今日は「巻き込み力」について考えます。
プライベートでも仕事でも、「この人、なんて巻き込み上手なんだろう」という人がいると思います。巻き込み力は、結果として一緒に何か成し遂げていく力です。何かやりたいことがある時、その思いを伝えて上手に周りの人を引っ張っていく役割を担える人が「巻き込み力」のある人です。
「巻き込み力」は、非常に大事な力です。特に最近は、社内外の多くの人と一緒に何かに関わっていく仕事が圧倒的に増えてきています。短期間でプロジェクトを立ち上げて成果を出していくことを考えると、人を巻き込んでプロジェクトをまとめていく力は必須の力です。当然一人で出来ることには限界があります。色んな人を巻き込んでいくことで、想像以上の相乗効果が働き、結果、個々人の力以上の能力を発揮することが出来ます。
では、巻き込み力がある人はどんな特性を持っているのでしょうか。
その特徴の1つ目は、何かをやりたいと思った時にその目的や目標をきちんと理解出来ています。そのため、巻き込みたい相手を想像して、その相手にとってもどういうメリットがあるのかということを具体的に想像出来ています。
2つ目は、巻き込みたい相手をしっかり理解していることです。どんな動機で動く人なのか、今の仕事の状況が忙しいのか、あるいはどういうコミュニケーションを好む人なのかなど相手のことをよく理解しています。
3つ目は、巻き込み力がある人は人から信頼されています。しかし、信頼は一朝一夕では作れません。日頃から周囲の皆から見られているという意識を持って、信頼のある人になるために日々努力を重ねてください。
4つ目、巻き込み力がある人は健全な根回しをしています。何でもかんでも根回しするというよりも、その先を想像して、「上司が反対しそうだな」「事前にこれを一言言っておいた方が良いな」といった所に気付き、先に手を打つことができます。そのため、後から「その話、聞いていなかったんだけど」等というトラブルが起こらず、効率よく物事が進んでいきます。
一方、巻き込み力が無い人が陥ってしまうのがこのパターンです。段取りが悪く、あちこちから「こんなこと聞いてないんだけど」「どうなっているの」とどうでも良い質問が来て、無駄に時間を取られていってしまいます。そうならないためにも、『健全な根回し』が大事ということです。
やはり巻き込み力がある人はエネルギーがありますね。なぜエネルギーがあるかと言うと、本人が「これ大事だな」とその目的をクリアに描けているため、どうしても成し遂げたいという思いからエネルギーが生まれるのではないかと思います。たとえはじめはそんなに関心がなかったことでも、「この人が頑張っているからちょっとやってみようかな」など、周りは熱意に押されて巻き込まれて行くのです。
次に、立場別に巻き込み力を発揮するコツについてお話します。
例えば、上司を巻き込みたいという場合には、上司しか出来ないものを上手く引き出していくことがとても大事です。上司のキャラクターにもよりますが、しっかりと上司に何をやって欲しいのかという期待を明確に伝えましょう。その際には、当然なぜその取り組みをしたいのかという根雨嫌、動機をきちんと上司に伝え、理解してもらうことは欠かせません。
では、部下にお願いしたいという場合はどうでしょうう。イレギュラーな仕事をお願いしたいという時は、部下にとっての意味付けを明確にして、この仕事をするとどういうメリットがあるのかを伝えることが大事です。どうしてこれを部下にお願いするのか、どういう期待があるのか、それをすることによってどのような成長が得られるのかなどを伝えます。
また、他部署の人を巻き込んでいく場合には上司が協力要請を聞いておらず、「うちのメンバーを勝手に使って」などトラブルになることが多々あります。そのため、たとえ本人が「いいよ」と言っても、そのことを依頼者の部署の上司にもきちんと話をして筋を通しておくことが必要です。その際に、他部署にとってのメリットもクリアに話しておくことが大事だと思います。
更に、最近増えてきているのが社外の人を巻き込んでいくということです。勿論ビジネスの契約関係であれば、巻き込むも何も、仕事としてお願いします、ということになりますが、ビジネスになっていない間から上手く巻き込める人がいます。何よりも社外の専門知を得ることが出来るため、協力が得られると非常に大きなものになります。そのため、社外の人を巻き込みたい場合は相手にとってのメリット、それから相手がどういう立場なのかということに配慮しながら、中長期の関係についても話をしながらやっていくことも大事です。そして何より巻き込まれる人も人間です。どういうことをされると嬉しいのか、相手の立場に立って物事を考えることが大切です。
「巻き込み力」を向上していくために磨いておくと良いこととして、3つのスキルがあります。
何よりもまず大事なのは「ファシリテーションスキル」、話を整理する力です。多くの人を巻き込んでいくため、様々な人の意見を引き出す力とそれを整理する力が必要です。一方的に話すのではなく、せっかく巻き込んだ様々な人の話を引き出していかなければなりません。そして同時に、引き出すだけでは論点がぐちゃぐちゃになってしまうため、要点をまとめて意見を整理する力も必要です。これらを合わせて「ファシリテーションスキル」と言います。
次に大事なのは「交渉力」です。そして最後3つ目は「コミュニケーションスキル」です。意見をまとめて決まったことは議事録としてきちんと残しておく必要があります。そうしないと、後になって「言った」「言わない」という議論になり、不毛な時間を使うことになってしまいます。決まったことはきちんと議事録としてまとめて共通理解として共有しておくコミュニケーションスキルが必要です。
では、今日のまとめです。
ビジネスを取り巻く環境はこの数年で複雑化していきています。そんな中で社内外の多くの人と関係性を構築して巻き込んでいくリーダーシップを発揮して、グループで活気していく機会が増えてきています。結局最後は、相手は人間ということを強く意識して、何より相手を尊重して理解する姿勢が大事だと思います。是非「巻き込み力」を発揮していってください。