Emergence, transmission dynamics and mechanisms of artemisinin partial resistance in malaria parasites in Africa
Citation
Nature Reviews Microbiology, vol. 22, pp. 373–384 (2024)
論文の要約
本レビューは、アフリカ大陸におけるアルテミシニン部分耐性マラリア原虫(Plasmodium falciparum)の出現とその拡大について、分子・疫学・臨床の観点から包括的に論じている。
アルテミシニン耐性は従来、東南アジアに限局していたが、近年アフリカでもK13遺伝子の変異(特にR561Hなど)を伴う耐性株が複数出現し、地域内での持続的な伝播が報告されている。これらの変異株は、治療に用いられるアルテミシニンに対して反応遅延を示すが、現在のところ標準的なアルテミシニン併用療法(ACT)の有効性は維持されている。
本稿では、K13変異の分子的機構、環状体ステージでの耐性表現型、宿主免疫や薬物選択圧との相互作用について詳述している。また、地域ごとの伝播動態やゲノム監視の成果、ならびに将来のリスク評価の枠組みも紹介されており、早期対応の重要性が強調されている。
本レビューは、マラリアの耐性対策を科学的に再構築する上での重要な基盤を提供しており、感染症制御、公衆衛生政策、創薬研究に関わる専門家にとって不可欠な知見を含む内容である。