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ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
年末年始は、多くの方が一年の振り返りや来年の目標設定をされる時期でしょう。会社としても、個人としても、この時期に未来を考えることは非常に重要です。しかし、その進め方には一つ、注意すべき点があります。これを意識するかどうかで、ご自身のスキルアップや成長に大きな影響を与える可能性があるのです。
今回は、特にこの時期に陥りがちな「リセット癖」という問題と、それを乗り越えて着実に成長していくための振り返りの方法についてお話しします。
大きな節目であるほど、私たちは「来年はどうするのか」という未来の計画に目を向けがちです。しかし、2025年に何をやるかを考える前に、まずは2024年の振り返りを徹底的に行うべきだと私は考えています。なぜなら、未来の計画を先に立て始めると、過去の振り返りが甘くなってしまう傾向があるからです。
この「振り返りが甘くなる」状態、いわば過去を一旦リセットして新しい目標を立ててしまう癖が、成長を阻む大きな壁となります。毎年同じような目標を立て、同じようなところでつまずいてしまう方は、この「リセット癖」が原因かもしれません。
未来は過去の積み重ねの上に成り立っています。具体的には、過去にできなかったこと、やろうと思っていたけれど達成できなかったことの連続です。計画が100%達成できたという方は、ほとんどいないでしょう。
うまくいかなかった原因の多くは、自分に足りていない何か、あるいは自分が意識できていなかった何かにあります。「こうなるだろうと予測はしていたけれど、その時には意識できなかった」という状況も、結局は「その時に頭の中になかった」のと同じことです。自分では気づいていないスイッチが入らないと、行動に移せないのです。
こうした無意識の領域にある原因は、改めて深く振り返らなければ見えてきません。「なぜこのタスクは計画通りに進まなかったのか」「なぜこのスケジュール感でやれると思ってしまったのか」と自問したとき、「タイミングが悪かった」「割り込みタスクが入った」といった外部環境のせいにしたり、「自分の統率力が足りなかった」のような抽象的な結論でまとめてしまったりしがちです。しかし、それでは根本的な解決にはならず、自分の成長の幅を狭めてしまいます。
では、どうすれば自分のできなかったことや不得意なこと、無意識に避けていることを見つけられるのでしょうか。効果的な方法を2つご紹介します。
自分自身で自分の課題を見つけるのは非常に困難です。そのため、可能であれば複数人で振り返りを行うことを強くお勧めします。他者からの視点を取り入れることで、自分では見えなかった部分が明らかになります。
これは心理学でいう「ジョハリの窓」における「自分は知らないが、他人は知っている自分」の領域を広げる行為に他なりません。もちろん、自分の弱みをさらけ出すことには抵抗があるかもしれません。特に上司・部下の関係では、評価への影響を懸念して本音を話しにくいこともあるでしょう。
だからこそ、評価とは関係のないフラットな立場で話し合える仲間、パートナーの存在が極めて重要になります。お互いに「あの人のここは素晴らしいけれど、ここは少しもったいないな」と感じている部分を、率直に指摘し合える関係性を築くことができれば、それは成長の大きな糧となります。そうした仲間がいないと、結局2025年も同じ壁にぶつかり、また別の理由をつけて根本的な解決を先延ばしにしてしまう可能性が高いのです。
どうしても信頼できる仲間が見つからない場合でも、一人で振り返りを深める方法はあります。私がお勧めするのは、自分の振り返りを録音することです。
自分の声を聞くのは気恥ずかしいかもしれませんが、非常に効果的です。具体的な手順は以下の通りです。
時間が経つことで、当時の自分を客観視しやすくなります。すると、「話していること自体が、根本的な原因ではないかもしれない」「そこはもっとこうすべきだったのでは」といった気づきが生まれやすくなるのです。
さらに、どうしても自分の声を聞きたくないという場合は、Whisperなどのツールで文字起こしをし、それを音声読み上げソフトに読ませてみるのも良い方法です。文章にしてしまうと、感情や「間」といった情報が失われ、都合の悪い部分を読み飛ばしがちになりますが、第三者の声として聞くことで、自分の思考の癖や無意識に避けているテーマが見えてくることがあります。
こうした方法で自分自身の課題や特性が見えてきたら、それを踏まえて次の目標を立てます。例えば、苦手なことについては少し達成しやすい目標を設定し、逆にクリアしたい得意なことについては少し挑戦的なストレッチ目標を設定する、といった具合です。
自分の特性を理解した上で目標を立てることで、達成率は着実に上がっていくはずです。成功体験を積み重ねることは自己肯定感を高め、自分に対する解像度をさらに上げてくれます。この好循環が生まれれば、振り返りの精度も向上し、日々の行動レベルで「自分の悪い癖が出たな」「この部分はまだ足りていないな」といったことに気づけるようになります。
振り返りを突き詰めていくと、自分の身体的・心理的な変化にも敏感になります。「こういうタスクに取り組むと、なぜか気が重くなる」といった感覚の裏には、過去の経験からくる無意識のバイアスが隠れているかもしれません。
