わっていくイメージです。
お金を払ってでも、「あの人はちゃんと仕事をしてくれる」という評価を手に入れる。そのくらいの気持ちで動いていくと、ある時点から急に、
が増えてきます。そこまで行くと、フォーム営業のようなやり方は、ほとんど必要なくなります。
どこで評価を積み上げていくのか、という軸も大切です。
世の中には、本当にたくさんの業界があります。同じ業界の中でも、
によって、事情はまったく違います。すべてを一気に相手にする必要はありません。
私が言える立場かどうか少し迷うところもありますが、特定の業界にある程度絞るのは、一つのやり方として十分ありだと思います。その中で、
という形で、少しずつ立ち位置を作っていくイメージです。
その先で、ずっとWeb制作者やデザイナー、マーケターとしてやっていくのか、それとも別の役割に広げていくのかは、そのときに考えればいいと思います。大事なのは、入口の段階で信頼を積み重ねるための土台を作ることです。
企業側の立場から見ると、「誰かいないかな」と思ったときに、一番安心できるのは、フォーム経由で知らない人から連絡が来ることではありません。
実際によくあるのは、
という流れです。この方が、企業側としても心理的なハードルが低いですし、フリーランス側も、最初からある程度の信頼を持った状態で関係を始められます。
こうした「人づて」の流れを作るためにも、フォーム営業ではなく、目の前の現場で丁寧に結果を出していくことが大切です。
ここで少し、別の角度の話もしておきます。
この業界には、
の両方を、あまり良くない形で巻き込んでしまうサービスや仕組みも存在します。
具体的な名前を挙げることはしませんが、
などの中には、結果として、フリーランス側も依頼する側も、あまり報われていないと感じるケースもあります。
私は、そうしたところに頼らなくても、自分の評価や信頼を積み上げていくことで仕事を得ていく道を、できるだけ選んでほしいと思っています。その方が、長い目で見て、お互いに健全な関係を作りやすいからです。
最後に、少し個人的な話をします。
私がこの業界に入ったのは、まだ大学に通っている頃でした。授業にきちんと出ていたかというと、正直そうでもなくて、
という、かなり不安定なスタートでした。途中で心身ともにきつくなって、しんどい時期も経験しました。
今は2024年時点で、そこからもう二十年以上が経っています。当時生まれたばかりだった子どもが、今では二十歳を超えています。自分でも「ずいぶん時間が経ったな」と感じます。
私がこの業界に入った頃は、Perlが全盛期でした。オライリーの本を買ってきて、付箋をびっしり貼りながら読み込み、書いては試す、ということを繰り返していました。
そんなスタートでしたが、今振り返ると、地道に積み重ねてきた評価や信頼が、今の自分を支えてくれていると感じます。
ここまで少し厳しいことも書いてきましたが、最後にもう一度はっきりお伝えしたいのは、
細かい仕事をお願いしたいという需要は、今もかなりあるということです。
ただ、
といった経験をした結果、
「この人なら安心してお願いできる」と思える相手が見つからずに困っている会社も多い、というのが現場の実感です。
ポートフォリオの内容や、コミュニケーションの取り方ひとつで、企業側の印象は大きく変わります。今回お話しした内容は、あくまで一つの視点ですが、
という考え方は、今の時代でも十分に通用すると思っています。
最後に、企業側・事業会社の方への視点も少し。
日々、いろいろなところからオファーや営業メールが届いていると思います。読んでみて、
「なんとなく信用できない」
と感じるものについては、無理に付き合う必要はありません。そう感じる直感は、現場にいる方ほど当たっていることが多いです。
それよりも、
といった探し方の方が、結果として良い関係になりやすいと思います。
こうした流れが広がっていくと、フリーランス側にとっても、事業会社側にとっても、より健全な形でスタートを切れるようになります。初心者や駆け出しの人が、不必要に消耗させられてしまう状況も減らせるはずです。
この業界は、まだまだ新しい人がうまく定着しにくい側面もあります。その一方で、魅力のある仕事でもあります。だからこそ、
という考え方を、大事にしてほしいと思っています。
私は、体力的にも会社の規模的にも、誰かを社内に抱えて育てるような形は今は取れていません。ただ、「どう動いたらいいのか分からない」と悩んでいる方がいれば、可能な範囲でメールなどでお返事をすることもあります。
大学に通いながら独学でWebの仕事を始めて、途中でしんどくなりながらも、気がつけば二十年以上やってきました。そんな経験でも、何かの参考になる部分があればうれしく思います。
まだまだ、Webやデジタルの仕事の需要は確かにあります。フォーム営業のような近道に見える道ではなく、信頼を積み重ねていく道を選んでくれる方が増えれば、この業界全体にとっても良い流れになると信じています。
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株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
代表取締役・コンサルタント 中山陽平
Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/
投稿 第529回:その問合せフォーム営業、逆効果かも?信頼を積み重ねるWebフリーランスの仕事術 は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。

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