本日のこのコーナーでは、この3月に台湾で出版された、日本人ライター、栖来ひかりさんの標準中国語によるエッセイ集「台湾万華鏡」をご紹介いたしましょう。2017年、栖来さんが台北を中心とした台湾の三叉路、Y字路に埋もれた物語を掘り起こしたエッセイ、『時をかける台湾Y字路 ─記憶のワンダーランドへようこそ』を出版された際、私どもの番組に出演頂いたことをご記憶にある方もいらっしゃるかもしれませんね。また近年は、様々な日本のウェブメディアでも活躍されていますので、ご存知だという日本のリスナーの方もたくさんいらっしゃることと思います。

「私が台湾で考える、日本と台湾のあいだ」という副題がついた「台湾万華鏡」には、29篇のエッセイが収められています。このうち24篇は多言語発信ウェブサイト「ニッポンドットコム」に、他の5篇はWEBマガジン「WEDGE Infinity」に掲載された原稿がベースとなっていますが、出版にあたり、一部のエッセイには改めて栖来さんによるコメントがつき、内容への理解をより深めることができます。また、栖来さんは、表紙や各エッセイの挿絵も手掛けており、温かみあふれる本となっています。台湾について、日本との歴史的なつながりについて、様々な角度から知識を深めることができるその内容について、ご紹介いたしましょう。

台湾の高校野球は世界のトップレベルにありますが、甲子園球場という殿堂があり、注目度の高い日本の高校野球は、台湾の球児達にも人気があります。また、多くの日本の高校がスポーツを教育の一環と打ち出していること、留学を通じて日本語という外国語をマスターできること、さらにしっかりプレーでアピールできれば、日本人扱いでドラフトにかかり日本プロ野球でプレーできることもあり、子供を日本でプレーさせたいと思う父兄も一定数います。そして、中学卒業後、日本へ留学する台湾の球児はこの20年で10倍にも増えました。

台湾の球児はこれまで様々なコネクションを使って日本の高校へ留学してきましたが、正式なパイプがない為、諦める球児も少なくありませんでした。こうした中、近年、その架け橋として活動している団体が、エースプログラム「台日野球留学支援」です。新型コロナウイルスの影響による外国人入国の見合わせにより、留学希望の球児達は国内で待機を余儀なくされていましたが、日本政府は3月1日、新規入国制限を緩和、「台日野球留学支援」がサポートする球児14人のうち11人が、3月上旬から日本へと飛び立っていきました。

本日は、この話題をお届けしましょう。

台湾において、日本は最も人気の高い海外旅行先で、2019年には過去最高となる延べ491万人が訪れました。国・地域別では、中国大陸、韓国についで3番目ではありますが、中華民国台湾の人口がおよそ2350万人であることを考えますと、1年に延べ491万人という数がどれだけインパクトのある数字であるか、ご理解いただけると思います。新型コロナウイルスの流行前、日本の桜は台湾の観光客にも非常に人気があり、各地の桜の開花シーズンに合わせた団体ツアーなども開催されていました。しかし、この2年あまり、観光目的の渡航は完全にストップ、多くの台湾の人々がいわゆる「日本ロス」の状態に陥っています。

こうした中、台北市の「ホテル・ロイヤル・ニッコー・タイペイ」は、日本のエアライン、日本航空と提携、福井県、そして鹿児島県の離島、奄美大島のムードを体験できる商品を企画しました。商品は日帰りプランと1泊2日プランがあり、福井県コースは3月18、19日の2日間、奄美大島コースは25日、26日の2日間行われました。

本日のナルワンアワーでは、「日本ロス」の人向けの、こうした疑似日本旅行体験ツアーについてご紹介いたしましょう。

ご存知の方も多いと思いますが、台湾では日本のカルチャーが高い人気を誇ります。そして、様々なカルチャーの中で、幅広い年齢の人たちに人気なのが、日本の各種グルメです。そして中でも、特に若い世代に人気の食べ物といいますと、日本式のラーメンです。特に2010年以降、日本の有名店が次々に台湾、特に台北市に出店、一大ブームとなり「台北ラーメン戦争」とも呼ばれた時期もありました。過当競争に加え、新型コロナウイルスなどの影響もあり、ブームは少し落ち着きをみせていますが、依然、人気店には長い行列ができています。先ごろ、台湾の大手掲示板で、どの店のラーメンが美味しいかという話題が盛り上がりました。ネットユーザーからは様々な店の名前が挙げられましたが、最も多くの人が推薦したお店は、日本でも全国展開しているあのチェーンでした。どのお店だと思われますか。本日のこのコーナーでは、台湾における人気の日本式ラーメンの話題をお届けいたしましょう。

落ち着かない今日このごろですが、本日は前向きな話題をご紹介しましょう。日本で大幅に水際対策が緩和され、3月1日から、ビジネス目的の短期滞在者や留学生、技能実習生などの新規入国が可能となったほか、同時に、入国者に求めていた隔離期間も短縮となりました。これまでは入国後、指定施設や自宅などで原則7日間の待機を求めていましたが、3月1日からは検査での陰性確認などを条件に3日間に短縮、感染が流行していない国・地域からの入国者のうち、3回目のワクチン接種を終えている人については、待機を免除することとなったんです。台湾はこの「流行していない国・地域」に当たる為、指定のワクチンを接種していることが確認できれば、待機が免除されるようになりました。一方、台湾においても、海外から入国した人の隔離期間が従来の14日から10日へ短縮されました。本日は、疫病退散、日台間の観光目的の往来解禁に対する期待をこめ、日台双方における水際対策緩和に関する話題をご紹介いたしましょう。