もちろん、トラウマのような深いレベルに踏み込みそうになった場合は、専門家の助けを借りるべきです。しかし、そうでなくとも、長年の経験で積み重なった思考の癖や行動パターンを自覚し、それを心地よい範囲でうまく活用していくことは、仕事をより円滑に進める上で非常に有効です。
こうした自己理解は、自分に合った働き方を見つけるきっかけにもなります。例えば、フリーランスが向いているのか、組織の一員である方が良いのか。あるいは、なぜ自分はリモートワークを好み、他の人はオフィス勤務を好むのか。その理由を掘り下げていくと、自分の本質的な価値観が見えてくることがあります。それは、より良い生き方を見つけるための重要なヒントになるでしょう。
少し個人的な話をさせてください。私自身、昔は会話の中の「沈黙」が非常に怖かった時期があります。電話対応やプレゼンテーションの場で、相手が何も言わない状況になると、その沈黙を埋めようと自分のキャパシティ以上に喋りすぎてしまい、何を話しているのか分からなくなってしまうことがありました。
しかし、ある時、自分が逆の立場だったらどうだろう、と考えるようになりました。セミナーや電話で自分が黙ってしまうのは、相手の話を深く考えている時や、次に何を話そうか整理している時です。つまり、沈黙は必ずしもネガティブなものではなく、相手が思考しているサインである場合が多いのだと気づいたのです。
この気づきを得てから、沈黙に対する恐怖心はかなり薄れました。むしろ、相手に考えてもらうために、あえて戦略的に「間」を作ることもできるようになったのです。これはほんの一例ですが、このように自分の特性や思い込みに気づくだけで、仕事は驚くほど楽になります。
理想を言えば、振り返りは年に一度ではなく、3ヶ月や1ヶ月といった短いスパンで、あるいは可能なら1日に10分でも行うのが望ましいです。楽になれる回数が増えれば、それだけ仕事も人生も楽しくなるはずです。
もし、すでに2024年の振り返りを終えたという方も、ぜひもう一度、ご自身の「内面」に少し深く目を向けてみてください。そうすることで、2025年がより楽しく、充実したワーキングライフになるのではないかと思います。
最後までお聞きいただきまして、ありがとうございました。ラウンドナップWebコンサルティングの中山がお送りいたしました。
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株式会社ラウンドナップ(ラウンドナップWebコンサルティング)
代表取締役・コンサルタント 中山陽平
Webサイト:https://roundup-inc.co.jp/
投稿 第544回:なぜ毎年同じ壁にぶつかるのか。成長を阻む「リセット癖」を克服する方法 は 中小企業専門WEBマーケティング支援会社・ラウンドナップWebコンサルティング(Roundup Inc.) に最初に表示されました。
By ラウンドナップ・Webコンサルティング 代表 中山陽平ラウンドナップWebコンサルティングの中山陽平です。
年末年始は、多くの方が一年の振り返りや来年の目標設定をされる時期でしょう。会社としても、個人としても、この時期に未来を考えることは非常に重要です。しかし、その進め方には一つ、注意すべき点があります。これを意識するかどうかで、ご自身のスキルアップや成長に大きな影響を与える可能性があるのです。
今回は、特にこの時期に陥りがちな「リセット癖」という問題と、それを乗り越えて着実に成長していくための振り返りの方法についてお話しします。
大きな節目であるほど、私たちは「来年はどうするのか」という未来の計画に目を向けがちです。しかし、2025年に何をやるかを考える前に、まずは2024年の振り返りを徹底的に行うべきだと私は考えています。なぜなら、未来の計画を先に立て始めると、過去の振り返りが甘くなってしまう傾向があるからです。
この「振り返りが甘くなる」状態、いわば過去を一旦リセットして新しい目標を立ててしまう癖が、成長を阻む大きな壁となります。毎年同じような目標を立て、同じようなところでつまずいてしまう方は、この「リセット癖」が原因かもしれません。
未来は過去の積み重ねの上に成り立っています。具体的には、過去にできなかったこと、やろうと思っていたけれど達成できなかったことの連続です。計画が100%達成できたという方は、ほとんどいないでしょう。
うまくいかなかった原因の多くは、自分に足りていない何か、あるいは自分が意識できていなかった何かにあります。「こうなるだろうと予測はしていたけれど、その時には意識できなかった」という状況も、結局は「その時に頭の中になかった」のと同じことです。自分では気づいていないスイッチが入らないと、行動に移せないのです。
こうした無意識の領域にある原因は、改めて深く振り返らなければ見えてきません。「なぜこのタスクは計画通りに進まなかったのか」「なぜこのスケジュール感でやれると思ってしまったのか」と自問したとき、「タイミングが悪かった」「割り込みタスクが入った」といった外部環境のせいにしたり、「自分の統率力が足りなかった」のような抽象的な結論でまとめてしまったりしがちです。しかし、それでは根本的な解決にはならず、自分の成長の幅を狭めてしまいます。
では、どうすれば自分のできなかったことや不得意なこと、無意識に避けていることを見つけられるのでしょうか。効果的な方法を2つご紹介します。
