Pitavastatin to Prevent Cardiovascular Disease in HIV Infection
Citation
New England Journal of Medicine, 2023; 389:687–699
概要
REPRIEVE試験は、抗レトロウイルス療法(ART)を受けているHIV感染者で、心血管疾患リスクが低〜中等度の成人7,769例を対象に、ピタバスタチン4mg/日とプラセボを比較した多施設・無作為化・二重盲検・第3相試験である。主要評価項目は大規模心血管イベント(MACE:心血管死、心筋梗塞、不安定狭心症による入院、脳卒中、一過性脳虚血発作、末梢動脈虚血、血行再建術、原因不明死)の発生率。
主要結果
追跡期間中央値5.1年で、MACE発生率はピタバスタチン群4.81件/1000人年、プラセボ群7.32件/1000人年(HR 0.65, 95%CI 0.48–0.90, p=0.002)。
副次評価項目である「MACEまたは全死因死亡」も有意に低下(HR 0.79, 95%CI 0.65–0.96)。
LDLコレステロールは試験開始時中央値108mg/dLから、12か月でピタバスタチン群74mg/dL、プラセボ群105mg/dLへ推移し、その効果は追跡期間を通じて持続。
安全性
有害事象による中止率は低く(2.1% vs 1.2%)、非致死的重篤有害事象発生率は同等。
新規糖尿病発症はピタバスタチン群でやや多い(5.3% vs 4.0%, 発症率比 1.35)。
筋症状(グレード3以上または治療中止を要するもの)はピタバスタチン群で多いが稀(2.3% vs 1.4%)。
横紋筋融解症や重度肝障害は稀で両群差なし。
結論
低〜中等度リスクのHIV感染者において、ピタバスタチンはプラセボと比べて主要心血管イベントを35%低減した。効果はLDL低下だけでは説明できず、免疫活性化や炎症抑制作用が寄与している可能性がある。本結果は、これまで明確な推奨がなかった低〜中リスクHIV感染者へのスタチン一次予防を支持するエビデンスとなる。