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「数字の台湾」はある「数字」をキーワードに、そこから見える台湾の社会模様を、ニュースとはことなる視点で切り出してご紹介するコーナーです。「数字の台湾」を聞けば、「今」の台湾を知る事ができますよ!... more
March 31, 2025数字の台湾 - 2025-03-31-「59万6071人」/「273億台湾元」①「59万6071人」:2024年の1年間に日本へ向けて出国した12歳以下の台湾人の数台湾では、今週の金曜日4月4日は日本でいうこどもの日「兒童節」です。台湾のこどもの日は日本と同様、祝日に当たります。今年の4月4日はもう一つの祝日、日本のお盆に似た「清明節」にも当たり、これら二つの祝日が重なっているため、前日の3日木曜日は振替休日となり、今週は木曜日から日曜日までが4連休となります。そんな、こどもの日を含んだ連休がもうすぐ始まる今だからこそお届けしたいのがこれから話す話題です。日本は台湾人にとって人気のある海外旅行先であることはよく知られていますが、実は親子連れの旅行先としても人気なことが最近、交通部(日本の国土交通省に類似)観光署から発表された統計により明らかとなりました。その統計が今日の一つ目の数字「昨年1年間に日本へ向けて出国した12歳以下の台湾人、59万6071人」なのです。この数は昨年出国した12歳以下全ての台湾人のおよそ半数を占めました。確かに日本のアニメや漫画といった「ジャパニーズサブカルチャー」は台湾の子供達にも人気がありますが、ここまで多くの子供達が日本へ旅行へ行っているというのは驚きを感じます。他の行き先と比べどのくらい多いかというと、行き先の2番目にランクインした中国11万7267人の約5倍、3番目の韓国9万9118人の約6倍です。また、4番目は香港で8.3万人、5番目はベトナムで8万人でした。一方で、昨年一年間で出国した13歳から19歳の台湾人は延べ68.1万人で、そのうち28万人が日本を目的地としました。学業や仕事に励まなければならないため、日本への旅行者数は12歳以下と比べると半数以下まで減少した結果となりました。ちなみに、昨年一年間で海外へ出国した台湾人は合計延べ1684万9683人。そのうち日本に向けて出国したのは延べ600万6116人で、全体の約3分の1を占めました。つまり、台湾から出国した台湾人のうち3人に1人は日本へ行ったということになるのです。全年齢層からも人気な旅行先というのがこのデータからも分かります。ある台湾の旅行会社によると、親子連れに特に人気の日本の旅行先は東京都、大阪府、沖縄県だと指摘。その理由として、東京と大阪には大型のテーマパークがあるため以前から人気が高く、また、沖縄は台湾からの飛行時間が1時間半ほどと特に短く、北部の桃園国際空港の他、中部・台中や南部・高雄の空港からも直行便があるため、初めての親子旅行の行き先として選ばれることも多いんだそうです。昨年は、家族旅行のピークシーズンであった夏休み時期に沖縄へ向かった便に搭乗した台湾人のうち半分近くが子供であったほどです。別の旅行会社によると、日本が親子連れに人気な理由として飲食の習慣が台湾と似ていることや、ショッピングでの便利さも指摘しています。昨年の夏休み時期には、団体旅行者の3割以上が子連れで参加したといい、今年の夏に向けすでに、子供向け割引キャンペーンを実施している旅行会社もあるということです。 さらに今年は、4月に半年間の開催期間を予定している大阪・関西万博が開幕したり、7月には沖縄本島北部に「冒険と自然」をテーマにした新しいテーマパーク「ジャングリア沖縄」が開園予定、他には、台湾の航空会社「スターラックス航空」が4月より、桃園国際空港から神戸空港、中部・台中市の空港から神戸空港へそれぞれ初となる直行便の運航をスタートさせる予定であるため、今後ますます台湾から日本への家族旅行は拡大すると見込まれています。