Jennykaede

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Jennykaede episodes

  • 坂本真绫欧洲游记——From Every Where 2-4
    初めて訪れた国で、フランス語はひとつもわからなくて、目的地も曖昧で。そんな私が無事ホテルを探し当てることができたのは、途中本当にたくさんの地元の人たちに助けてもらったからだった。フランス人は英語を使わないとか観光客に冷たいとか、そんな噂を聞いたことがあったのにイメージと全然違うじゃないか。ほんのちょっと立ち止まって地図を見ているだけで通りすがりの人が次々と「道わかる?」と声をかけてくれる。メトロでは大荷物を持って立っている私に男の子が席を譲ってくれた。スリが多いと言われる扉付近の位置にオノボリサン丸出しで立っていたから、きっと心配してくれたのだろう。

    メトロの切符の買い方がわからなくて自動券売機の前で立ち尽くしていると、黒人の美人のお姉さんが「大丈夫?」「カルネでいい?」とフランス訛りのかわいらしい英語でレクチャーしてくれた。困ったなと思った3秒後にはもう自動的に救いの手が差し伸べられている。優しくされるたび緊張している心がちょっとずつ柔らかくなっていった。パリって思ってた以上にすごくあったかいところなんじゃないかしら!それにこの部屋も、とても狭いけど大きいな窓があるから好き。揺れる白いカーテンも、パン屋さんの匂いも。旅の滑り出しは好調、なんだか良い予感。

    3 min
  • 日本の昔话10——ネコがネズミを追いかける訳
    むかしむかし、人間も生まれていない、大むかしのある年の暮れの事です。
     神さまが、動物たちに言いました。
    「もうすぐ正月だ。元旦には、みんな私の所に来なさい。そして、先に来た者から十二番目までを、その年の大将としよう」
     ところが、うっかり者のネコは集まる日を忘れたので、友だちのネズミに聞きました。
     
    するとネズミは、
    「ああ、新年の二日だよ」と、わざとうそを教えました。

    さて、元旦になりました。
    ウシは足が遅いので、朝早くに家を出ました。

    ちゃっかり者のネズミは、こっそりウシの背中に乗って神さまの前に来ると、

     ピョンと飛び降りて一番最初に神さまの前に行きました。
     それでネズミが最初の年の大将になり、ウシが二番目になりました。

     その後、トラ・ウサギ・タツ・ヘビ・ウマ・ヒツジ・サル・ニワトリ・イヌ・イノシシの順になりました。

     ところがネコは、ネズミに教えられた通り二日に神さまの所へ行きました。

     すると神さまは、 「遅かったね。残念だけど、昨日決まったよ」と、言うではありませんか。くやしいのなんの。

    「ネズミめ、よくも騙したな!」

     怒ったネコは、それからずっと、ネズミを見ると追いかける様になりました。

    おしまい

    2 min
  • 坂本真绫欧洲游记——From Every Where 2-3

    ホテルの名前と空港からの行き方を出発前に調べてメモしてきていたんだけど、さあいざ行かんとその紙を取り出してみると、「RER、B線Chatelet-Les Halles駅、乗り換えメトロ7番Place Monge駅下車」

     これだけしか書いてない。我ながらまたずいぶんと簡潔にまとめましたね。第一、これ何て読むの?チャット、レ……?フランス語の知識ゼロ。パリ初心者にはヒントが少なすぎやしませんか。しかしガイドブックは持って来ていない。荷物を少しでも軽くしたいし、現地へ行ってしまえばなんとかなるだろうと思って。眠れないくらい小心者のくせになぜかこういうところは大ざっぱなのだ。

    とりあえずインフォメーションカウンターでパリ市内の地図とメトロ路線図をゲット。あとはこの唯一の手がかりの短いメモを頼りにひとつひとつクリアしていくほかない。ええと、確かRERっていうのは急行の電車でユーレイルパスで乗れたはずだけどどうだったかな……。駅員さんにたずねたいけれど窓口には長蛇の列。電車に遅れが出ているようで、イライラした大勢の客たちがターミナルに溢れ返っている。普段なら面倒になってタクシーに乗ってしまうところだけど、この旅の間は自分の足で歩き、なるべく電車で移動すると決めたのだ。最初から曲げるわけにはいかない。

