町田市立国際版画美術館で開催中の
「日本の版画1200年」展を訪れました。
ずっと気になっていた展覧会、この日は
ちょうど無料観覧日。子どもたちも連れて、
足を運びました。
仏教版画から浮世絵、現代の作品まで、
日本の版画の歩みをたどる構成。
240点という数字を超えて、作品それぞれが
持つ雰囲気に惹き込まれ、ただ通り過ぎることの
できない密度ある展示でした。
とりわけ私の心をとらえたのは、広重の
「箱根 湖水図」と北斎の「ろうべんの瀧」。
山の稜線や水のうねり、ぼかされた雲のかたちに、
画面の中の空気まで感じられるようでした。
写実ではなく、記憶や想像の層を通して描かれたような
、不思議な懐かしさが残る感じ。
ベロ藍の深い青も見事で、その濃淡が版木の上で刷毛によって作られていると知ると、青いグラデーションに職人の
手仕事が重なって見えてくるようでした。
一枚の版画に、絵師・彫り師・摺師、それぞれの手の跡や時間が静かに刻まれているんだなぁ。
そんなことをしみじみと感じながら見入ってしまいました。
次の無料観覧日は4月19日。今度はもう少し時間をとって、ゆっくり再訪したいなと思います!
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