Inhaled Amikacin to Prevent Ventilator-Associated Pneumonia
Citation
N Engl J Med. 2023 Nov 30;389(22):2052–2062. doi: 10.1056/NEJMoa2310307.
概要
本研究は、人工呼吸器関連肺炎(VAP)の発症予防を目的として、人工呼吸管理下の集中治療患者に吸入アミカシンを投与する効果を検証した多施設二重盲検ランダム化比較試験(AMIKINHAL試験)である。
対象は72時間以上侵襲的人工呼吸を受けている成人患者847例で、吸入アミカシン群(417例)とプラセボ群(430例)に1:1で無作為割付した。介入はアミカシン20 mg/kg理想体重を1日1回、3日間ネブライザーで吸入させた。
28日以内にVAPを発症した患者は、アミカシン群62例(15%)、プラセボ群95例(22%)であり、有意にアミカシン群で少なかった。グラム陰性菌に対してアミカシン感受性を有するVAPの発症も、アミカシン群7%に対しプラセボ群14%と抑制効果が認められた。さらに、感染関連人工呼吸器合併症(infection-related VAC)もアミカシン群18%、プラセボ群26%と低下していた。
安全性に関しては、重篤な有害事象は両群とも2%未満にとどまり、アミカシン群でわずかに多かったが許容範囲内と考えられた。腎障害の新規発症はむしろアミカシン群で少なかった(4%対8%)。
結論として、3日間の吸入アミカシン投与は、人工呼吸器管理患者においてVAP発症を有意に減少させ、安全性も概ね許容できることが示された。VAP予防戦略における新たな選択肢となる可能性が示唆される。