「「深宇宙光通信」で約3100万kmの彼方から超高解像度ビデオのストリーミングに成功」 NASA(アメリカ航空宇宙局)の小惑星探査機「Psyche(サイキ)」には「深宇宙光通信(DSOC; Deep Space Optical Communications)」と呼ばれる実験的な光通信装置が搭載されています。将来的な宇宙探査ミッションでの需要が見込まれる大容量のデータ送信を想定した実験であり、初の通信は2023年11月14日に行われました。Psycheから地球までの距離が約3100万kmとなった2023年12月11日、NASAのJPL(ジェット推進研究所)によって、深宇宙光通信実験装置の性能をテストするため、ネコの動画を含む15秒間のビデオ映像の送信テストが行われました。その結果、最大267Mbps (※1) という高速な通信速度を達成しました。これは従来の深宇宙探査機に対する通信と比べて100倍も高速であり、JPLによればほとんどのブロードバンドインターネット接続よりも高速であるとのことです。このデモンストレーションは、深宇宙から高速のデータ伝送を達成したという意味で、重要なマイルストーンです。※1…1秒間に1ビット (1/8バイト) のデータが転送されている速度が1bps (ビット毎秒) です。267Mbpsとは、1秒間に267メガビット (約33メガバイト) のデータが転送されていることを意味します。