ちなみに、まだまだ心は子供の私が最近行ってみたい場所は、大阪のユニバーサルスタジオジャパンです。昨年末にオープンしたばかりのエリア「ドンキーコング・カントリー」で子供の頃よく遊んだドンキーコングの世界を楽しめたらと思っています。****②「273億台湾元」:2027年後半から正式な運用開始が予定されている台湾新幹線こと「台湾高速鉄道」新型車両の価格新型車両を巡り、台湾高速鉄道を運営する「台湾高速鉄路公司」と日本の日立製作所と東芝からなる企業連合体(Hitachi Toshiba Supreme Consortium, HTSC)の間で2023年5月に12編成、計144車両の調達契約が結ばれ、その際にHTSCが約1,240億円で受注しました。調達契約を結んだ新型車両についてHTSCは、JR東海向けの「N700S」をベースに、モータなどの機器を小型軽量化して電力消費を大幅に減らす計画です。授乳室や車椅子対応などの機能を強化する考えで、2024年には揺れ・騒音の低減に向けた仕様変更も行っていました。そんな中、今月17日、「台湾高速鉄路公司」は、 HTSCと新型車両を巡り、バリアフリー機能などを高める仕様変更契約の調印式を開きました。台湾高速鉄道の鄭光遠・董事長(会長)によると、すでに新たな設計の方針がおおむね固まっており、間もなく生産の次の段階に入るといいます。生産完了後2026年後半に台湾へ順次納入し、走行テストで列車の性能確認を行い、問題がなければ2027年後半に運行が開始される計画です。北部・台北と南部・高雄間の350kmを結ぶ台湾高速鉄道は日本の新幹線技術を取り入れて2007年に開業しました。現在は東海道新幹線などに使用されていた700系車両を改良した「700T型」を運行しており、JR東海はすでに台湾の新型車両に対し技術提供を始めています。*私からの一言新たな車両がどのようなものになるのか、今から大変待ち遠しいですね。運行が開始されたら、多くの子供達は国内旅行をより楽しめるようになりそうです。...more10minPlay
March 24, 2025数字の台湾 - 2025-03-24-①「4.5万人」 ②「42.5km」数字①4.5万人今月8日から23日まで開催された「台湾国際蘭博覧会」、「アジア太平洋蘭会議(APOC)」における初日の来場者実は台湾でランの生産、輸出がとても盛んであること、ご存じでしたでしょうか?ランは東南アジアを中心に、世界中の熱帯・亜熱帯に分布しています。野生種だけで1万~3万種程度あるといわれているのですが、台湾にはそのうち400種以上が生息しています。これは台湾に生息する植物約4,600種のおよそ10分の1を占めているほど。そのため台湾は「ランの島」とも言われています。ある専門家は、「ランの種子は非常に軽く、季節風や台風に載って近隣諸国から台湾に飛来することが多いため、台湾はランの交流が盛んな場所である。また、変化に富んだ地形や標高差も相まって、様々な種類の生育に適した生息地がある」と話しています。そのためランの一大産地であり、果物や茶葉などと並び海外への輸出も盛んです。世界で生産されるランのうち、台湾産は3分の1のシェアを占めており、その約半数が台南産のものです。台湾全体の蘭の生産額は昨年64億台湾元(約287億円)に達し、輸出額は61億台湾元(約273億円)を占めました。輸出先は日本、カナダ、オーストラリアなど60以上もの国に上り、「ラン」は農産品輸出における基盤産業となっているのです。台湾は温暖で降水量が比較的多い気候から一年を通して他にも様々な花が咲きますが、今年はこれまで、昨年の台風や最近の寒さの影響で花の生産量が落ち込み、価格も上昇しています。