「NASAが火星ヘリコプター「Ingenuity」のミッション終了を発表 約3年間で火星の空を72回飛行」 アメリカ航空宇宙局(NASA)は2024年1月25日付で、火星ヘリコプター「Ingenuity(インジェニュイティ)」のミッション終了を発表しました。2021年4月から2024年1月までの間に当初の目標だった5回を大幅に上回る72回の飛行を実施したIngenuityは、計画されていた期間の30倍以上も続いた火星での長い旅を終えることになりました。【最終更新:2024年1月26日11時台】Ingenuityは日本時間2021年2月19日朝に着陸したNASAの火星探査車「Perseverance(パーシビアランス)」の下部に搭載される形で火星へと運ばれました。機体は高さ49cm、重量1.8kgと小型・軽量で、幅1.2mのカーボンファイバー製ローター(二重反転式)と太陽電池を搭載しています。火星の環境は地球とは異なり、地表の重力は地球の約3分の1、地表の気圧は地球の約1パーセントしかありません。大気が薄い火星でも動力飛行できることを実証するのがIngenuityの使命であり、当初は30日間で最大5回の飛行が計画されていました。2021年4月19日に実施された初飛行でIngenuityは高度3mで30秒間のホバリングを含む39.1秒間の飛行に成功し、火星における航空機の制御された動力飛行が可能であることを初めて証明しました。