    3 min
  • 日本の昔话9——かさじぞう
    むかしむかし、あるところに、貧乏(びんぼう)だけど心優しい、おじいさんとおばあさんがいました。

    ある年の大晦日(おおみそか)の事です。

    おじいさんとおばあさんは、二人でかさを作りました。
    それを町へ持って行って売り、お正月のおもちを買うつもりです。

    「かさは五つもあるから、もちぐらい買えるだろう」
    「お願いしますね。それから今夜は雪になりますから、気をつけて下さいよ」
    おじいさんは、五つのかさを持って出かけました。

    家を出てまもなく、雪が降ってきました。

    雪はだんだん激しくなったので、おじいさんはせっせと道を急ぎました。

    村はずれまで来ると、お地蔵さま(おじぞうさま)が六つならんで立っています。
    お地蔵さまの頭にも肩にも、雪が積もっています。
    これを見たおじいさんは、そのまま通り過ぎる事が出来ませんでした。

    「お地蔵さま。雪が降って寒かろうな。せめて、このかさをかぶってくだされ」
    おじいさんはお地蔵さまに、売るつもりのかさをかぶせてやりました。

    でも、お地蔵さまは六つなのに、かさは五つしかありません。

    そこでおじいさんは自分のかさを脱いで、最後のお地蔵さまにかぶせてやりました。
    家へ帰ると、おばあさんがびっくりして言いました。

    「まあまあ、ずいぶん早かったですねぇ。それに、おじいさんのかさはどうしました?」
     おじいさんは、お地蔵さまのことを話してやりました。

    「まあまあ、それは良い事をしましたねえ。おもちなんて、なくてもいいですよ」
     おばあさんは、ニコニコして言いました。

     その夜、夜中だと言うのに、ふしぎな歌が聞こえてきました。

    ♪じいさんの家はどこだ。
    ♪かさのお礼を、届けに来たぞ。
    ♪じいさんの家はどこだ。
    ♪かさのお礼を、届けに来たぞ。
     歌声はどんどん近づいて、とうとうおじいさんの家の前まで来ると、
    ズシーン!
    と、何かを置く音がして、そのまま消えてしまいました。

    おじいさんがそっと戸を開けてみると、おじいさんのあげたかさをかぶったお地蔵さまの後ろ姿が見えました。

     そして家の前には、お正月用のおもちやごちそうが山のように置いてありました。
    4 min
  • 坂本真绫欧洲游记——From Every Where 2-2

    見上げれば薄水色の空。雲ひとつない。とても静かで平穏な一日の始まり。私、本当にパリにいるんだよね。まだ半分寝ぼけている。

    今夜はメグミさんと食事の約束をしている。夜7時にオペラ座の前で待ち合わせ。メグミさんというのは昨日私がパリ. シャルル .ド . ゴール空港に降り立つや否やさっそく迷子になっているときに偶然出会った(助けられた、かな?)、日本人の女の子。彼女もひとり旅で、今回が初めてのパリなのだという。

    「北海道のケーキ屋で働いていたんですけど。そこを辞めて東京のお店に転職することになって。その隙間に、思い切って来ちゃったんです。本場でお菓子をいろいろ食べてみたいと思って。」
    「へえ!パティシェさんですか?素敵~」
    「そちらは?」
    「私は、実は5週間の旅に出たところで……」
    「えっ、5週間?」
    「パリだけじゃなくて、色々ヨーロッパを巡ろうと思っていて」
    「ひとりで?すごーい!」

    ひとりぼっちの心細さを紛らわすのようにお互い饒舌(じょうぜつ)だった。小柄でリスみたいにクスクスと笑うかわいらしい人。どちらからともなく滞在中に一緒にご飯でも食べましょうかという話になり、連絡先を交換。初日からいきなり誰かと夕食を共にすることになるとは。

      たかがホテルまでの道のりが、昨日は大冒険だった。

    2 min
  • 日本の昔话 8——カニの相撲
    之前工作比较忙好久没有读了,今天继续开始!