例えば先月上旬のバレンタイン前後のバラの価格は2023年の同時期と比べて約2割以上高くなりました。そんな中でも、現在暖かくなりつつある台湾では“ラン”の最盛期を迎えています。「台湾国際蘭博覧会」は今月8日から始まり、ちょうど昨日23日に幕を閉じました。2005年から毎年開催され、世界三大ラン展のうちの一つに数えられているこの博覧会、今年は芸術感と生態性を兼ね備えた展示エリア一面が15万株以上のランの花で彩られたほか、世界各国から関連産業関係者が観賞や商談に訪れたり、他にも、台湾で栽培された高品質なランを観賞、購入する多くの観光客の姿もみられました。今年はこの他に、三年に一度の「アジア太平洋蘭会議(APOC)」も台湾で開催されました。毎回各国で開かれるのですが、今年は20年ぶりの台湾での開催となり、合計15の国の専門家による、ランの研究、産業の動向、品種の権利という3つのメインテーマに焦点を当てた50近くの討論会と20のポスターの展示による発表が行われました。博覧会とアジア太平洋蘭会議のどちらも、南部・台南市の最北端、「後壁区」の「台湾蘭バイオテクノロジーパーク」にて開催されました。ここは2004年に設立された世界最大規模のランの温室栽培施設で、「台湾国際蘭博覧会」が毎年開かれます。「台湾蘭バイオテクノロジーパーク」での平均年間売上高は20億台湾元(約90億円)に上ります。昨日閉幕した「台湾国際蘭博覧会」の初日3月8日は「国際女性デー」にあたることから、女性の入場が無料だったこともあり、台南市の統計によると、今日の一つ目の数字「4.5万人」が詰めかけました。この数は昨年の開催初日と比べ3倍もの増加で、訪れた8割が女性だったということです。開催第1週目の入場者数は昨年と比べ17%、約2万人増加したほか、農産物やお土産の売上も好調な結果となりました。来場者は皆、今年のランの美しさを絶賛し、「有意義な旅となった」「とても楽しかった」と感想を述べました。ちなみに「アジア太平洋蘭会議」の来年度の開催場所はすでに発表されており、「マレーシア」だということです。******数字②42.5km「桜道で開催されたサイクリングイベントの走行距離」台湾北部・桃園市大渓区と北東部・宜蘭県壮囲郷を東西に横断する、全長約129.5kmの自動車道「北部横貫公路」のうち42.5kmの距離を自転車で駆け抜けるイベントをご紹介します!このイベントの名前は「桃園北橫櫻花勇士自転車イベント」。その目的はなんといっても「沢山の桜」を鑑賞しながら自転車を走らせること。沿線には様々な品種の桜が咲き誇り、景色を堪能しながら長距離を漕ぎ、また、自身のタイムを測ります。10年目を迎えた今年は、今月8日、9日の二日間に渡り開催されました。桜は9分咲きという絶好のコンディションの中、二日間で合計653人が参加し、そのうち595人が完走しました。中には10年連続で完走した参加者が三人おり、桃園市から特別表彰を受け記念品が送られました。10年連続完走というのも驚きですが、上は85歳、下は10歳の参加者もいたり、他にも三人の外国人もそれぞれ完走しました。10歳の男の子は、「6歳から自転車に乗り始め、8歳の時にはすでに家族と自転車で山を登っていた。今年、初めてこのイベントに参加した。疲れたけれど、自身の体力を試せるこのイベントに次回もチャレンジしたいと思う」と述べました。85歳の男性については、サイクリングの知識と経験に長けているまさに自転車のプロともいえる方。というのも、この方は1999年にサイクリングの安全性を促進するための授業を行う会社を設立した社長、謝正寬氏で、毎年参加しています。今年は2日連続参加し完走しました。とてもパワフルな方ですよね。実は今年のイベントでは途中、山間部で地滑が発生したため中断。しかしこのようなトラブルの中、多くの参加者は1時間以上の復旧作業を待ち、復旧後再び挑戦を再開、最後まで大きな事故もなく無事終了しました。ほぼ満開の桜道を合計「42.5km」自転車で駆け抜けるというのは大変な一方、とても思い出に残る時間となりそうですね。...more10minPlay
