台湾全土の7歳から12歳までの小学生のうち、推奨されている果物の摂取量を毎日摂取しているとされる数の割合
この数字は、日本の厚生労働省に類似する衛生福利部の国民健康署という部署が発表したものです。国民健康署により、更に台湾の全国民の約90%で、果物の摂取量が不足していることも明らかになり、台湾人全体で深刻な果物摂取不足であることが判明したのです。
台湾では衛生福利部により、目安として「一食につき拳一つ分の量の果物」を取ることが推奨されています。カットフルーツの場合は、お茶碗の半分から1杯程度の量となります。また、1日に少なくとも拳二つ分の量の果物を摂取することも推奨されています。これは、果物に含まれる私たちの身体に重要な水溶性食物繊維とビタミンCが十分に摂取できるとされる量です。
水溶性食物繊維は、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を改善することで、免疫力の向上や炎症の抑制、解毒作用、心血管の健康維持に役立つと言われています。海外の研究でも、水溶性食物繊維は果物から摂取することで、より高い吸収率が得られることが示されています。一方、ビタミンCには抗酸化作用があり、学習能力や集中力の向上に効果があるとされています。
果物を十分に摂取している小学生の割合は僅か6.4%だと話しましたが、他にも最近、台湾の小学生を対象に行われた他のある調査により、朝食の内容も適切ではないことが明らかになっています。
調査によると、約半分の児童が朝食の中で、油・砂糖・塩分を過剰に含む食品、例えばホットドッグ、チキンナゲット、フライドポテト、これに加えてミルクティーなど砂糖が含まれた甘い飲み物という不健康な朝食を頻繁に摂っていると判明したのです。これにより、摂取カロリーが過剰になるだけでなく、脂肪の蓄積を引き起こし慢性疾患などの病気にかかりやすくなるリスクが高まると指摘されています。
こういった背景から、現在、台湾でも質の良い朝食を摂ることが呼びかけられています。ある医師によると、そのためには、主食に加え良質なタンパク質が含まれた食品を取り入れ、さらに食物繊維やビタミンCを特に豊富に含むキウイフルーツやリンゴなどの果物を組み合わせることで食事の栄養バランスを整えることを推奨しています。どちらの栄養素も含む果物の摂取により、より効果的に栄養素を吸収できるだけでなく、腸の動きを促進させたり、血糖値の安定にも役立つそうです。
ただし、医師は、「果物はジュースでの代用は避け、原形のまま食べるのが望ましい」と話します。これは、ジュースにすると食物繊維が失われる上、砂糖が追加されることもあり、かえって肥満などの健康リスクを高める可能性があるためです。
また、食品の栄養に関するある専門家は、低カロリーで栄養価の高い果物として他に、みかん、パパイヤ、バナナも挙げています。
ちなみに、衛生福利部は果物以外の食材の推奨摂取量に関し、それぞれこの様に発表していますので、皆さんもぜひ参考にしてみて下さい。
乳製品に関しては、牛乳は毎日朝晩に一杯、約240ml摂取するか、チーズや無糖ヨーグルトを食べたり、料理に乳製品を加えるのも効果的だそう。
野菜の量は果物よりも少し多めに、そのうち色の濃い野菜や旬の野菜を1/3以上取り入れることを推奨。
タンパク質源である豆、魚、卵、肉類は、一食につき手のひらで1つ分、優先して摂るべきとされる順番は、豆類>魚・海産物>卵>鶏肉・豚肉で、加工肉は避けるべきだとしています。
更に、一食分のご飯の量は野菜と同じくらいの量で、炭水化物に関しては、玄米、オートミール、とうもろこしといった穀物や、さつまいもから摂取することも大切だとしています。
最後にナッツ類に関しては、1日に大きめのスプーン一杯分の量が推奨されていて、3食に分けて小さじ1杯分ずつを食べても良いとということです。
衛生福利部の調査によると、台湾では2017年から2020年の間に、19歳以上でBMIが27以上、すなわち肥満に該当する人は約24%を占めているほか、へそ周りの大きさが、肥満体とされる男性で90cm以上、女性で80cm以上ある割合がなんと50.1%もいることが判明しています。
肥満ももちろん良くないですが、最近日本では、特に女性の「5人に1人」が「痩せすぎ」の状態であることが明らかになっており、将来の健康状態に影響を引き起こすリスクが懸念されています。
果物や野菜をはじめどの食材もバランスよく摂取したり、日常生活に運動を取り入れて、「肥満」、「痩せすぎ」どちらの状態にも気をつけていきたいですね。
『台湾北部の冷蔵庫』との呼び名もある、台北都市圏の農産物の流通と卸売を担当している業者「臺北農產」の「端午節」に向け販売した粽(ちまき)の目標販売数
台湾で「ちまき」といえば、「端午節」が思い浮かびます。端午節は中華圏において旧暦の5月5日に当たり、春節、中秋節と並ぶ大切な日とされています。その由来は様々な説がありますが、そのうちの一説によると、夏の厳しい暑さの中、邪気や疫病を追い払うための日とされています。風物詩として、龍の頭がついたカラフルなドラゴンボート(龍船)が太鼓の音の中競い合う「ドラゴンボートレース」が有名です。
他に最も一般的な習慣として、ちまきを食べることが挙げられます。台湾のちまきは北部と南部で具材や作り方が少し異なりますが、どちらもおこわを笹の葉で包んだもので、端午節前には家族で一緒に作ったり、市場などのお店の物を買う人たちの姿が見られます。
北部・台北市の管轄下で運営している「臺北農產」では、端午節のために3種類のちまきを限定発売しました。3種類とは、台湾北部の伝統的な製法で作られたちまき、ベジタリアン向けのちまき、そして厳選したピーナッツや豚肉、それに揚げネギなどを加えた「ピーナッツちまき」のことで、先月末時点ですでに、昨年の16.5万個を超える19万個を売り上げました。今年の売り上げ数は昨年と比べ30%の成長が予測されています。
なぜ売り上げが増えたかについて、「臺北農產」によると、YouTubeなどを活用したインターネットライブ配信の中で紹介し、販売を拡大しているためだということです。
ちなみに今年の端午節は土曜日に当たることから、前日の30日金曜日に振替休日があり、6月1日日曜日まで3連休となっています。