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ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
うちでは、社内研修や外部向けの研修で、日々いろいろなご質問をいただきます。全部にはその場で答えきれず、質問をずっとストックしてきたのですが、改めて分類してみたところ、大きく次の10項目に分かれることが分かりました。
それぞれの大項目に、5〜6個ずつの個別の質問がぶら下がっている状態です。以前「ウェブマーケティング一問一答」という形でまとめて扱ったこともありますが、今回は一つ一つの質問をもう少し丁寧に、個別のテーマとして取り上げていこうと思います。
今回はその中の「人材・スキル関連」の一つ目、つまり
デジタルマーケティング(Webマーケティング)の専門知識を持つ人材がどうしても不足している。採用しようとしても見つからないし、社内にもいない。どうしたらいいのか。
というお悩みについて、現場での経験も交えながらお話しします。
まず押さえておきたいのは、Webマーケティングも、基本的には「普通のマーケティング」「営業」と同じ世界だということです。チャネルに「Web」が入っただけで、やっていることの本質はそれほど特殊ではありません。
ところが、Web担当者やデジタルマーケティング人材に対して、こんなイメージを持っているケースがとても多いと感じます。
つまり、「何でもできるデジタルのスーパーマン」を無意識に求めてしまっているケースが多いのではないか、ということです。
これを、リアルの営業に置き換えてみてください。
例えば、こんな人を採ろうとしているイメージです。
こういう人を「普通に求人を出して採用しよう」と考えたら、どうでしょうか。多くの方は「そんな人、そもそもなかなか市場に出てこない」と感じるのではないでしょうか。
Webの世界もまったく同じです。「すごい人」は、そもそも転職市場にほとんど出てこないのです。
私の経験上、本当に優秀なWeb・マーケティング人材は、たいていこんな流れで動きます。
結果として、普通に求人を出して待っていても、「すごい人」が応募してくる確率はかなり低いのが現実です。
実際に転職市場に出てくるのは、例えばこんな方が多い印象です。
もちろん、こうした方々がダメという話ではありません。ただ、「何でも一人でできるスーパーマン」を想定していると、いつまで経っても採用がうまくいかないということです。
もう一つ、よくある思い込みとして、
という期待が無意識に乗っているケースがあります。
しかし実際には、Webもリアルも、「複数のチャネルの一つ」にすぎません。今はネット経由で情報を取る人もいれば、リアルでの接点を好む人もいる。その両方をどう組み合わせるかを考えるのがマーケティングです。
「Webだから特別な世界」「穴場が残っていて楽に成果が出る世界」という見方は、もう当てはまりません。むしろ、普通の営業・マーケティングと同じくらい、地味に積み上げていく世界だと考えてもらった方が現実に近いと思います。
ここまでを踏まえると、よくある悩みである
デジタルマーケティングの専門知識を持つ人材がいない。だから勝てない。
という問題の立て方には、少しズレがあります。
正しくは、
デジタルに限らず、何でもできるスーパーマンはそもそも取れない。
だから「すごい人がいなくても回る仕組み」を社内につくる必要がある。
という視点で考えた方が現実的です。
「良い人材がいないと勝てない会社」は、とても脆いです。良い人材ほどどこかに引き抜かれたり、独立したりする可能性が高くなります。
それよりも、
といった人たちを組み合わせて、「チームと仕組み」で成果を出す会社の方が、長期的には強くなります。
WebやITに理解のない会社、あるいは活用に対して後ろ向きな会社は、正直なところ、経験のある人ほど行きたがりません。
理由はシンプルです。
こういう環境では、スキルのある人ほど「やりがいはあるかもしれないが、消耗が大きい」と判断しやすくなります。
一方で、うまく回っている会社では、こんな動きもよく見かけます。
こうした状況は、会社として「Webやデジタルを活用する土台」を整えてきた結果として生まれます。
つまり、
という順番で考えることが、とても大事です。
では具体的に、社内でどこまでできるようになれば「一人立ちの第一ステージ」と言えるのか。
私は、一つの目安として「発注」と「検収」を自社でできる状態をお勧めしています。