March 17, 2025数字の台湾 - 2025-03-17-【①「36%」②「7頭」】①「36%」:台湾北部・台北市内の公園に設置されている「監視カメラ」の設置の割合台北市内には合計612の公園があるのですが、そのうちの半分以下の公園にしか監視カメラがないという事でその少なさが指摘されています。台北市といっても12の行政区に分かれており各区ごとでみると割合は大きく異なります。大同(だいどう)区と、士林夜市でお馴染みの士林区の二つの区のみ設置率が50%を超えています。他の10の行政区のうち、特に設置率が低いのは大安(だいあん)区と、文山(ぶんさん)区で、それぞれ29%、18%という割合です。ただ、台北市内の公園、街路樹、街灯などの建設と維持管理を担当している台北市公園処は今回の意見受け、「当初推進していた監視カメラ設置計画は2023年に完了しており、必要と評価された公園に対してはすでに設置が完了しているため、現時点では追加の設置をする計画はない。もし今後新たに設置する場合は、公園の規模や、遊具や公衆トイレの有無、利用者数、周辺に監視カメラがあるかどうか、地域の需要といった状況などを総合的に考慮し評価していく」とこのように回答しています。現在、台北市が設置率の向上を急いでいないのにはこんな理由もあるかもしれません。市の警察局は、公園内での犯罪は最近大幅に減少していると発表しています。ただ市の公園内で起きた犯罪数の統計を見てみると、昨年は289件の事件が発生しており、新たな設置の必要はないともまだ言い切れない状況です。こういった状況を受け、ある市議会議員は、監視カメラの設置が必要な死角となっている場所、例えば木が多い場所などを特定するために警察局と公園処に対しビッグデータとAIを用いた分析を導入してはどうかと提案。また、監視カメラ設置が犯罪抑止に大きな効果があることは既存のデータから明らかである。そのため市は公共の場における市民の安全を確保するため公園への設置の需要を毎年定期的に見直し、適切な予算を使うべきだと指摘しています。という事で一つ目の数字、台北市内の公園に設置されている「監視カメラ」の設置率「36%」でした。****②二つ目の数字も、台北市の市民を守るのに大きな役割を果たしているものと関係があります。「7頭」です。「頭」と付くのですから「動物」の数ですね。市民を守るのに活躍する動物の一つに「災害救助犬」が挙げられます。台湾はオーストリアに本部を置き、世界へ出動可能な高い技術を持ち合わせた災害救助犬チームの訓練・育成に取り組む国際ボランティア団体「国際救助犬連盟(IROアイ‐アール‐オー)」に2012年から加盟しています。IROは2024年7月時点で、41ヶ国133団体が加盟しており、各国に審査員を派遣し世界の救助犬の水準を向上させる為に独自の国際認定基準に基づく各種認定試験、世界選手権を毎年実施しています。これは世界で最も広く採用されている救助犬評価のための試験です。台湾ではその試験に合格した救助犬を国が認める救助犬と認定しています。IROは試験の結果により救助犬を3つのレベルに分けています。最も能力が高いと判断された犬は「高等救助犬」と呼ばれ、その一つ下は「中級」、一番下は「初等」救助犬とされます。台湾では一律「中級救助犬」以上のみを正式な救助犬と定めており、「初等」に選出された場合は正式な救助犬に成長するための能力を持ち合わせた伸び代が期待できる犬と判断された事になります。現在台北市消防局には「高等救助犬」8頭と「初等救助犬」2頭で結成された捜索犬チームが存在しています。