アボリジナル劇作家/演出家ウェスリー・イノックと、アボリジナル女優デボラ・メイルマンの共作「嘆きの七段階」を読んで、ウェスリー・イノックが演出し、デボラ・メイルマンが演じた当時の映像資料を見て、おしゃべり!
著作権の関係で戯曲の内容はお届けできませんが、私たちがいつも稽古場でやっているディカッションをそのままお届けします。
■出演
森田あや
松本みゆき
*「嘆きの七段階」
オーストラリア戯曲。
アボリジナルの劇作家/演出家ウェスリー・イノックと、アボリジナルの女優デボラ・メイルマンの共同製作作品。
先住民の歴史を7つの段階に分け、現代の若い女性が語り演じる一人芝居。
神話的時代から侵略の時代を経て、現代に至る七段階が多くの取材を元に描かれている。
1995年9月13日アボリジナル劇団クーエンバ・ジャダラによってブリスベンのメトロ・アーツ・センターで初演。1997年ロンドン国際演劇祭、1998年スイス国際演劇祭で上演され、2001年には英国出版社から出版された「現代オーストラリア戯曲集(Contemporary Australian Plays)」に収録され、90年代を代表する先住民演劇作品として評価を得た。
今日まで多くのアボリジナル女優によって演じ継がれている作品。
日本ではオセアニア出版社より「アボリジニ戯曲選(オーストラリア演劇叢書(5))」に収録され出版されている。
*ウェスリー・イノック
オーストラリアの演出家、劇作家。
1969年生まれ。クイーンズランド州・ストラドブローク島でアイルランド系の白人の母とアボリジナルの父の間に生まれる。
1994年より先住民劇団クーエンバ・ジャダラおよびイルビジェリの芸術監督。2000〜01年、シドニー・シアター・カンパニーの座付き演出家。2010〜15年、クイーンズランド・シアター・カンパニー芸術監督。2021年よりシドニー・フェスティバル(1977年より始まった隔月ごとに3週間開催されるシドニーの主要な芸術祭)のディレクターに就任。
1995年女優のデボラ・メイルマンと共同で製作した『嘆きの七段階』はアボリジナル戯曲を代表する作品の一つである。
演出家としては、古典作品にアボリジナル的なコンテクストを入れる試みや、『Sapphires』のようなアボリジニ女性を描いたミュージカル、『Stolen』(白人化政策を描いた作品)や『Black Diggers』(第一次世界大戦時に戦地に向かい塹壕を掘ったアボリジナル兵士の物語)といった今まであまり語られてこなかったオーストラリアの歴史を作品で伝え、評価を得ている。
『クッキーズ・テーブル』は日本で初演され、その後オーストラリアでも好評を博し、ホワイトパトリック賞を受賞した。
*デボラ・メイルマン
オーストラリアの女優。
1972年生まれ。ビジャラ部族の血を引くアボリジナル。
劇団クーエンバ・ジャダラでイノック演出の舞台に出演したのち、クィーンズランド・シアターカンパニーなどブリスベンの主要劇団で主役級の役をこなし、その後、シドニーシアターカンパニーやベル・シャークスピアカンパニーでも活躍するようになる。
1998年にルイス・ナウラの戯曲「レディアンス」の映画化作品に出演し、国内で最も権威のある映画賞AFI最優秀女優賞をアボリジナル女優として初めて受賞した。舞台、映画だけでなく、オーストラリアの白人人気俳優と肩を並べてテレビにも多く出演している。