今回はブレーンストーミングについてです。通称ブレストというものです。ブレインストーミングを直訳すると脳みそに嵐を起こすという意味ですが、数名でチームを組んで新しいアイディアを出し合おう、というものです。企業に関して言えば、様々に事業環境が変わっている中で、多くの会社で従来の延長線上ではない全く新しいアイディアが必要になってきます。とはいえ、一人で考えてもなかなか良いアイディアは出ない、煮詰まってしまいます。例えば、こんな新商品が必要だとか、こんな新しいサービスがいいだろうとか、FM福岡で言えば新しい番組、こんな企画はどうだ、といった良いアイディアがなかなか出ない。そういう時に数名が集まってアイディアを出し合おう、そのための手法がブレーンストーミング、所謂ブレストです。
ただ、このブレストをやってみるのはいいのですが、なかなか上手くいきません。せっかくアイディア出しのためにチームが集まったにも関わらずあまり良いアイディアが出ずに終わってしまうことが実は少なくないです。これはなぜかというとブレストの基本中の基本の原則が守られていないということが結構多いからです。それはすごくシンプルなことで、出てきた意見を評価しないということです。これがすごく大事なルールです。
例えば、新年のパーティーのアイディアを考える、というテーマでブレストをしてみましょう。2種類のブレストをやってみます。まずは僕がいろんなアイディアを出しますから、「いいですね」と言ってもらって、その後に「でもね」とそのアイディアを実現しようと思ったら直面しそうな課題をあれこれ言ってください。例えば、そうは言っても予算が無いとか、そうは言ってもまだコロナが危ないので人が来ないんじゃないかとか、なんでもいいです。とりあえず「でもね」と言って課題を言ってみてください。では実際にブレストをやってみます。
「新年おめでとうございます。早速ですが、バッとパーティーをやりませんか。」
「パーティー、いいですね」
「いいでしょう。僕考えたんですよ。PayPayドームを借り切って新年パーティーをやりませんか。」
「いいですね、それは出来たら凄いですけど、でもPayPayドームを借りるってなると、かなりの予算が必要ですよね。」
「なんとかするのが僕らの仕事じゃないですか。なんとかしましょうよ、だめですかね。」
「いや、なんとかしましょうって、では具体的にどうするんですか。」
「そうですね、スポンサーを募るとかですね。」
「ああスポンサーを募るですね。でもそう簡単に今のご時世スポンサーが集まるでしょうか。」
「そうか、そういえばそうかもしれませんね。じゃあ場所を変えましょうかね。ちょっと小ぶりにして福岡タワーの展望台を借り切るというのはどうですか。」
「なるほど、それはおしゃれでいいですね。でも福岡タワーの展望台となると今度はどのくらいの人数でやるイメージですか。」
「そうですね、何人入りますかね。」
「人数の問題がありますよね。それからあの場所に沢山の人が入るとなると、ちょっと密になるんじゃないかなと。」
「このご時世、そうか、そうですね。」
このように課題を指摘する、すなわちアイディアを評価しだすと、実は盛り上がりそうでいまいち盛り上がらないのです。すこし指向を変えて次の実験に移ります。今度は「いいですね」に続いて「ついでにこうしない?」或いは「もっとこうしたら面白くない?」といったように僕の意見にまず乗って、何か新しいアイディアをオンする、追加するという方法にかえてみましょう。
「あけましておめでとうございます。早速なんですが、正月の新年パーティーやりたいんですけど。」
「新年パーティー、いいですね。」
「いいでしょう。PayPayドーム借り切っちゃいませんか、どうですかね。」
「うわーPayPayドーム、それはちょっと大きい規模で楽しそうですね。PayPayドームを借り切るとなると、なんかやっぱり大きな仕掛けが欲しいですよね。」
「そうですよね、どうですスポンサーをガッと集めません?」
「スポンサー集めですか、いいですね。ではスポンサーを集めるために沢山の手を借りて皆でやってみましょうか。」
「なんていったってFM福岡で宣伝するしかないでしょう。」
「そうですね、FM福岡で宣伝をする。そしてタレントさんを沢山呼んで豪華なパーティーにしましょうか。」
「いいですね、ではホークスも呼んじゃいますか。こうなったら。」
「ホークス、そうですねそしたらスポンサーも沢山集まるでしょうね。」
「そうですよね、そうしたらけっこう上手い飲み物も集まりそうだし、食い物も結構良いですよね、きっと。」
「ホークスの選手がいらっしゃるとなるとなんかいろんな楽しいアイディアが出てきそうですよね。」
「例えばどんなことですか。」
「一緒に運動会をしたいです。」
「いいじゃないですか、どの選手がいいですか。」
「やっぱりギータじゃないですか」
「ギータと2人3脚。」
「いいですね」
どうでしょう。課題を指摘した場合と違って結構アイディアが膨らむと思います。この違いが大事です。イエス・バットかイエス・アンドかと言いいますが、先に行ったいまいち盛り上がらなかったやり取り、あれがイエス・バットで、「いいね」しかしない。あとで行ったのがイエス・アンドです。他人のアイディアに乗ってイエス、アンドこれこれどうだろうというものです。ブレストで重要な原則で、イエス・バットは絶対にやってはいけません。イエス・アンドを徹底することです。よく上司と部下がブレストをすると上司の人が、確かに君それ良いね、だがね、とよく言ってしまいます。すると部下の方はこんなアイディアを言ってもまたどうせ課題を指摘させるだろうと思いだしてしまいます。先ほどアイディアを評価しないと言いいましたが、一旦評価し合いだすと今度は自分自身が自分のアイディアを評価して言わなくなってしまいます。これが最大の問題です。ですので、イエス・バットは厳禁、そしてイエス・アンドを徹底すること、これが大変大事で、これが基本中の基本の大原則ということです。
今日のまとめです。今日はブレストの大原則、イエス・アンドの重要性をお話いたしました。次回はブレストの上級者編として良いブレストを行うためのポイントを追加でご紹介します。