1999年に台湾中部を襲った大地震「921大地震」をきっかけにその次の年の2000年9月21日に台湾初の救助犬チームとして発足。国内で発生した自然災害や遭難事故で救助活動に携わる他、イランやインドネシアなどにも派遣されたことがあります。ある訓練士は自身の過去をこの様に振り返ります。「921大地震」の際、当時は台北市消防局の消防隊員だった。地震発生直後すぐに現場へ駆けつけると停電のため周辺が暗闇に包まれ、市民の助けを求める声が時折聞こえていた。各国の捜索救助隊が続々と到着する中、日本の救助隊が連れてきた救助犬が、その繊細な嗅覚で生命の気配を察知し、パートナーと協力しながら、一分一秒を争うように人命救助に取り組む姿を目の当たりにし、その互いに協力し合う勇敢な姿が印象に残った。次の年に救助犬チームが発足されるという情報を知りすぐに試験を申し込んだ」と話します。見事合格し、第一期生の一員となった彼は仲間とともにアメリカに渡り、関連の講習を受け、正式に訓練士になる夢を実現しました。それでは二つ目の数字「7頭」は一体何を指しているのか説明します。今年で成立から25年目を迎える台北市の救助犬チームのうち、7名の訓練士と7頭の救助犬が今年2月に南部・高雄市の消防局にある救助犬育成センターで開催されたIROの評価試験を受け、7頭全てが見事「がれき捜索部門」の試験に合格し、がれき捜索の資格を取得したのです。これが二つ目の数字の意味です。消防局局長は、メディアに対し、「チームの努力を祝福し、訓練と災害救助活動に長期的に取り組んでいるチームのプロ意識を賞賛する」と話すと共に、「今後も能力向上を図り、積極的に国際的な認証を取得して、台北市の国際救助分野での競争力と貢献度を高めたい」と意欲を示しました。ちなみに、台北市の救助犬が普段どこらへんで訓練されているかというと、市内の中山(ちゅうざん)区にある訓練基地です。ここは地上4階建てで、一棟丸々訓練を行う専門施設です。2019年6月から使用が始まったのですが、それまでは内湖(ないこ)区にある警察署の施設内に訓練拠点が置かれていました。しかし市街地に近くスペースも狭く、多くの訓練項目を実施できずにいました。そこで新たな訓練場所が建設されたのです。二つ目の数字「がれき捜索の試験に合格した台北市の救助犬7頭」についてでした。...more4minPlay
March 10, 2025数字の台湾 - 2025-03-10-【「59万3400人」】今週の数字:「59万3400人」=「2025年1月に日本を訪れた台湾人観光客数」日本の国土交通省観光庁所管の独立行政法人「日本政府観光局(JNTO(ジェイエヌティーオー))」は先月19日、今年1月に日本を訪れた外国人観光客は推計でのべ378万1200人に上ると発表しました。1か月間の観光客数としては過去最高で、昨年の同じ時期と比べ約4割の増加率です。増加した主な理由として、旧正月の大型連休中に中国からの旅行者が、前の年の同じ時期と比べて2倍余りとなり1月としては過去最高を記録したほか、アメリカやヨーロッパ、香港、シンガポールなど、17の幅広い地域でも1月の記録を塗り替えたことが挙げられます。地域別の訪日者数をみてみると、中国は、コロナ禍からの回復が遅れていたものの、今年1月はコロナ禍前の水準を超え、98万300人が訪れたほか、それに次いで韓国からは96万7100人、そして台湾からは59万3400人が日本を訪れました。そう、今日の数字の一つ目「59万3400人」は今年1月に日本を訪れた台湾人観光客数を指していたのです。1ヶ月の間に日本を訪れた台湾人観光客数も過去最高を記録し、昨年の同じ時期と比べ2割の増加率でした。他に韓国とオーストラリアからの合わせて3つの地域でも1か月間の観光客数を更新しました。