    天下人となった秀吉(ひでよし)は、大阪城(おおさかじょう)と言う、大きなお城に住んでいました。

     大阪城にはきれいな池があって、そこには金で作ったカニが置いてありました。
     それも、一匹や二匹ではありません。
     大きいのやら小さいのやら、何百匹ものカニがキラキラと光り輝いていました。
     ところが秀吉は、今度京都に新しい城を作ったので、そちらに引っ越す事にしたのです。
     そこで秀吉は、この池の金のカニを家来たちに分けてやる事にしました。

    「お前たちに金のカニを分けてやるが、誰にでもやるのではない。
     何故、カニが欲しいのか。
     カニを、どう言う事に使うのか。
     その訳を言うがよい。
    『それなら、カニをやってもよい』
    と、思う様な訳を言った者にだけ、分けてやる事にしよう」
     家来たちはみんなは首をひねって、何と言えば、あのカニをもらえるだろうかと考えました。
     そのうち、一人が進み出て言いました。
    「殿さま。わたくしは、床の間の飾り物にしたいと思います。ぜひ、一匹下さいませ」
    「おお、床の間の飾りか。それなら良かろう。お前には大きいのを一匹つかわそう」
    「はい。ありがとうございます」
     その家来は大きいカニを一匹もらって、得意そうな顔をしました。
     すると、もう一人の家来が言いました。
    「わたくしは、書が趣味です。ですから紙を押さえる文鎮(ぶんちん→紙が動かない様にする重り)にしたいと思います」
    「そうかそうか。文鎮なら良かろう。ただ、文鎮では大きすぎては邪魔だから、小さいのを一匹つかわそう」
    「はい。ありがとうございます」
     その家来は小さいカニを一匹もらって、少し残念そうな顔をしました。
     それからみんなは、次々と色々な事を言ってカニをもらいました。
    「わたくしは、子どもや孫の代まで、いいえ、もっと先まで伝えて、家の守り神にしたいと存じます」
    「わたくしは、・・・」
    「わたくしは、・・・」
     ところが家来の一人の曽呂利(そろり)さんだけは、みんなの様子を黙って見ているだけで、何も言いません。
    「これ、曽呂利。お前はさっきから何も言わないが、カニが欲しくないのか?」
     秀吉が尋ねると、曽呂利はつるりと顔をなでて、
    「いえいえ、もちろん、わたくしも頂きとうございます。しかし」
    「しかし、どうした?」
    「わたくしの使い方は、一匹では足りませんので」
    「何?一匹では足りぬと。ふむ、一体何に使うのじゃ?」
    「はい。わたくしは勇ましい事が大好きでございますので、あのカニに相撲を取らせてみたいのでございます」
    「ほう、相撲か。なるほど考えたな。よし、では二匹をつかわそう」
    「いえいえ、相撲はやはり東と西に分けて、横綱(よこづな)、大関(おおぜき)、小結(こむすび)、幕下(まくした)と、それぞれいなければ面白くありません」
    「おおっ、確かにそれもそうじゃ。それでは曽呂利よ、残りのカニは、みんなそちにやろう。持っていけ」
    「はっ、ありがとうございます」
     曽呂利さんはニコニコ顔で、残りのカニを全部持って行ってしまいました。
     その為に、カニをもらいそこなった家来たちは、
    「曽呂利め、相撲とは考えたな。それならわしは、武者合戦(むしゃがっせん)とでも言えば良かったわ」と、悔しがったそうです。

