福岡市が毎年多くの企業誘致に成功していることから、その背景としての客観的な都市の魅力や評価について、森記念財団の「世界都市総合ランキング」から説明します。
先日のニュースで、福岡市は9年連続で、年間50社の企業誘致の達成に成功しているとのことでした。今日は街に賑わいをもたらせること、都市の活性化のお話をしたいと思います。コロナ禍にあっても、多くの企業が福岡にオフィスを設置されるというのは大変なことです。外資系企業などを中心に、コロナ禍にあってオフィスの移転や新規の設置を控えた企業もある一方で、こんな時期だからこそ、首都圏の一極集中によるリスクを分散することやテレワークの進展が、追い風になったのかもしれません。
また2013年からの9年連続で、50社の誘致に成功したということは、立地交付金や地方拠点強化税制といったインセンティブの提供を中心に、福岡市が企業誘致に積極的に努力をした結果と言えるかと思います。
具体的にどんな企業を対象に誘致活動がされたのかというと、福岡は重厚長大の工業都市ではなくサービス産業の都市ですから、成長分野として第3次産業の企業を中心に位置付けられた結果、ITやクリエイティブ系企業などの知識創造型産業分野の誘致が半数以上とのことです。こういった業種であれば、事業所としての場所を選ぶというよりは、環境の良いところで、オンラインなどで仕事がしやすいと言うことも、プラスに働いたのかもしれません。
社会学者のリチャード・フロリダは、『クリエイティブ都市論』の中で、新たな産業の創出には、クリエイティブな人材が住んで働きたいと思うような魅力的な都市づくりが重要と指摘をされています。福岡がそのように評価されているとすれば嬉しいことです。私たちにとっても住みやすい福岡が、企業にも評価をされたということなのかもしれません。その福岡市の都市としての魅力や評価というものを少し客観的に見てみたいと思います。
森記念財団の都市戦略研究所では、2008年から毎年「世界都市総合ランキング」を公表しています。昨年11月に発表された2021年度版では、経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、交通・アクセスの 6 つの分野で、70の指標を設定していて、各都市を数値化しています。
その総合点の結果を見ると、ロンドンが世界のトップにランクされ、ニューヨークが2位、東京が3位でした。
ちなみに、福岡は42位にランクされています。37位がワシントンD.C.、38位が台北、39位がクアラルンプールといった各国の首都とほぼ同じ位置ということになります。この調査対象になったのは、世界の48都市ですので、福岡の42位を単純に世界で42位ということはできないかもしれませんが、多くの首都を含む他都市との比較ですから、かなり高い評価を受けていると言って、問題はないと思います。
日本では3位の東京、36位の大阪と、42位の福岡が対象都市になっています。
どのような部分が評価されたのか、まだ発展の余地があるのかを見てみたいと思います。
先ほど経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、交通・アクセスの 6 つの分野で数値化がされた結果とお話ししましたが、福岡はそれぞれの分野のバランスが取れていると考えられます。また中でも特に、居住面で26位、環境面で27位と、福岡は相対的に高く評価されています。これは日頃から感じている暮らしやすさや、海や山などの自然が近くにあり、ワークライフバランスが取れているということと一致します。大都市でありながら、絶妙のワークライフバランスと言えます。一方で、文化・交流の分野では46位とかなり低位にあると言えます。この文化・交流の評価内訳の指標を見ると、発信力、観光資源、受け入れ環境などに関する15の評価によるものです。
やはり海外での知名度、ラグジュアリーホテルの客室数、劇場・コンサートホール、美術館・博物館の数となると、各国の首都などと比べれば、知名度はもちろんのこと、文化的な施設などもそれほど多くはないかもしれませんね。
さらに、交通・アクセスですが、福岡空港はアジアの都市からのアクセスが便利と言われていますが、国際線の便数では世界48都市中の44位ですので、決して多くはないと言えます。それでも、世界の主要都市の中でも、高く評価されているのは嬉しいことです。 それが今日の冒頭にお話しした福岡市が、9年連続で年間50社の企業誘致の達成に成功に結びついているのかと思います。
それでは今日のまとめです。
今日は、福岡市が毎年多くの企業誘致に成功していることから、その背景としての客観的な都市の魅力や評価について、森記念財団の「世界都市総合ランキング」から説明しました。多くの企業が福岡にオフィスを構えることや、新たな事業が立ち上がることが、都市の賑わいに繋がってきます。このことは、明日も続けてお話をしたいと思います。