私はちょうど今年1月に、北海道札幌市へ帰省したのですが、確かに街中はどちらかというと日本人より外国人の方が多いのではと感じるくらい、あちらこちらから外国語が聞こえてきました。コロナ禍が明けてからこれまで何度か帰省しましたが、私個人の感覚ではこれほどまで多くの外国人がいる札幌市は初めてだと感じました。特に、中国語と韓国語が多く聞こえてきました。遊びに来ていた台湾人の友人は、「札幌駅のコインロッカーが全く空いていなくて、探し回ってやっとの事で見つけた。昨年札幌に遊びに来た時はこんなにあちこち探さなくても見つかったのに…」と話していました。札幌市でこのような状況なのですから、関東や関西地区はより外国人観光客で賑わっていることと思います。日本が多くの外国人の旅行先に選ばれるのというのは嬉しい事ですね。そんな中、日本では外国人を接客する人手も足りなくなっているかもしれません。私は海外の方と交流するのが好きなので、中国語や苦手な英語を何とか使って色々な場所へ案内してあげたいくらいです。日本への観光ブームの理由の一つとして、日本の金融政策が直接後押ししているともいえます。日銀が低金利政策を維持する中、諸外国が金融引き締め政策をとっているため、結果的に円安となっています。実際、周りには私より日本へ行っている台湾人もいて、日本の各地の観光地やグルメについて私よりも詳しい人もいます。羨ましい限りです。そんな中私はよく、「円安だから日本人は海外旅行へ行きにくい時代で大変だね」と台湾人に言われてしまいますが、私一人ではどうしようもありません。ただ、台湾の中でも魅力的な場所が沢山あります。時間があれば色々な場所へ赴いて、新たな発見をするのが私の楽しみの一つでもあります。では、そんな台湾を訪れる人の数は一体どれくらいなのでしょうか?実は、昨年一年間の入国者数は過去最多ののべ786万人を記録。交通部観光署の推計では、昨年11月12日に一昨年の年間累計649万人を超え、さらに、昨年12月3日は一昨年の同じ時期と比べおよそ2割増加の700万人を超えました。注目すべき点として、台湾を訪れた外国人観光客数のうち、日本人が最多を占めたことが挙げられます。およそ17%を占めるのべ約132万となり、二位の香港とマカオを合わせた数をわずかに上回りました。三位は韓国、四位はアメリカ、五位はフィリピンからの旅行者数がランクインしました。しかし、台湾への外国人観光客数が過去最高となったといはいえ、観光署が昨年のはじめに目標として定めた外国人観光客1000万人には大きく届かず今年一年の新たな目標となりました。また、昨年一年での台湾からの出国者数はのべ1700万人近くとなり、入国者と比べておよそ900万人以上の大きな差があります。台湾からの出国者の行き先を国別でみてみると、三人に一人、のべ約600万人は日本へ行き、一方で台湾を訪れた日本人観光客はわずかのべ130万人ほどです。その差は470万人にも上ります。このことからも、台湾人が海外旅行により積極的であると同時に台湾を訪れる観光客に関しまだまだ伸び代があることが伺えます。観光署の周永暉・署長は、「世界の観光に関するトレンドは、観光客数の追求から、一人当たりの一日消費額の向上にシフトしている」と述べ、 「現在、台湾を訪れる外国人観光客の一日の消費額は約180米ドル(約2万7000円)であり、今後はさらに185~200米ドル(約2万8000円〜3万円)以上に引き上げることが目標である」と指摘しています。台湾への観光客数が伸び悩む理由について、宿泊料金の高さ、一つの観光地へのリピート率の高さ、台湾最南端の恒春半島に位置し台湾で有名なビーチリゾート墾丁(こんてい)の人気低下などの問題が挙げられています。また、両岸関係の低迷により、中国からの観光客が落ち込んでいることも挙げられます。2008年に中国人の台湾への旅行が解禁された後、その数は年々増加。