    おしまい
    5 min
  • 坂本真绫欧洲游记——From Every Where 2-1
    【2日目】-1

    昨日は長い月曜日になった。結局飛行機の中でも全然眠れなくて、つまりその前の晩からほとうど丸2日間起きっぱなしだったわけで、ホテルの部屋にたどり着いたとたん気を失うようにしてベットに倒れ込んだ。夢も見ずに深く、深く眠って、次に目覚めたのはなんと11時間後。こんなにたくさん寝たのは久しぶり。見慣れない天井と壁紙の模様を見て、そういえばパリに来ているんだったと思い出す。のそのそと起き出して窓を開けるとひんやりと冷たい空気が頬に触れた。梅雨の前触れでもう蒸し暑かった東京に比べるとこっちはずいぶん肌寒い。夏物の薄いパーカーしか持って来なかったけど、もしかして上着が必要だったかな。さっきから何か良い匂いがすると思ったらどうやら向かいの建物の1階はパン屋さんみたいだ。ひっきりなしに緑色の扉が開いてお客さんが出入りしている。こんなに朝早くから、みんなパンを買いに来るんだなあ。これから学校や会社へ行くのだろうか、彼らは。

    見上げれば薄水色の空。雲ひとつない。とても静かで平穏な一日の始まり。私、本当にパリにいるんだよね。まだ半分寝ぼけている。

    今夜はメグミさんと食事の約束をしている。夜7時にオペラ座の前で待ち合わせ。メグミさんというのは昨日私がパリ. シャルル .ド . ゴール空港に降り立つや否やさっそく迷子になっているときに偶然出会った(助けられた、かな?)、日本人の女の子。彼女もひとり旅で、今回が初めてのパリなのだという。

    「北海道のケーキ屋で働いていたんですけど。そこを辞めて東京のお店に転職することになって。その隙間に、思い切って来ちゃったんです。本場でお菓子をいろいろ食べてみたいと思って。」
    「へえ!パティシェさんですか?素敵~」
    「そちらは?」
    「私は、実は5週間の旅に出たところで……」
    「えっ、5週間?」
    「パリだけじゃなくて、色々ヨーロッパを巡ろうと思っていて」
    「ひとりで?すごーい!」

    ひとりぼっちの心細さを紛らわすのようにお互い饒舌(じょうぜつ)だった。小柄でリスみたいにクスクスと笑うかわいらしい人。どちらからともなく滞在中に一緒にご飯でも食べましょうかという話になり、連絡先を交換。初日からいきなり誰かと夕食を共にすることになるとは。

    たかがホテルまでの道のりが、昨日は大冒険だった。


    4 min
  • 日本の昔话 7——山の神がくれたお嫁さん
    むかしむかし、あるところに、病気の母親と親孝行の息子がいました。

     ある日、息子が山で働いていると、やぶの中から、しらがの鬼ババが出てきました。

     そして、息子のお弁当をのぞいていいました。

    「病気の母親にも、そんなにそまつな飯を食わせているのか?」

    「母親には、ちゃんと白いご飯を食べさせているよ」

     息子が答えると、鬼ババは、

    「そうか、そうか。ではあと十日したら、お前の家に行くから、白いご飯をたいておけ」
    と、言って、やぶの中に消えてしまいました。

     十日たって、息子が白いご飯をたいて待っていると、外からドスンときれいな箱が落ちてきました。

     箱をあけてみると、中にはきれいな娘が入っていて、 「山の鬼ババに、ここの嫁になれと言われました」と、言うのです。

     息子はよろこんで、娘をお嫁さんにしました。

     お嫁さんは、となり村の長者(ちょうじゃ)の娘でした。

     話しを聞いた長者も、親孝行で心のやさしい息子が好きになって、たくさんのお金をわたしてやりました。

     それで三人は、しあわせにくらしました。

     あの鬼ババは、本当は山の神さまだったのです。

    おしまい
    2 min
  • 坂本真绫欧洲游记——From Every Where 1-5
    【一日目】-5

    子供の時から自分のことをなんの特徴もないつまらないやつだと思ってた。でもやっと見つけた、自分だけのオリジナリティ。他になんの取り柄もないけど、歌やお芝居をしているときだけは自由な気持ちになれた。心から夢中になれることがあって、しかも誰から必要とされるって、こんなに幸せなことはない。生まれてきた意味を感じられる。こんな言い方も、私にとっては全然大げさじゃない。