ここでいう「発注」とは、単に「制作会社にお願いする」という意味ではありません。
この一連のプロセスを、自社の中で回せるようになることが「発注ができる」状態です。
もう一つの「検収」は、できあがった成果物が目的や要件どおりかをチェックし、受け取ることです。企業研修の「研修」ではなく、「検査して収める」の方です。
例えば、ホームページ制作であれば、こうしたことを判断できる状態です。
ここで大事なのは、HTMLを書ける必要はないし、システムの細かい仕様まで詳しくなる必要もないという点です。
Webの専門用語で会話できなくても構いません。むしろ、
といった、ビジネス側の視点で疑問や意見を出せることの方が重要です。専門家同士のやりとりは、翻訳してもらえばよいのです。
もちろん、最初から社内だけでここまでたどり着くのは、簡単ではありません。
新人を育てるときも、現場で仕事を教えるOJT(On the Job Training、実務を通じた教育)や、オンボーディング(受け入れ・立ち上げのプロセス)が必要になります。Web担当者を育てるのも同じで、教える側の人材が社内にいない場合は、外部の力を借りた方が効率が良いケースが多いです。
もちろん、
という文化を持つ会社もあります。その場合は、その文化を尊重した方がうまくいきます。
ただ、平均的な会社であれば、「発注」と「検収」ができるようになるまでの期間だけでも、外部パートナーと二人三脚で進めることを一度検討してみてほしいと思います。
ここで大事になるのが、外部パートナーの選び方です。
極端な例ですが、
は、社内にノウハウを蓄積したい場合には向いていません。
対して理想的なのは、例えば次のようなスタンスを持つ会社です。
実際、今も生き残っているWeb制作会社や代理店には、こういうスタンスの会社がかなり多いと感じています。もちろん例外はありますが、以前に比べると、明らかに「これはまずい」という会社は減ってきた印象です。
そういう会社と1年くらい、OJT的に二人三脚で動いてみると、社内の見え方はかなり変わります。
ここで気をつけたいのは、一人だけにWebノウハウを集中させないことです。
最初は中心メンバーが一人でも構いませんが、外部パートナーと一緒に進める中で、
といった形で、チームとしてノウハウを共有する仕組みを作っていくことが大事です。
そうして成果が出てくれば、
という良い循環が少しずつ回り始めます。
最近増えているのが、人材マッチング会社による「Web担当者の派遣・準委任」モデルです。
今のWeb・IT業界では、人材マッチングや中間マージンを取るビジネスモデルで利益を出している会社がかなり増えています。
もちろん、全てが悪いとは言いませんし、うまく使えている会社もあると思います。ただ、私自身の経験からすると、中小企業が「社内にノウハウを蓄積したい」という目的で使う場合、あまり相性が良くないケースが多いと感じています。
理由はいくつかあります。
私も過去に、そういった会社経由で人を入れてみたことがありますが、正直に言うと、うまくいきませんでした。品質やコミュニケーションの面でお客さんに迷惑をかけてしまい、「これは続けられない」と判断したことがあります。
全部の会社がそうだとは思いませんし、良いサービスを提供しているところもあるはずです。ただ、売上や利益の源泉にあたる部分を、まるごと外部に預けるモデルを取るときには、慎重に考えた方が良いと思います。
ここまで読むと、
と感じる方もいるかもしれません。
ただ、ここには大きなチャンスがあります。
私の体感としては、セミナーや研修に参加した会社のうち、その内容をもとに何かしら行動するのは、せいぜい「5%くらい」です。さらに、その取り組みを1年間続けている会社となると「1%前後」という印象です。
(あくまで私の現場での感覚であって、厳密な統計データというわけではありません。)
つまり、「やる」と決めて、3年・5年と続けていくだけで、多くの会社と差がついていくということです。
この話をすると、多くの会社はこう考えがちです。
その結果、ほとんどの会社はスタートラインに立たないまま時間だけが過ぎていくことになります。
一方で、「時間はかかるかもしれないが、今からやっていこう」と判断して動き出した会社は、その時点でかなり有利な位置にいます。少なくとも、私が関わってきた中小企業さんを見ていると、自分たちで頑張ろうと決めて動いた会社が、最終的には成果を出しているケースが圧倒的に多いです。
ここまでお話しすると、どうしても最後は、