2015年にはのべ418万人に達し、台湾への外国人観光客数が合計で初めて1000万人を突破する原動力ともなりました。中国人観光客の消費力の高さは、台湾の観光市場に多くの利益ももたらしました。しかし、2019年に中国政府は台湾への個人旅行を、2020年からは新型コロナウイルスの影響で団体旅行も禁止。昨年になりようやく、福建省の住民による離島・馬祖への旅行が限定的に再開され、今年1月には上海と福建省の住民を対象に、近く団体旅行を再開する方針も発表されています。今年一年は世界各地からより多くの人が台湾へ観光に訪れ、皆が素敵な時間を過ごせたら良いですね。...more10minPlay
March 03, 2025数字の台湾 - 2025-03-03-【2025年4月4日夜10時45分】*今日の数字「2025年4月4日夜10時45分」「大甲媽祖巡行(中国語名:大甲媽祖遶境)」の2025年度のスタート時間****台湾中部・台中市北西部に位置します大甲区(だいこうく)は、年に一度開催される、宗教の一つ、道教に関する大型イベントのスタート地点です。そのイベント名は「大甲媽祖巡行(だいこうまそじゅんこう)」、中国語名だと「大甲媽祖遶境」と言います。台湾において、有名な道教の宗教施設、廟の一つに「大甲鎮瀾宮(だいこうちんらんぐう)」が挙げられます。この廟は先ほども話した台中市大甲区にあり二百年余りの歷史を有するのですが、ここをスタート地点として行われるのが「大甲媽祖巡行」なのです。実は、今年は4月4日の夜10時45分に始まることがすでに決まっています。これが今日の数字です。道教は台湾で仏教の次に信仰者数が多く、台湾の最高学術機関である中央研究院の社会学研究所というところが2021年に発表したデータによりますと、全台湾人口のうち約19%の人が道教を信仰していると答えたそうです。最も多くの人が信仰していると答えた仏教は約20%でした。ただ、この数は、一つしか信仰している宗教を選ぶことができない場合です。なんと言っても台湾には信仰者数の多いもの少ないものを合わせてびっくり22種類もの宗教が存在しており、そのため道教と他の宗教を同時信仰している人も多くいるので、実際に道教を信仰している台湾人は更に多いと予想されます。では、そんな道教のイベント「大甲媽祖巡行」とは一体どのようなものかというと、台湾の人々に最も慕われているとされる道教の神様、「媽祖」の生誕日である旧暦3月23日前後に開催される、大甲鎮瀾宮に祀られている媽祖を乗せたみこしが9日間をかけ、中部の台中、彰化、雲林、中南部の嘉義の4つの県と市を練り歩きます。その距離全長約340キロに及び、毎年、多くの信者を引きつけます。なんと、全日程を合わせると世界でも類をみない規模の毎年100万人以上が参加します。国連教育科学文化機関(UNESCO)の無形文化遺産にも登録されている台湾を代表する宗教イベントです。ではいつどうやって、毎年開催の日程を決定しているのでしょうか?慣例として、旧暦1月15日に当たる元宵節、つまり、旧正月の最終日を祝う日に決定されます。毎年スタート地点の鎮瀾宮で決定する儀式が行われるのが恒例なのですが、そこの董事長(会長)が当日、廟の役員たちを率いて、「ポエ」、中国語で「擲筊(中国語読み zhí jiǎo)」と呼ばれる、二つの赤い三日月型の木片を投げて媽祖の教えを問うという占いの方法で決められます。その方法として、まず、媽祖が祀られている方へ向かって自分の名前、生年月日、住所を伝えます。それから媽祖に聞きたいことを心の中で念じます。これで媽祖に聞きたい質問を伝えることができます。そして最後にポエを両手に持ち同時に投げて、どちらかが表、もう片方が裏を向いて落ちれば、その質問に対して媽祖は肯定の意見を持っているということなのです。