    だけどどうしても今、無理をしても少し休まなくちゃいけないって自分で決めたんだ。好きなことに一生懸命なのは良い。でも、ときどきわからなくなる。歌手でも声優でも女優でもラジオパーソナリティでもない坂本真綾という人の、大切なものは何なのか。

    明日から毎日どうやって過ごせばいいというのだろう。私の「最低限必要なもの」、日本においてきてしまった。

    何も持たないただの私。今日から5週間、自分自身と、二人きりで旅をする。

    3 min
  • 日本の昔话 6——キツネとタニシ
    むかしむかし、足の速いのがじまんのキツネがいました。
     あるとき、このキツネがタニシにいいました。
    「ちょっと都(みやこ)まで、いってきたんじゃ」
     キツネは足のおそいタニシを、いつもバカにしています。
    「都までは遠いから、足のおそいタニシなんかには、ぜったいにいけんところじゃな」
     タニシはキツネがじまんばかりしているので、ちょっとからかってやろうと思いました。
    「キツネさん、そんなに足が速いのなら、わたしと都まで競走(きょうそう)しませんか?」
    「ギャハハハハハハー! タニシがどうやって、あんな遠くまでいけるんじゃい」
    「キツネさんにいけるなら、わたしにだっていけます。だいたいキツネさんは、わたしよりはやく歩けるのですか?」
    「なに! わしのほうが速いにきまっとる!」
     はじめはバカにしていたキツネも、だんだんおこってきました。
    「よーし、そんなにいうのなら、わしとどっちが早く都へつくか、競走じゃ!」
     こうして、キツネとタニシの競走がはじまりました。
    「よーい、ドン!」
     キツネは、ドンドン歩きはじめました。
     ふりかえってみると、タニシはもう見えません。
    「まったく、わしが勝つにきまっているのに。ほら、もう見えなくなっちまった。バカバカしい」
     キツネはバカらしくなって、ちょいとひと休みです。
     すると、タニシの声がしました。
    「おや? もう疲れたのかい、キツネさん。それではお先にいきますよ」
     キツネはビックリ。
     遠くヘおいてきたと思ったタニシが、すぐそばにいるではありませんか。
    「おかしい。おいつかれるはずは、ないんじゃが・・・」
     キツネはふしぎに思いながらも、また歩きはじめました。
     そのうちに、山に夕日がしずみはじめました。
     キツネはまたまた、バカバカしくなってきました。
    「タニシなんかと早歩き競走したって、なんにもならんわ。わしが勝つにきまってるんだから。それに、本当のこというと、都なんかいったこともないし。・・・だいぶ遠いんじゃろな」
     キツネは立ち止まって、おしっこをしようとしました。
     すると目の前に、タニシがいます。
    「キツネさん、早くしないとおくれますよ。わたしについておいで」
    「そんなバカな!」
     キツネは信じられません。
     でも、タニシはそこにいます。
     キツネは気持ちわるくなって、むちゅうで走りだしました。
     本当は、タニシはキツネのしっぽにつかまって、やってきたのでした。
     そうとは知らないキツネは、負けたくないので、ひっしで走りつづけました。
     そのうちに、疲れてフラフラです。
     するとまた、タニシの声が。
    「キツネさん、そんなことでは、おいこしてしまいますよ」
     おどろいたキツネは、また、むちゅうで走りつづけました。
     そして、都への道しるべまでくると、とうとうへたりこんで、
    「やっとついた。タニシに勝ったぞ! ふうっ、疲れた・・・。そうとも、キツネがタニシに負けるはずはないんじゃ」
     ホッとしたキツネの耳に、また、タニシの声が。
    「キツネさん!」
     キツネはキョロキョロと、あたりを見まわしました。
    「ここですよ、キツネさん」
     タニシが、都への道しるべの上にいます。
    「おそいな。いまついたところかい? わたしはとっくについて、都見物をすませた後ですよ」
    「そ、そんなばかな・・・」
     それからというもの、キツネは足が速いことをじまんしなくなったそうです。

    おしまい

    5 min

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