「NASAとDARPAの核熱ロケットエンジン試験機はロッキード・マーティンが製造へ」 アメリカ航空宇宙局(NASA)とアメリカ国防高等研究計画局(DARPA)は7月26日付で、将来の有人火星探査を見据えて「核熱ロケットエンジン」の技術実証を行うNASAとDARPAの「DRACO(Demonstration Rocket for Agile Cislunar Operations)」プログラムについて、試験機の設計・製造を行う主契約者がロッキード・マーティンに決定したことを発表しました。【2023年7月28日10時】【▲ DRACOプログラムの核熱ロケットエンジン試験機の想像図(Credit: Lockheed Martin)】核熱ロケット(Nuclear Thermal Rocket:NTR)エンジンとは、核分裂反応で発生する熱を利用して水素などの推進剤を加熱・膨張させてノズルから噴射することで推力を得る推進システムで、「核熱推進(Nuclear Thermal Propulsion:NTP)ロケットエンジン」や「原子力推進ロケットエンジン」などとも呼ばれます。核熱推進の研究は東西冷戦時代にまで遡り、かつてはNASAでも「NERVA(Nuclear Engine for Rocket Vehicle Application)」プログラムのもとで研究が進められたことがあります(1972年に中止)。