「だから、うちのような会社をパートナーにしてください」という話ですね。
という流れになりますが、実際、私はそう思ってこのサービスをやっています。
私がチャットを中心としたオンラインのコンサルティングサービスを始めた当時、こういった形態はほとんどありませんでした。対面か電話かメール、というのが一般的で、
というスタイルは、正直なところ、ほぼ見当たらなかった記憶があります。いわば、うちがパイオニアのような状態でした。
それから10年以上経って、今では同じような形態のサービスを提供する会社も増え、オンラインでのコンサルティングはかなり一般的な選択肢になってきたと感じています。
うちのオンラインコンサルは、基本的に質問は無制限です。チャットでいただいたものには、できる限り全部お答えしています。
見ていると、伸びる会社ほど、
という傾向があります。
逆に、
というパターンでは、どうしても成果が出るまで時間がかかりがちです。
うちに限らず、同じようなスタイルの会社は他にもあると思いますので、外部パートナーを選ぶときは「一緒に考えてくれるか」「ノウハウを共有してくれるか」という視点を持ってもらえるといいのではないかと思います。
もちろん、これをもって「ぜひうちに来てください」と強く押し込むつもりはありません。ただ、もし二人三脚で社内にノウハウを蓄積していきたいと感じたときには、ラウンドナップWebコンサルティングの継続コンサルティングや診断サービスのページも、一度のぞいてみていただければうれしいです。
最後に、今回のポイントを整理します。
人材の争奪戦に参加するのではなく、「人材が来たくなる会社」になる。
そのために、外部パートナーと協力しながら社内にノウハウを蓄積していく。これが、中長期で見たときに、一番堅実で現実的なやり方だと考えています。
今回の内容が、社内のWeb担当者の育て方や、外部パートナーとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。
いきなり「何でもできるWebのスーパーマン」を探すのではなく、まずは社内で「発注」と「検収」ができる状態を目指すのがおすすめです。外部パートナーと二人三脚で進めながら、目的の整理や要件定義、成果物のチェックを社内で判断できるようにしていくと、少しずつ自走できる土台が整ってきます。
必ずしも「フルスペックの専門家」を一人採用する必要はありません。むしろ、ほどほどのスキルを持つメンバーや、吸収が早いメンバーを複数人集めて、外部の専門家と組み合わせて動く方が現実的な場合が多いです。社内では「お客さんの立場から見てどうか」を判断できれば十分で、専門的な部分は外部と協力しながら補っていくイメージです。
短期的に「とりあえず形を作る」だけなら丸投げでも動くことはありますが、社内にノウハウが残らないという大きなデメリットがあります。担当者が変わるたびにゼロからやり直しになりがちで、長期的には非効率になりやすいです。できれば丸投げではなく、「何をやっているのか」を理解しながら一緒に進めていく形を選んだ方が、最終的には安定した運用につながります。
ポイントは、一緒に考えてくれるかどうかと、こちらが自走できるようになることを歓迎してくれるかどうかです。「言われたものを作って終わり」ではなく、「本当にそれでいいのか」を一緒に検討してくれる会社や、ミーティングの中で考え方やチェックポイントを共有してくれる会社の方が、社内にノウハウを残しやすくなります。
まずは、外部パートナーと動くプロジェクトに複数人で関わることを意識してみてください。打ち合わせには関連部門の人も同席してもらい、議事録や資料は共通の場所に残し、成功事例や失敗事例を社内で振り返る場をつくります。こうしてチームで情報をシェアし続けることで、担当者が変わってもノウハウが残り、会社としての「Webの地力」が少しずつ高まっていきます。
こちらのフォームへどうぞ。
株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
代表取締役・コンサルタント 中山陽平
Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/
投稿 第534回:Web担当者が見つからない、外部パートナーと協力し社内にノウハウを蓄積する実践論 は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