この、表と裏の組み合わせで落ちた状態を「シンポエ(聖筊 中国語読み:shèng jiǎo)」と呼びます。毎年元宵節の午後6時から鎮瀾宮で開催される儀式の中でこれが行われるのですが、今年は廟の董事長がポエを2回目に投げた際、媽祖の同意を示す「シンポエ」(聖筊)が出て、結果、4月4日の夜10時45分に開始される事となったそうです。初日は鎮瀾宮を出発し、そこから彰化市の南瑤宮(なんようぐう)、雲林県の西螺福興宮(せいらふくこうぐう)、嘉義県の新港奉天宮(しんこうほうてんぐう)、彰化県の北斗奠安宮(ほくとてんあんぐう)と彰化市天后宮(しょうかしてんごうぐう)、台中市の清水朝興宮(せいすいちょうこうぐう)を経て最終日の4月13日に台中市大甲区の鎮瀾宮に戻ってくる予定となっています。実は私、そんな「大甲媽祖巡行」に昨年初めて参加してみました。感想は「とっても楽しかったけど、それと同時にとっても疲れた。でも媽祖様を間近に感じられて嬉しかった」です。私は初日に、今年と同じスタート地点の鎮瀾宮から出発したのですが、その時点で人がものすごく多くて身動きがほとんどままならなかったほどです。ただ、廟の周りには夜市のような露天が並んでいて、スタート前はそこで台中市のグルメも楽しみながら、これから始まるドキドキ感や台湾ならではのお祭りのような雰囲気を感じ、今でも思い出に残る時間となりました。スタート時、人混みの中にいた私は、前方にいる媽祖を乗せたみこしの姿は見えなかったので、YouTube上で各テレビ局が生放送している映像で媽祖が乗ったみこしを見て、「少しでも早く近付いてみたいなあ」と思っていました。また、スタート時には廟の上の方で花火が打ち上がり、それを合図に徐々に人混みが前方へと進み、私も非常にゆっくりではありますが前へ前へと歩き始めました。ただ、始まって3時間ほどは周囲に人が多く自分のペースで歩けないため疲れやすかったです。そんな中、有り難かったのが、各ポイントに設置されている無料の食べ物や飲み物の提供。主に、歩いている際に食べやすい、片手で食べられるパンや果物、また紙の器に入ったその土地ならではのグルメや、缶や紙パックの飲み物が振るわれ、また、提供場所には椅子やテーブルのあるちょっとした休憩スペースもあり、立ち止まってひと休みできます。そこで更なるエネルギーを蓄え再び媽祖に近づくために前進を始めるのです。受け取る際に地元の人や他の参加者と交流もできますので、これも楽しみに参加するのも良いですね。ただ一番のメインはやはり何といっても、媽祖に近づくこと。みこしは各地の廟に到着すると、そこで一旦止まり、各地の廟に鎮座する神様たちと挨拶をしてから再び巡回します。その際にはより近づいてみこし見られるので、この時間を狙って行くのもお勧めですよ。そんなこんなで私は無事に媽祖の乗ったみこしに近づき触れ、一年の平和と健康を祈ることができました。また、各廟へ入った際に、各廟では爆竹が鳴らされ、その際に落ちた赤い破片を持ち帰ると媽祖からのご加護をより受けられるという風習もあり、私も袋に入れ持ち帰りました。そのお陰かどうか、今日も元気に台湾で暮らしています!もし皆さんも私の体験談を聞いて興味を持ちましたら、是非台湾の一大宗教イベント「大甲媽祖巡行」を体験してみてはいかがでしょうか?...more9minPlay
January 27, 2025数字の台湾 - 2025-01-27_【2024年】クルーズ客のうち35%が外客、コロナ禍前より多く 日本客が最多●1/27~1/29寒波が襲来、2/1寒気団が南下●嘉義地震、地震基金:台湾全域の地震保険加入率が4割未満●【2024年】クルーズ客のうち35%が外客、コロナ禍前より多く 日本客が最多●旧暦辰年、台湾の個人投資家の一人当たりの平均利益は136万台湾元(約649万日本円)...more10minPlay