大手TV局を退職後、来台した三原慧悟さんと、複数のメンバーで運営するユーチューブチャンネル「サンエンジャパン」は、2019年、台湾で活躍する外国人ユーチューバーとして初めて登録者数100万人を突破、現在はおよそ145万人に達しています。三原さんとメンバーのjunちゃんこと村上淳也さんは、昨年9月、日本へ帰国しましたが、その後も、引き続き、台湾をテーマにしたコンテンツを作り、根強い人気を誇っています。

そして、「サンエンジャパン」が先ごろアップロードした動画が、話題となっているんです。話題となっている動画は、昨年11月に続き、2度めとなる「想念台灣」シリーズの動画です。「想念」とは、恋しい、懐かしいといった意味です。動画では、司会の三原さんのほか、かつて台湾で暮らしたことがある4人の日本人をゲストに迎え、最も台湾を懐かしく感じること、特に「日本に帰ってきてから、自分が台湾人化していた」と気づいたことや、「カルチャーショックを感じたこと」について聞きました。そして、他の人の意見に同意する場合は、手元にあるボタンを連打し、誰の意見が最も同意の票が多いかを競いました。

最も多く票を獲得したのは、どんな意見だったと思いますか。台湾と日本の違いを感じる興味深い指摘でした。本日はこの話題をご紹介いたしましょう。

同じ東アジアに位置し、歴史的なつながりもあり、似通った点も多い台湾と日本ですが、とはいえ、異なる点もたくさんあります。その一つが「金銭」や「お金儲け」に対する考え方ではないでしょうか。台湾でデジタルマーケティング会社を経営する佐藤レオさんは、ウェブメディア「クロッシング」に、この件に関するコラムを投稿、ユニークなケースを紹介したほか、日本と台湾の人々へ提言をしています。本日のこのコーナーは、この佐藤さんのコラムをご紹介したいと思います。

リスナーの皆様は、映画『ドライブ・マイ・カー』、ご覧になりましたか。作家、村上春樹さんの短編小説を、新進気鋭の映画監督、濱口竜介監督が映像化した作品です。昨年8月に公開されました。公開前の時点で、カンヌ映画祭で4部門にノミネートされ、脚本賞など3部門受賞、その後も国内外の各映画祭で高い評価を受け話題となっていましたが、先ごろ、アカデミー賞で作品賞を含む4部門でノミネートされたことから、注目度が急上昇、上映する劇場が増え、再び多くの人達が鑑賞に訪れているようですね。台湾でも2月11日から上映が始まりました。ご覧になった方はご存知のことと思いますが『ドライブ・マイ・カー』には、ストーリーの中の舞台でエレーナを演じるジャニス・チャン役で、台湾出身の女優、ソニア・ユアン(袁子芸)が出演しています。本日のこのコーナーでは、台湾メディアで紹介されたソニアのインタビューをご紹介いたしましょう。

中華民国台湾には、半年以上の台湾滞在のビザ、居留ビザや居留証をもつ外国人がおよそ75万人います。このうち日本人は、昨年12月の時点の統計で1万5300人あまりです。在台日本人の数だけ、定住を決意するまでのストーリーがあり、ユニークな人たちがたくさんいますが、本日のこのコーナーでは、赴任地としてやってきた台湾で、温かい台湾の人々との出会いを通じ、台湾という土地に魅せられると共に、若き日の夢であった歌手への思いを改めて深め、ついには安定した外交官の仕事をやめ永住することを決意、現在、シンガーソングライター、俳優、そしてライターと、幅広く活躍している馬場克樹さんをご紹介いたしましょう。

中華民国内政部が1月の末に明らかにした統計によりますと、2021年年末の台湾の人口は2337万5314人で、2020年に比べ18万5922人減少しました。そして、2021年の新生児出生数は15万3820人で、全ての月で死亡数が出生数を上回り、台湾の人口はこれで2年連続でマイナス成長となりました。台湾は晩婚、非婚、少子高齢化が急速に進んでいます。高齢化率そのものは日本に及びませんが、その少子高齢化のペースは、日本以上となっているんです。

この度、標準中国語で発信し、40万人以上の登録者をもつ日本人人気youtuberのIKU老師が、自身のサブチャンネルの動画の中で、台湾の少子化の最大の理由を指摘し、大きな反響を呼んでいます。リスナーの皆様は、台湾の少子化の最大の理由なんだと思われますか。IKU老師は「なんで台湾の少子化は改善されないのでしょうか」という問いに対し、台湾で少子化がここまで深刻な理由、それは「不動産価格」だと指摘しました。本日のこのコーナーでは、台湾の人々がまさにその通りだと納得した、IKU老師の分析についてご紹介いたしましょう。