By ラウンドナップ・Webコンサルティング 代表 中山陽平ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
うちでは、社内研修や外部向けの研修で、日々いろいろなご質問をいただきます。全部にはその場で答えきれず、質問をずっとストックしてきたのですが、改めて分類してみたところ、大きく次の10項目に分かれることが分かりました。
それぞれの大項目に、5〜6個ずつの個別の質問がぶら下がっている状態です。以前「ウェブマーケティング一問一答」という形でまとめて扱ったこともありますが、今回は一つ一つの質問をもう少し丁寧に、個別のテーマとして取り上げていこうと思います。
今回はその中の「人材・スキル関連」の一つ目、つまり
デジタルマーケティング(Webマーケティング)の専門知識を持つ人材がどうしても不足している。採用しようとしても見つからないし、社内にもいない。どうしたらいいのか。
というお悩みについて、現場での経験も交えながらお話しします。
まず押さえておきたいのは、Webマーケティングも、基本的には「普通のマーケティング」「営業」と同じ世界だということです。チャネルに「Web」が入っただけで、やっていることの本質はそれほど特殊ではありません。
ところが、Web担当者やデジタルマーケティング人材に対して、こんなイメージを持っているケースがとても多いと感じます。
つまり、「何でもできるデジタルのスーパーマン」を無意識に求めてしまっているケースが多いのではないか、ということです。
これを、リアルの営業に置き換えてみてください。
例えば、こんな人を採ろうとしているイメージです。
こういう人を「普通に求人を出して採用しよう」と考えたら、どうでしょうか。多くの方は「そんな人、そもそもなかなか市場に出てこない」と感じるのではないでしょうか。
Webの世界もまったく同じです。「すごい人」は、そもそも転職市場にほとんど出てこないのです。
私の経験上、本当に優秀なWeb・マーケティング人材は、たいていこんな流れで動きます。
結果として、普通に求人を出して待っていても、「すごい人」が応募してくる確率はかなり低いのが現実です。
実際に転職市場に出てくるのは、例えばこんな方が多い印象です。
もちろん、こうした方々がダメという話ではありません。ただ、「何でも一人でできるスーパーマン」を想定していると、いつまで経っても採用がうまくいかないということです。
もう一つ、よくある思い込みとして、
という期待が無意識に乗っているケースがあります。
しかし実際には、Webもリアルも、「複数のチャネルの一つ」にすぎません。今はネット経由で情報を取る人もいれば、リアルでの接点を好む人もいる。その両方をどう組み合わせるかを考えるのがマーケティングです。
「Webだから特別な世界」「穴場が残っていて楽に成果が出る世界」という見方は、もう当てはまりません。むしろ、普通の営業・マーケティングと同じくらい、地味に積み上げていく世界だと考えてもらった方が現実に近いと思います。
ここまでを踏まえると、よくある悩みである
デジタルマーケティングの専門知識を持つ人材がいない。だから勝てない。
という問題の立て方には、少しズレがあります。
正しくは、
デジタルに限らず、何でもできるスーパーマンはそもそも取れない。
だから「すごい人がいなくても回る仕組み」を社内につくる必要がある。
という視点で考えた方が現実的です。
「良い人材がいないと勝てない会社」は、とても脆いです。良い人材ほどどこかに引き抜かれたり、独立したりする可能性が高くなります。
それよりも、
といった人たちを組み合わせて、「チームと仕組み」で成果を出す会社の方が、長期的には強くなります。
WebやITに理解のない会社、あるいは活用に対して後ろ向きな会社は、正直なところ、経験のある人ほど行きたがりません。
理由はシンプルです。
こういう環境では、スキルのある人ほど「やりがいはあるかもしれないが、消耗が大きい」と判断しやすくなります。
一方で、うまく回っている会社では、こんな動きもよく見かけます。
こうした状況は、会社として「Webやデジタルを活用する土台」を整えてきた結果として生まれます。
つまり、
という順番で考えることが、とても大事です。
では具体的に、社内でどこまでできるようになれば「一人立ちの第一ステージ」と言えるのか。
私は、一つの目安として「発注」と「検収」を自社でできる状態をお勧めしています。
ここでいう「発注」とは、単に「制作会社にお願いする」という意味ではありません。
この一連のプロセスを、自社の中で回せるようになることが「発注ができる」状態です。