自分自身で自分の課題を見つけるのは非常に困難です。そのため、可能であれば複数人で振り返りを行うことを強くお勧めします。他者からの視点を取り入れることで、自分では見えなかった部分が明らかになります。
これは心理学でいう「ジョハリの窓」における「自分は知らないが、他人は知っている自分」の領域を広げる行為に他なりません。もちろん、自分の弱みをさらけ出すことには抵抗があるかもしれません。特に上司・部下の関係では、評価への影響を懸念して本音を話しにくいこともあるでしょう。
だからこそ、評価とは関係のないフラットな立場で話し合える仲間、パートナーの存在が極めて重要になります。お互いに「あの人のここは素晴らしいけれど、ここは少しもったいないな」と感じている部分を、率直に指摘し合える関係性を築くことができれば、それは成長の大きな糧となります。そうした仲間がいないと、結局2025年も同じ壁にぶつかり、また別の理由をつけて根本的な解決を先延ばしにしてしまう可能性が高いのです。
どうしても信頼できる仲間が見つからない場合でも、一人で振り返りを深める方法はあります。私がお勧めするのは、自分の振り返りを録音することです。
自分の声を聞くのは気恥ずかしいかもしれませんが、非常に効果的です。具体的な手順は以下の通りです。
時間が経つことで、当時の自分を客観視しやすくなります。すると、「話していること自体が、根本的な原因ではないかもしれない」「そこはもっとこうすべきだったのでは」といった気づきが生まれやすくなるのです。
さらに、どうしても自分の声を聞きたくないという場合は、Whisperなどのツールで文字起こしをし、それを音声読み上げソフトに読ませてみるのも良い方法です。文章にしてしまうと、感情や「間」といった情報が失われ、都合の悪い部分を読み飛ばしがちになりますが、第三者の声として聞くことで、自分の思考の癖や無意識に避けているテーマが見えてくることがあります。
こうした方法で自分自身の課題や特性が見えてきたら、それを踏まえて次の目標を立てます。例えば、苦手なことについては少し達成しやすい目標を設定し、逆にクリアしたい得意なことについては少し挑戦的なストレッチ目標を設定する、といった具合です。
自分の特性を理解した上で目標を立てることで、達成率は着実に上がっていくはずです。成功体験を積み重ねることは自己肯定感を高め、自分に対する解像度をさらに上げてくれます。この好循環が生まれれば、振り返りの精度も向上し、日々の行動レベルで「自分の悪い癖が出たな」「この部分はまだ足りていないな」といったことに気づけるようになります。
振り返りを突き詰めていくと、自分の身体的・心理的な変化にも敏感になります。「こういうタスクに取り組むと、なぜか気が重くなる」といった感覚の裏には、過去の経験からくる無意識のバイアスが隠れているかもしれません。
もちろん、トラウマのような深いレベルに踏み込みそうになった場合は、専門家の助けを借りるべきです。しかし、そうでなくとも、長年の経験で積み重なった思考の癖や行動パターンを自覚し、それを心地よい範囲でうまく活用していくことは、仕事をより円滑に進める上で非常に有効です。
こうした自己理解は、自分に合った働き方を見つけるきっかけにもなります。例えば、フリーランスが向いているのか、組織の一員である方が良いのか。あるいは、なぜ自分はリモートワークを好み、他の人はオフィス勤務を好むのか。その理由を掘り下げていくと、自分の本質的な価値観が見えてくることがあります。それは、より良い生き方を見つけるための重要なヒントになるでしょう。
少し個人的な話をさせてください。私自身、昔は会話の中の「沈黙」が非常に怖かった時期があります。電話対応やプレゼンテーションの場で、相手が何も言わない状況になると、その沈黙を埋めようと自分のキャパシティ以上に喋りすぎてしまい、何を話しているのか分からなくなってしまうことがありました。
しかし、ある時、自分が逆の立場だったらどうだろう、と考えるようになりました。セミナーや電話で自分が黙ってしまうのは、相手の話を深く考えている時や、次に何を話そうか整理している時です。つまり、沈黙は必ずしもネガティブなものではなく、相手が思考しているサインである場合が多いのだと気づいたのです。
この気づきを得てから、沈黙に対する恐怖心はかなり薄れました。むしろ、相手に考えてもらうために、あえて戦略的に「間」を作ることもできるようになったのです。これはほんの一例ですが、このように自分の特性や思い込みに気づくだけで、仕事は驚くほど楽になります。
理想を言えば、振り返りは年に一度ではなく、3ヶ月や1ヶ月といった短いスパンで、あるいは可能なら1日に10分でも行うのが望ましいです。楽になれる回数が増えれば、それだけ仕事も人生も楽しくなるはずです。
もし、すでに2024年の振り返りを終えたという方も、ぜひもう一度、ご自身の「内面」に少し深く目を向けてみてください。そうすることで、2025年がより楽しく、充実したワーキングライフになるのではないかと思います。
最後までお聞きいただきまして、ありがとうございました。ラウンドナップWebコンサルティングの中山がお送りいたしました。
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代表取締役・コンサルタント 中山陽平
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