同じ糖質制限を試しても、調子が良くなる人と、逆にフラフラして体調を崩す人がいます。
今回は「なぜ同じ食事法でこんなに差が出るのか」を、前回までの“レシピ”のたとえで整理しました。
ケトン本田さんと佐藤べた子さん、という2人の架空の登場人物を例に、結果を左右する3つの層を見ていきます。
ひとつ目は生まれ持ったレシピ(遺伝子多型)、ふたつ目はそのレシピがどれだけ使われているか(エピジェネティクス)、みっつ目はそのときの体の状態(睡眠・ストレス・栄養)です。
そのうえで、「変えられない層」と「育てられる層」を分けて、自分の体質に合わせてどうカバーしていくかを話しています。糖をいきなりゼロにするのではなく、脂肪を使うレシピを“育ててから”量を調整する、という考え方です。
「DNAで全部決まるわけではない。でも、何でも自由に変えられるわけでもない」。そのあいだで、自分に合うやり方を整えていく感覚を持ち帰ってもらえたら嬉しいです。
【今回出てくる主な話】
- 同じ食事法で合う人・合わない人が出る理由
- 糖質制限を例にした体質の違い
- 結果を左右する3つの層(遺伝子多型/エピジェネティクス/そのときの状態)
- 糖が減ると体は脂肪をエネルギー源に切り替える話
- 「脂肪を使うレシピ」を育てるという考え方
- 糖を減らすときはタンパク質・脂質・食物繊維をそろえる
- 始める時期(睡眠・ストレスの状態)を選ぶ大切さ
- 変えられること・変えられないことの線引き
- 次回予告:遺伝子からできた「料理」の正体と血液検査の読み方
【ラボノート】
今回は全体像をつかむことを優先して、かなりシンプルに話しています。2点だけ補足します。
1. 糖を減らした分は「タンパク質・脂質・食物繊維」でそろえる、とお話ししましたが、エネルギー源そのものの代わりになるのは主に脂質(とタンパク質)です。食物繊維はエネルギー補給というより、血糖の安定・満腹感・腸内環境のサポートが役割です。3つを並べたのは「糖だけ抜いて他が空っぽにならないように」という意味合いでした。
2. 「脂肪を使うレシピがどれだけ使われているか」をエピジェネティクスの例として話しましたが、数日〜数週間で起こる代謝の慣れ(代謝柔軟性)には、酵素のはたらきやホルモン、ミトコンドリアの適応など、エピジェネティクス以外の要素も大きく関わります。ここは「使われ具合で変わる」というイメージをつかむための簡略化として聞いてください。
そのほか、年齢・栄養状態・睡眠・ストレス・運動・病気・薬・生活環境など、多くの要因が重なって最終的な結果につながります。
※この番組は、健康や栄養に関する一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療・処方を行うものではありません。サプリメントの使用や食事の変更、検査結果の解釈は、体質や持病、服薬状況によって異なります。気になる症状や不安がある場合は、医師などの医療専門職にご相談ください。
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