もう一つの「検収」は、できあがった成果物が目的や要件どおりかをチェックし、受け取ることです。企業研修の「研修」ではなく、「検査して収める」の方です。
例えば、ホームページ制作であれば、こうしたことを判断できる状態です。
ここで大事なのは、HTMLを書ける必要はないし、システムの細かい仕様まで詳しくなる必要もないという点です。
Webの専門用語で会話できなくても構いません。むしろ、
といった、ビジネス側の視点で疑問や意見を出せることの方が重要です。専門家同士のやりとりは、翻訳してもらえばよいのです。
もちろん、最初から社内だけでここまでたどり着くのは、簡単ではありません。
新人を育てるときも、現場で仕事を教えるOJT(On the Job Training、実務を通じた教育)や、オンボーディング(受け入れ・立ち上げのプロセス)が必要になります。Web担当者を育てるのも同じで、教える側の人材が社内にいない場合は、外部の力を借りた方が効率が良いケースが多いです。
もちろん、
という文化を持つ会社もあります。その場合は、その文化を尊重した方がうまくいきます。
ただ、平均的な会社であれば、「発注」と「検収」ができるようになるまでの期間だけでも、外部パートナーと二人三脚で進めることを一度検討してみてほしいと思います。
ここで大事になるのが、外部パートナーの選び方です。
極端な例ですが、
は、社内にノウハウを蓄積したい場合には向いていません。
対して理想的なのは、例えば次のようなスタンスを持つ会社です。
実際、今も生き残っているWeb制作会社や代理店には、こういうスタンスの会社がかなり多いと感じています。もちろん例外はありますが、以前に比べると、明らかに「これはまずい」という会社は減ってきた印象です。
そういう会社と1年くらい、OJT的に二人三脚で動いてみると、社内の見え方はかなり変わります。
ここで気をつけたいのは、一人だけにWebノウハウを集中させないことです。
最初は中心メンバーが一人でも構いませんが、外部パートナーと一緒に進める中で、
といった形で、チームとしてノウハウを共有する仕組みを作っていくことが大事です。
そうして成果が出てくれば、
という良い循環が少しずつ回り始めます。
最近増えているのが、人材マッチング会社による「Web担当者の派遣・準委任」モデルです。
今のWeb・IT業界では、人材マッチングや中間マージンを取るビジネスモデルで利益を出している会社がかなり増えています。
もちろん、全てが悪いとは言いませんし、うまく使えている会社もあると思います。ただ、私自身の経験からすると、中小企業が「社内にノウハウを蓄積したい」という目的で使う場合、あまり相性が良くないケースが多いと感じています。
理由はいくつかあります。
私も過去に、そういった会社経由で人を入れてみたことがありますが、正直に言うと、うまくいきませんでした。品質やコミュニケーションの面でお客さんに迷惑をかけてしまい、「これは続けられない」と判断したことがあります。
全部の会社がそうだとは思いませんし、良いサービスを提供しているところもあるはずです。ただ、売上や利益の源泉にあたる部分を、まるごと外部に預けるモデルを取るときには、慎重に考えた方が良いと思います。
ここまで読むと、
と感じる方もいるかもしれません。
ただ、ここには大きなチャンスがあります。
私の体感としては、セミナーや研修に参加した会社のうち、その内容をもとに何かしら行動するのは、せいぜい「5%くらい」です。さらに、その取り組みを1年間続けている会社となると「1%前後」という印象です。
(あくまで私の現場での感覚であって、厳密な統計データというわけではありません。)
つまり、「やる」と決めて、3年・5年と続けていくだけで、多くの会社と差がついていくということです。
この話をすると、多くの会社はこう考えがちです。
その結果、ほとんどの会社はスタートラインに立たないまま時間だけが過ぎていくことになります。
一方で、「時間はかかるかもしれないが、今からやっていこう」と判断して動き出した会社は、その時点でかなり有利な位置にいます。少なくとも、私が関わってきた中小企業さんを見ていると、自分たちで頑張ろうと決めて動いた会社が、最終的には成果を出しているケースが圧倒的に多いです。
ここまでお話しすると、どうしても最後は、
「だから、うちのような会社をパートナーにしてください」という話ですね。
という流れになりますが、実際、私はそう思ってこのサービスをやっています。
