「NASAが火星ヘリ「Ingenuity」最終飛行時に起きたアクシデントの調査を完了 史上初“地球外航空事故”調査」 アメリカ航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所(JPL)は2024年12月11日付で、ミッションを終えた火星ヘリコプター「Ingenuity(インジェニュイティ)」の最後の飛行で起きたアクシデントの詳細な調査が完了したと発表しました。いわば“史上初の地球外航空事故”となったIngenuityのアクシデントは、どのようにして引き起こされたのでしょうか。Ingenuityは日本時間2021年2月19日朝に着陸したNASAの火星探査車「Perseverance(パーシビアランス)」の下部に搭載される形で、火星のジェゼロ・クレーターへと運ばれました。火星の環境は地球とは異なり、地表の重力は地球の約3分の1、地表の気圧は地球の約1パーセントしかありません。大気が薄い火星でも動力飛行できることを実証するのがIngenuityの使命であり、当初は30日間で最大5回の飛行が計画されていました。機体は高さ49cm、重量1.8kgと小型・軽量で、幅1.2mのカーボンファイバー製ローター(二重反転式)と太陽電池を搭載。2021年4月19日に実施された初飛行で、Ingenuityは高度3m・30秒間のホバリングを含む39.1秒間の飛行に成功し、火星における航空機の制御された動力飛行が可能であることを初めて証明しました。