さまざまな分野で活躍されている「日本の力になる人」をマンスリーゲストにお迎えしていきます。
2月のマンスリーゲストは、日本文学研究者 ロバート キャンベルさん。
ニューヨーク市ご出身で、専門は江戸・明治時代の文学、特に江戸中期から明治の漢文学、芸術、思想などに関する研究を
行い、様々なメディアでその魅力を伝えてくださっています。
現在、早稲田大学特命教授で、 早稲田大学国際文学館 村上春樹ライブラリーの顧問。
今回は、2023年12月に出版された、紛争が続くウクライナで安全な地を求めて西へと移動する人々の声を
ウクライナの詩人オスタップ・スリヴィンスキーがゼロ地点で避難者の証言をもとに編んだ文芸ドキュメント
「戦争語彙集」、そして、2023年6月に訪れたウクライナ リヴィでの体験についてお話していただきました。
キャンベルさんが、初めてオスタップ・スリヴィンスキーさんがまとめられた英語訳を目にしたのは、およそ1年半前。
2~3つほど読んだ時に、その文章の向こう側に、まるでレースカーテンの越しに日本語になった景色が見えるくらいに、リアリティを感じたとお話されていました。
そこには、戦時下で、遠く離れてここにいない人たちの話や、置いてきた物の話、ふっと思い出したことなど、77の独白が綴られています。
本の後半には、キャンベルさんが、実際に訪れたウクライナでの街の様子も綴られていますが、その中でも、
街の軍事教会で見かけた白い日本の折り鶴に似た折り紙に込められた平和への願いの話など、ウクライナと日本のつながり、平和を願う人々の想いについてお話していただきました。