私がチャットを中心としたオンラインのコンサルティングサービスを始めた当時、こういった形態はほとんどありませんでした。対面か電話かメール、というのが一般的で、
というスタイルは、正直なところ、ほぼ見当たらなかった記憶があります。いわば、うちがパイオニアのような状態でした。
それから10年以上経って、今では同じような形態のサービスを提供する会社も増え、オンラインでのコンサルティングはかなり一般的な選択肢になってきたと感じています。
うちのオンラインコンサルは、基本的に質問は無制限です。チャットでいただいたものには、できる限り全部お答えしています。
見ていると、伸びる会社ほど、
という傾向があります。
逆に、
というパターンでは、どうしても成果が出るまで時間がかかりがちです。
うちに限らず、同じようなスタイルの会社は他にもあると思いますので、外部パートナーを選ぶときは「一緒に考えてくれるか」「ノウハウを共有してくれるか」という視点を持ってもらえるといいのではないかと思います。
もちろん、これをもって「ぜひうちに来てください」と強く押し込むつもりはありません。ただ、もし二人三脚で社内にノウハウを蓄積していきたいと感じたときには、ラウンドナップWebコンサルティングの継続コンサルティングや診断サービスのページも、一度のぞいてみていただければうれしいです。
最後に、今回のポイントを整理します。
人材の争奪戦に参加するのではなく、「人材が来たくなる会社」になる。
そのために、外部パートナーと協力しながら社内にノウハウを蓄積していく。これが、中長期で見たときに、一番堅実で現実的なやり方だと考えています。
今回の内容が、社内のWeb担当者の育て方や、外部パートナーとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。
いきなり「何でもできるWebのスーパーマン」を探すのではなく、まずは社内で「発注」と「検収」ができる状態を目指すのがおすすめです。外部パートナーと二人三脚で進めながら、目的の整理や要件定義、成果物のチェックを社内で判断できるようにしていくと、少しずつ自走できる土台が整ってきます。
必ずしも「フルスペックの専門家」を一人採用する必要はありません。むしろ、ほどほどのスキルを持つメンバーや、吸収が早いメンバーを複数人集めて、外部の専門家と組み合わせて動く方が現実的な場合が多いです。社内では「お客さんの立場から見てどうか」を判断できれば十分で、専門的な部分は外部と協力しながら補っていくイメージです。
短期的に「とりあえず形を作る」だけなら丸投げでも動くことはありますが、社内にノウハウが残らないという大きなデメリットがあります。担当者が変わるたびにゼロからやり直しになりがちで、長期的には非効率になりやすいです。できれば丸投げではなく、「何をやっているのか」を理解しながら一緒に進めていく形を選んだ方が、最終的には安定した運用につながります。
ポイントは、一緒に考えてくれるかどうかと、こちらが自走できるようになることを歓迎してくれるかどうかです。「言われたものを作って終わり」ではなく、「本当にそれでいいのか」を一緒に検討してくれる会社や、ミーティングの中で考え方やチェックポイントを共有してくれる会社の方が、社内にノウハウを残しやすくなります。
まずは、外部パートナーと動くプロジェクトに複数人で関わることを意識してみてください。打ち合わせには関連部門の人も同席してもらい、議事録や資料は共通の場所に残し、成功事例や失敗事例を社内で振り返る場をつくります。こうしてチームで情報をシェアし続けることで、担当者が変わってもノウハウが残り、会社としての「Webの地力」が少しずつ高まっていきます。
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株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
代表取締役・コンサルタント 中山陽平
Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/
投稿 第534回:Web担当者が見つからない、外部パートナーと協力し社内にノウハウを蓄積する実践論 は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。

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